045 魔法+魔法は怖かった
ゴギャン!!
轟音とともに衝撃が走る。
今回は来るとわかっていた衝撃だったので、気合で何とか耐えた。
正直あと一発はさすがに無理がある。
ホブゴブリンは下段に構えたまま、突進を仕掛けてきたのだ。
ロングソードの間合いに入るや否や、ロングソードで切り上げを行ってきた。
正直、突進を警戒していたため、下からの切り上げに若干反応が遅れた。
ぎりぎり盾を滑り込ませて耐えきった。
少しだけ後方に飛ばされたが、態勢を崩されるまでには至らなかった。
「オマエタチ、オレノムラ、オソッタ。オレ、オマエタチ、ユルサナイ!!」
僕は一瞬固まってしまった。ホブゴブリンが言葉を話したのだ。
それは紛れもなく知能を持った【生物】であることの証明でもある。
「オマエタチ、オレタチヲナンドモオソッタ。ダカラユルサナイ。ナカマ、タクサンイナクナッタ。ダカラオレガ、オマエタチコロス!!」
くそ!!思考が鈍る!!反応が遅れる!!
こいつらからしたら、僕たちの方が襲撃者なのだ。
僕はホブゴブリンの言葉に耳を塞いだ。
これ以上聞いてしまうと、もう戦えなくなってしまう。
それからの攻防は、ホブゴブリンの攻撃一辺倒だった。
僕は目的の時間稼ぎに終始した。
何度かホブゴブリンの攻撃の合間に、隙を見つけることができた。
でも、剣を向けることはできなかった。
盾と剣を使い、どうにかこうにか攻撃をいなしていく。
盾でまともに受けると、今度こそ確実に吹き飛ばされる。
その後に待つのは…後衛への蹂躙だ。
だから何としてもさばききるしかなかったのだ。
どのくらい攻防が続いたのだろうか。
1分か5分か…
正直もうわからなくなってきた。
そんな時だった。
「ケントさん行きます!!離脱してください!!」
カイリの声が聞こえてきた。
僕はその声に咄嗟に反応し、バックステップで後退した。
ホブゴブリンは手にしたロングソードを振り下ろすも、そこに僕はすでにおらず、空振りして地面に突き刺さってしまった。
必死に抜こうとするも、深く刺さってしまいなかなか抜けなくなっていた。
その隙にカレンの風属性+の魔法が発動した。加速に加速をされた風は渦を巻き、竜巻へと成長していく。
気が付いたときにはすでにホブゴブリンが抜け出せないほどに成長していた。
ホブゴブリンも危険と判断したのか、ダメージ覚悟で脱出を試みた。
しかし、そこを見逃すほどカイリは優しくはなかった。
火属性+で加熱しまくった火の壁を竜巻の周りに発生させた。
二つの魔法はお互いを飲み込み、さらにその力と熱量を増加させていく。
「グギャ~~~~~!!」
叫び声をあげながら、中のホブゴブリンが暴れまわっているのを感じた。
いったい中は何度まで上昇しているのだろうか。
しばらくして魔法で作り出された業火の竜巻は、その勢いを衰えさせていった。
そして中から出てきたのは、全身ずたずたに切り裂かれ、焼け爛れたホブゴブリンの姿だった。
手にしたロングソードは、持ち手以外すべて溶け落ちていた。
それでもいまだ息があるのは称賛に値する。
僕は警戒をしつつ、ホブゴブリンにとどめを刺すべく駆けだした。
こちらの動きを感じたホブゴブリンは、手にした持ち手を投げつけてきた。
咄嗟にその持ち手を躱すも、一瞬意識がそれてしまった。
ホブゴブリンはその瞬間を見逃さず、僕へと殴り掛かってきた。
しかし、ホブゴブリンの攻撃は届くことは無かった。
ホブゴブリンはカイリの土の針により、下から心臓を貫かれていたのだ。
ホブゴブリンは一瞬何があったかわからないような表情を見せるも、己の胸に刺さる針を見つけ悔しそうにしていた。
僕は最後に剣を振り下ろし、この戦いの幕を下ろしたのだった。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
ある意味ごっつぁんゴーーーーーール!!
それでも直接手にかけるのってやっぱりきますよね?
たまに思うんですよ。VRが進化して、皮膚感覚や嗅覚まで感じられる世界で、果たしてRPGはまともにプレイできるのだろうかと。
作者はやってみたい反面、耐えられる自信がありません。
バイオなんてやったら、大人として恥ずかしいことになりそうなんで、おむつ必須かな?
誤字・脱字等ございましたらご報告いただけると幸いです。
感想・評価・ブクマいただけると作者は頑張れます。
では、次回をお楽しみください。
※ほかにもちょい読みシリーズ他作品掲載中です。頑張って毎日掲載しています。




