049 何気なく変わっていく世界
ぐったりとして帰宅すると、妹から心配の声が上がった。
どうやら自衛隊からすでに連絡が入っていたみたいだった。
ケガもアスカに直してもらっていたので、無事といえば無事でだった。
正直、今日一日でいろいろありすぎて疲れ切ってしまった。
先に風呂に入らせてもらい、その後遅い夕食となった。
夕食を終えるとこれも最近の日課となった、今日の報告会。
妹もついにレベル10を突破し、ランクアップできるそうだ。
しかしこのまま妹を褒めると、急に先輩面をしそうだったのであえて褒めることはしなかった。
そのせいか、妹は少し不機嫌になってしまった。
そして、明日は休息日に当ててるそうなので、パーティーメンバーとそろって市役所で申請手続きをしてくるそうだ。
父さんに至っては、木工レベルが5になったそうだ。
最近はさらに作業スピードといい、正確さといい、今までとは比べ物にならなくなってきたみたいだった。
それと、母さんからの報告が僕としては肝が冷える思いだった。
Gがしぶとくなってきた気がするそうだ。
昨日までは結界でつぶせばすぐに死んでいたのに、今日は少しつぶすのに手間取ってしまったらしい。
最近暖かくなってきたからしぶとくなってきたのかな?っていうのが母さんの感想だった。
気にしなければどうということはないのだけれども、僕にはどうも危険な感じがした。
そういえばと、父さんも追加の報告があるそうだ。
現場でミツバチに刺された同僚が、突然アナフィラキシーショックを発症し救急搬送されたそうだ。
今まで刺されたことはないみたいで、スズメバチならまだしも、ミツバチで発症するのは珍しいと救急隊員も話していたらしい。
やっぱり【生物】の成長に昆虫も含まれている。
【生物】のカテゴライズにバクテリアやウィルスなども含まれていたら…
世界はどうなってしまうのだろうか。
ふぅ、どうやら考えすぎてしまったようだ。
僕は頭を数度横に振ると、思考をリセットした。
あまり悲観的に考えても仕方がなかった。
そういったことは国が考えることであって、僕はただこの世界で生きるために過ごせばいいだけだから。
食事も終わり、各自思い思いのことを始めた。
父さんは大工道具の整備。
母さんは家事の後片付け。
妹は…書類とにらめっこしていた。明日提出用の書類を作成しているそうだ。
僕はやることがなくなったので、自室に戻って休むことにした。
なんだかんだで疲れがたまっていたみたいだ。
自室でくつろいでいると、スマホにメールの知らせがあった。
カイリからの今日のお礼メッセージと、謝罪の言葉だった。
両方とも大した問題でもなかったので、気にしないように伝えた。
それと、自衛隊…一ノ瀬さんから当分の間は自宅待機するように通達があったそうだ。
一ノ瀬さんもシンの取り調べに同席したが、全くと言っていいほど懲りてはいなかったようだ。
取り調べ中も、僕がシンのパーティーメンバー全員に洗脳系スキルをかけたと言い張っていたそうだ。
もちろん、それはあり得ない。
シン達に会ったのだって、あの戦闘が初めてだった。
何より、メリットが皆無すぎるからだ。
ダンジョンで何かあった場合、フォローが不可能に近いためダンジョンアタックを当分行わないようにと言われたそうだ。
あれ、一ノ瀬さん?僕には一切その連絡なかったんですが?
それと、シンについて知らせたいことがあるそうだ。
シンの実家は僕たちが住む市の有力者で、息子であるシンは現在容疑保留で自宅待機となっているそうだ。
自衛隊・警察としては現行犯逮捕の為そのまま拘留したかったそうだ。
しかし、市側からの圧力がかかったためにそれができなくなったと、一ノ瀬さんが愚痴っていたらしい。
そんなこんなで、シンの件が片付くまではソロで潜ることになりそうだ。
まあ、カイリ達とはパーティーを組んで行動するのは難しいので、ちょうどよかったのかもしれない。
カイリ達のパーティーメンバーについては、明日一ノ瀬さんに相談してみよう。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
はい、設定がお腹いっぱいです。
Gもつよくなってるし、屑剣士は解放されるし。
カイリ達の登場はこれにて終了です。
ハーレムルートには至りませんでした。
主人公のスキルを考えるとどうしてもソロルート一択になってしまうんですよね(;^ω^)
今後についてはきちんと考えてあります。
ほ、ほんとうですよ?
誤字・脱字等ございましたらご報告いただけると幸いです。
感想・評価・ブクマいただけると作者は頑張れます。
では、次回をお楽しみください。
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