041 【生物】とは…
個体差のハンティングウルフとの戦闘は、あっけなく終了した。
カイリが土属性+でハンティングウルフに加重をかけたそうだ。自身の重みに耐えられずにつぶされたようだ。
そして僕は、つぶされて息絶えたハンティングウルフを見つめて、思わずため息をついてしまった。
やはりソロの感覚がまだ抜けていないようだった。
わざわざ一人で戦う必要などなかったのに。確実に自分一人で倒すための動きになっていた。
その点3人はパーティーとして倒すことに終始していた。
カイリで倒せなかったとしても、カレンが風属性魔法で切り裂く準備を始めていたようだった。
3人に頭を下げたら、大いに笑われてしまった。
ちなみに、最初の昏倒したハンティングウルフ2匹は僕が戦闘している間にカレンが魔法で切り裂いていた。南無…。
ふと、アスカがつぶされたハンティングウルフを見てつぶやいた。
「あのこ…おかあさん?」
その言葉にぎょっとしてしまった。ありえない!!
いやちがう、なんであり得ないと思ったんだ?あまりにもおかしすぎる。なんでこんなにもあっさり受け入れているんだ?なんでこんなにもあっさり否定するんだ?ダンジョンといいモンスターといいスキルにステータス。すべてがおかしすぎる。
つぶれされたハンティングウルフウルフのおなかがわずかに動いたような気がした。
そして、光の粒子となりダンジョンへ消えていった。
まさか…まさか…いや、違う。違うはずだ…。
自称神は言った。【生物】の進化だと…。それは人だけとは限らない…。虫も動物も…、そしてモンスターも…。
これはまじめにやばいかもしれない…。
「どうしたんですか?顔色が悪いですよ?」
カイリが心配して声をかけてくれた。どうやら、考え事をしすぎて動きが止まってしまっていたようだ。
問題ないとカイリに告げると、ほっとした表情で笑いかけてくれた。
ドロップアイテムの回収をしていると、今回はあたりだったらしい。
ハンティングウルフ5匹の討伐
・魔石(極小) 2
・魔石(小) 1
・ハンティングウルフの牙 2
・ハンティングウルフの爪 3
・ハンティングウルフの骨 1
・ハンティングウルフの肉 1
魔石(小)がドロップするのは珍しいことだった。
ドロップアイテムの回収を終えた僕たちはここまでの反省点をまとめてみた。
①連携はまずまずの合格点
②魔法に頼りすぎる傾向にある。
③近接攻撃が1名だと、手数が足りない。
④防御面はワンミスで崩壊する可能性が高い。
これらの課題はおそらくパーティーメンバーの構成が起因していると思う。
最大6人までと考えると、タンクが1名とアタッカーか斥候が欲しいところだ。
ないものねだりをしても仕方がない。
今後の課題として、このまま組むのであればメンバーを増やす必要が出てくると思う。
4人であらかた話し合いを終えると、この後についての話し合いとなった
SPの残量的には、まだまだ余裕があるとのことで、このまま第4層を目指すこととなった。
そして階段を降りると、そこにいつもの草原が広がっていた。
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今思い返せばこの時、違和感を感じるべきだったと思う。
さっきまで考えていた【生物】の進化についての怖さがすでに無くなっていたのだから。そう、それが『当たり前』と思ってしまっていたのだ。
やはりこの世界は壊れてしまっていたのかもしれない。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
違和感に違和感を覚えなくなるって怖いですよね?
皆さんの周りにある当たり前が本当は当たり前ではないかもしれませんね。
実は作者がこの話を書いていると誰が言った!!
とかなんとか。
この物語…まだまだ序盤…
これほんと完結できるんだろうか…
この物語に埋め込まれたギミックは起動しているのですが、最終的に畳めるか不安しかありません( ;∀;)
やりすぎ感マックスで若干後悔しています( ;∀;)
出も頑張って書ききりますよ~~~~~!!
誤字・脱字等ございましたらご報告いただけると幸いです。
感想・評価・ブクマいただけると作者は頑張れます。
では、次回をお楽しみください。
※ほかにもちょい読みシリーズ他作品掲載中です。頑張って毎日掲載しています。




