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【完結】スキルクリエイター 〜レベルを犠牲にスキルを創る。でも、レベルが低くて使えないってどう言う事ぉ〜〜⁉〜  作者: 華音 楓
第2章 万年Gランク確定→頑張ってFランク。

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046 突きつけられた現実

 僕がホブゴブリンの首を落とし、戦闘が終わった。

 周辺警戒をしていたアスカが残敵がいないことを確認し、すべてが完了した。

 前回何もできずに終わったカレンとアスカは、いまだに杖を握りしめ、体をこわばらせていた。

 カイリは前回同様、討伐を完了させることができ、ほっとしているようだった。


 しばらく感慨にふけっていたが、このままここにいて良い訳は無いので、ドロップアイテムの回収を進めていく。

 今回はゴブリン10匹とホブゴブリン1匹だった。

 拾い集めたアイテムを確認すると、


 魔石(極小) 5個

 魔石(小) 1個

 錆びた斧 1本

 棍棒 4本

 腰布 11枚


 となった。

 腰布はそのまま放置することにして、そのほかをすべてインベントリにしまい込んだ。

 作業中もアスカとカレンは、心ここにあらずの状態だった。


 全て作業が終わり、手分けして集落を見て回った。

 3人には小さな小屋の確認をお願いした。

 僕は一回り大きい、おそらくホブゴブリンの根城と思われる建物へと向かった。


 …3人をここに来させなくて正解だった…


 そこにはおそらく人骨と思われる骨や、切り裂かれた装備品。そして研修で配布された武器類が散らばっていた。

 装備品には女性用の物も含まれており、おそらくここを襲撃して返り討ちにあったのだろう…

 吐き気を気合で抑え込み、遺品の回収を行った。

 生物はインベントリに収納できないみたいだけど、骨などは収納することができた。

 あらかた回収終わると、ライセンス証なども出てきた。

 それを確認して確信に変わった。

 これらの遺体は…おそらく僕と同期だ。

 確か…そう、座学の時積極的に質問などをしていた子だ。


 僕はここが現実世界であることを強く再認識させられたのだった。



 建物から出ると、3人とも捜索を終えて集合していた。

 小さな小屋には特に変わった物はなく、動物の皮が敷かれていただけだったそうだ。

 正直迷った。このことを言うべきか…。

 3人がこのまま探索者を続けていけば、必ず巡り合うことになるであろう事柄である。


 僕はしばらく迷った末に、3人に話さなければならないと思った。

 これから先3人が探索者を続けていくためにも。


「3人とも聞いてほしいことがある。まずはこれを見てくれ。」


 そう言って僕はさっき拾った、数枚のライセンス証をインベントリから取り出して見せた。

 カレンはそれを見た瞬間に、理解したみたいだ。顔は青ざめ口元に当てた手が震えていた。

 少し遅れてカイリとアスカも震えていた。

 そう、これが僕の手に有るということは、持ち主はもう…


「よく見てほしい。これが現実なんだ。さっきのホブゴブリンの武器もおそらく探索者から奪ったものだと思う。そして、強い個体がいるということは、モンスターもレベルが上がっている可能性がある。これから先探索者を続けていけば、必ずぶつかることだと思う。だから、3人とも…。引き返すなら今だ。まだ命があるうちに…。彼らはもう、引き返すチャンスすらなくなったんだから。」


 僕の言いたいことが伝わったのか、3人ともうつむいた顔を上げて頷いた。

 そして、僕を強い目で見つめてくる。


「私はこのまま続けます。そりゃ、怖いですけど…。でも、それでもやると決めましたから。」


 カイリはあの時すでに覚悟を決めていたのかもしれない。

 だからこそ、今回の戦闘では全く躊躇がなかった。慌てず、騒がず、冷静に。ただホブゴブリンを倒すことだけを考えていた。


「そうですね、ここで逃げたらきっと後悔します。それにカイリだけ放っておけませんから。」

「ん~、そうですよね?カイリちゃん、なんだかんだでおっちょこちょいですからねぇ~。」


 カレンはやはりオカンだった。心配性全開だったから。

 アスカの言葉にカイリは抗議の声を上げた。


「ひどいよアスカちゃん。私そんなにどんくさくないからね?ケントさんも信じてください!!」


 二人のやり取りで場の空気はだいぶ緩和されていったのだった。


 3人の覚悟を聞いた僕は、今日の探索を終える提案をした。

 すでにSP残量が3割を切っており、継続戦闘は難しいと判断したからだ。

 3人に確認すると、3人とも3割を割り込んでいたため了承してくれた。


 出口に向かって出発しようとした時だった。

 そういえばと、アスカがレベルについて話し始めたのだ。

 どうやら話をまとめると3人とも10レベルを突破し、ランクアップの試験資格受けたらしい。

 僕はまだ10レベルに達していなかったため、申し訳なさそうにされてしまった。

 僕としてはたいして気にはしていなかったのだが、3人からしたら何か負い目を感じてしまったのかもしれない。


 3人にはまだ帰り道に戦闘があるはずだから問題ないと伝え、帰路についたのであった。

ここまでお読みいただきありがとうございます。


ゲームの世界っぽい感じがしていたのに、そこは現実世界だと一気に突きつけられる。

作者なら確実に心へし折られる思いです。

それでも立ち上がることを決めた3人に賛辞を送っていただけたら嬉しいです。


それと、モンスターの成長は正直やばい設定だとつくづく思います。

昨日倒せていたモンスターが、今日あったら成長していてぎりぎりの戦闘になる可能性も秘めていますからね。

さらに個体差で半端ない力を手に入れたモンスターだっているかもしれません。


さらにダンジョン外の異変…

この先どうなっていくんでしょうね?


誤字・脱字等ございましたらご報告いただけると幸いです。


感想・評価・ブクマいただけると作者は頑張れます。


では、次回をお楽しみください。


※ほかにもちょい読みシリーズ他作品掲載中です。頑張って毎日掲載しています。

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