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【完結】スキルクリエイター 〜レベルを犠牲にスキルを創る。でも、レベルが低くて使えないってどう言う事ぉ〜〜⁉〜  作者: 華音 楓
第2章 万年Gランク確定→頑張ってFランク。

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058 噂話と命の重さ

 訓練施設につくと、すぐに受付カウンターへ向かった。

 ブリーフィングルームは無事抑えることができた。

 時計を見ると…今は午後2時か…

 少し時間があるからどうしようか。


 しばらく中央の待合場所のソファーでくつろいでいると、久しぶりに見る顔があった。

 確か…團姉弟だったかな?

 そういえば、彼らは順調に進んでいるんだろうか…

 バスで会って以来顔を合わせたことがなかったと思う。

 彼らなら、ここの下層まで行っていそうだ。


「あ、中村さん。お久しぶりです。」

「お久しぶりです、由貴乃さんに龍之介君。元気そうで何よりです。バス以来ですからもう1か月以上になりますか。」


 由貴乃さんが先に気が付き、声をかけてきた。

 二人とも元気そうだったし、順調に攻略がすすんでいいそうだ。


「お久しぶりです、中村さん。今もおひとりで探索者を続けてられるんですか?」

「えぇ。まぁ。そうですね。なかなかどうして。命を預けるだけの相手を見つけるのは難しいですね。」


 龍之介君も元気そうでよかった。

 前会った時よりも幾分か強くなったように見える。

 きっと今のパーティーでうまくいっているんだろう。


「命を預けるですか…。確かに難しいですね。今のこの世界はどうなっちゃったんでしょうね。人の命がやたらと軽くなった気がします。」

「僕もそう思います。そして、探索者をしていると命を奪うことに慣れていく、そんな気がしてなりません。」


 龍之介君は何か思うことがあったのだろうか、うつむいたまま何かを考えているようだった。

 命の重さか…

 きっとこの世界は自称神によって、そう作り替えられたんだろうな。


「そういえば、ダンジョン内での変死事件について何か聞いてませんか?」

「由貴乃さん、それってどういうことですか?モンスターにやられた人たちの事なら1件届け出たことはありますが。事件ってことはもっと犠牲者が出ているってことですか?」


 何やらきな臭い気がする。

 それに【生物】の進化。それと、昆虫を殺してのレベルアップ。

 まさか…

 それを人にやってるやつがいるのか?


「そうですね。私が聞いている限りだと、すでに8パーティーが犠牲になったかと。ただ、噂話で自衛隊に尋ねても知らないとしか返答がないので、確証はありません。まことしやかに噂されている。そういった感じです。」

「そうですよね。本当に変死事件なら、ニュースにだってなってますからね。悪戯の情報拡散だったらさすがに度を過ぎてますね。」

「中村さん…実はその話には続きがあるんです…。」


 妙に神妙な面持ちで龍之介君が話始めた。

 あまりにも真剣な表情なので、僕も真面目に聞くことにした。


「実は、犠牲になった8パーティーのうち1つに俺の友人のパーティーがありました。今はもう解散してしまってなくなりましたが。って、そうではなくて。6名中4名がダンジョンで死亡しました。生き残った者も満身創痍で、探索者を続けていくのが難しいです。そして、その友人から聞いた話ですが…。同業者にやられたそうです。でも、確証はなくて、同じくスキルを使ってきたのでおそらくそうだろうって。俺、正直怖くて…。タンクとして仲間を守るって覚悟したのに…。たまによぎるんですよ。俺の命が掛った時、このまま守り続けられるのかって。」


 そう言って、また顔をうつむかせてしまった。

 確かにそうだろう。もし本当に同業者が行っていたら、完全に殺人だ。そしてその目的は…おそらくレベル上げ。きっとモンスターを狩るより効率が良いってことなんだと思う。一ノ瀬さんの懸念が現実のものになったのかもしれない。


「もしそれが、本当に同業者…人によるものだったとしたら、きっと自衛隊や警察が動いているはずです。そうではないというなら、もしかしたら擬態系のスキルを擁したモンスターが現れたのかもしれませんね。」


 僕は誤魔化すことしかできなかった。まだ憶測の段階でしかないことを、むやみやたらに説明するわけにはいかなかった。

 これは一ノ瀬さんに確認すべき案件だから。


「私も人の手によるものではないことを祈ります。でなければ悲しすぎますから。」

「そうですね。由貴乃さんたちも十分に気をつけてください。もしこの事件がモンスターによるものだとしたら、それは『イレギュラー』の可能性が高いですから。」


 由貴乃さんも僕の答えに納得したようで、首を縦に振って肯定してくれた。


「龍之介、考えすぎても仕方ないわ。あなたはいつも通りに鉄壁でいなさい。そうすれば私たちがあなたを守るから。だから安心して私たちを頼りなさい。」

「姉さん…。そうだな。中村さん、変なところを見せてしまってごめんなさい。今見たことは忘れてください。」


 少し顔を赤くしながらお願いされたら、嫌とは言えないでしょ?

 龍之介君の意外な一面を見れたので良しとすることにした。


 そこで二人とは別れたがやはり懸念は払拭されることはなかった。

 これからこの世界はどうなっていくのだろうか…

ここまでお読みいただきありがとうございます。


ダンジョンでの異変ですか…


実はこれ前からあっためてたストーリ―

ちょっと嫌な思いをする方もいるかもしれません。

でも、描かないとこの世界の理の変化を表現できないのであらかじめご了承ください。


とある人物が今回のストーリーのメインとなります。

主人公もまた選択に迫られます。

その選択が正しいのか、間違っているのか。


作者もかなり迷っております。


では、次回をお楽しみください。


※ほかにもちょい読みシリーズ他作品掲載中です。頑張って毎日掲載しています。

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