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【完結】スキルクリエイター 〜レベルを犠牲にスキルを創る。でも、レベルが低くて使えないってどう言う事ぉ〜〜⁉〜  作者: 華音 楓
第2章 万年Gランク確定→頑張ってFランク。

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048 俺様至上主義者の暴走

 本当に嫌になる。

 どうして反省するとか、諦めるって言葉を知らないやつらがのさばるのだろうか。


 僕たちが帰宅するため、施設を出ようとした時だった。


「やっと出てきた。おい貴様!!俺のパーティーメンバーをたぶらかすのは止めろ!!」


 そう、あの屑剣士のシンだった。

 シンは自分は悪くない。お前が3人に変なことを吹き込んだ。きっと洗脳系のスキルを使ったんだ。などと、意味の分からないことを叫び散らしていた。

 さすがに呆れて僕も言葉が出なかった。

 シンはそれを後ろめたいせいだと勝手に思い込み、さらに語気を強めていく。

 ずっと黙って聞いていた3人だったが、我慢の限界を超えてしまったのだろう。

 いつもは温和なアスカが切れた。


「シン君…さすがに気持ち悪いよ?どの口で物を言ってるの?ねぇ?カイリちゃんを囮に使ったのは事実でしょ?それを何今更覆るわけないでしょ?それとも何、あれもケントさんの洗脳だとでもいうの?命からがら逃げかえったのは事実でしょ?しかも、それを報告したのはシン君自身じゃない?ねぇ、どうなの?シン君?黙っててもわからないよ?ほら、反論してよ。ねぇ、早く。」


 怒涛の口撃でまくし立てていくアスカ。その表情からはハイライトが消えていた。

 カイリとカレンも、とても驚いた顔をしていた。

 二人が驚くってことは、アスカのこの発言は普段ではありえないことなんだと理解できた。

 シンに至っては反論のはの字も出てこなかった。

 どう言いつくろっても、自衛隊にそう報告したのはシン自身だからだ。

 それすら洗脳だっていうのなら、僕はいつから彼らに洗脳をかけたんだって話になってしまう。

 普通に考えたらわかりそうなことなのだ。

 だが、シンからしたらそれすらも「自分は悪くない」を主軸として思考していれば正当化されてしまっていた。


「アスカ…君まで深く洗脳されてしまったのか…。パーティーの頭脳であるアスカをそこまで洗脳するとは…、もはやこれは犯罪行為に等しい!!貴様、それでも人間か!!」


 もう、何を言っても駄目のようだ。

 シンはシンの世界でしか生きていないのだろう。

 彼女たちがいくら否定しようとも、シンの中では彼女たちは自分に忠実なハーレム要員でしかなさそうだった。


「大丈夫。俺が君たちを守ってやる。そんな人の道を踏み外したロリコン野郎なんて、この俺が許すものか!!」


 そう言うと、シンは腰に下げた剣を引き抜いた。

 くしくも僕とシンの戦闘スタイルは似ていた。

 盾で相手の攻撃をいなし、剣で隙を突く。

 しかし、シンは問答無用で斬りかかってきた。


「ラッシュ!!」


 しかもスキルの付与のおまけつきでだ。

 さすがにこれ以上は看過できなかった。

 話し合いで矛を収めるなら問題はなかった。

 しかし、武器を構えたらそれは犯罪以外の何物でもない。


 僕はむざむざ殺されるつもりもなく、携帯していた剣と盾を取り出した。


ガキン!!


 シンの剣と僕の盾が激しい音をたててぶつかり合う。

 剣と盾から火花が飛び散った。

 シンの連撃はまだまだ続く。スキル【ラッシュ】によって徐々に攻撃速度と威力が上昇していく。

 僕は何とか盾でシンの攻撃をさばいていく。

 しかし、徐々にその速度に対応できなくなってきており、時折態勢を崩されかけた。


 幾時か打ち合っていた時であった。


「ぐわっ!!」


 突如、シンのうめき声が聞こえてきた。

 気が付くと、痙攣して地面に倒れこんでいるシンがいた。

 そして、そのそばには自衛官が暴徒制圧用のスタンガンを構えていた。

 おそらく、僕に攻撃をすることに夢中になりすぎて周辺警戒がおろそかになったんだと思う。

 その隙を突かれて、スタンガンを打ち込まれたみたいだ。


「お怪我ありませんか?」


 たしかこの人は…一ノ瀬さんの部下のひとだ。講習会の時一ノ瀬さんの側にいたから何となく覚えていた。


「はい、とりあえずケガらしいケガはないです。」


 シンは駆け付けた自衛官により、全身を拘束具で拘束され、連行されていった。

 この後、自衛隊詰所にて取り調べを行うそうだ。

 シンの場合は銃刀法違反および能力規制法違反。そして傷害罪または殺人未遂罪。

 うん、数え役満レベルの違反だった。

 しかも、これらは探索者だった場合は厳罰に処するとされるものでもある。

 ちゃんと反省してほしい限りだった。


 騒ぎを聞きつけて、一ノ瀬さんも駆けつけてくれた。

 シンの今後については自衛隊と警察が連携して対応に当たるそうだ。

 一ノ瀬さん曰く、危惧していた通りになってきたそうだ。

 『スキルを使った犯罪行為』の横行。

 しかも、街中ではなくダンジョン内での多発だった。

 今回のケースは訓練所敷地内での出来事だったので対応が早かったが、ダンジョン内だとそうはいかなくなる。

 自衛隊が随時フォローできるわけはなく、犯罪に巻き込まれるケースが増えてきているそうだ。


 とりあえず、シンはこのまま自衛隊で拘束されるそうなので、僕たちはそれぞれ帰宅することにした。

 ちなみに、シンが解放されてからの数日は警察および自衛隊で警戒を行ってくれるそうだ。


 ほんとに勘弁してもらいたい…

ここまでお読みいただきありがとうございます。


屑剣士見参!!

テンプレ中のテンプレ。

ファンタジーに出てくる定番ですね。

一応は拘束はされましたが、シン達はまだ未成年の為どうなることやら。

それにしてもこの世界、何やら殺伐としてきましたね。

これから先どうなっていくのか…

そして、作者はまとめきれるのだろうか…


誤字・脱字等ございましたらご報告いただけると幸いです。


感想・評価・ブクマいただけると作者は頑張れます。


では、次回をお楽しみください。


※ほかにもちょい読みシリーズ他作品掲載中です。頑張って毎日掲載しています。

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― 新着の感想 ―
[一言] 殺人未遂の現行犯で拘束されてなぜ解放されるの?そのまま拘留されて裁判でしょ!
[気になる点] 新法で重罰化された殺人未遂容疑者が解放されるとかありえませんね。そもそも暴走する以前のその時点で逮捕拘置されていないとか、申し訳ないが率直に言って、バカバカしいと思いますけど。
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