039 続・魔法は偉大だ
第3層へ到着した僕たちは周囲の警戒を行った。
僕が前回陥った状況を説明しており、3人とも警戒を密にしてくれた。
階段付近の敵影がなかったため、一度警戒レベルを落として、これからの戦闘について確認を行った。
前衛:僕
中衛:カイリ カレン
後衛:アスカ
能力的に見てこのような隊列にすることにした。
前方の警戒を僕が行い、アスカに後方警戒を一任した。後方で異変があった際はカイリによる足止めで隊列を再構成する手はずとした。
戦術は基本僕の投擲からスタート。こちらへ迫ってくる敵に対しカイリが土属性魔法で足止め。カレンの風属性魔法で殲滅。アスカは常に周辺警戒を行い、補助魔法でサポートしつつ指示出しを行う。
特にアスカには負担が大きくなるが、カイリ・カレンのうち漏らしを僕が殲滅していく流れとなった。
それにしても魔法の不思議さを実感した。
ゲームだと魔法の名前をとか詠唱を唱えて魔法を放つ。しかし今の世界では、魔法は基本、本人のイメージ通りに行使する事ができるそうだ。
ただし、属性ごとの+-によってできることが変わってくるみたいだった。
基本4属性と仮称されている火・水・風・土も僕がイメージしていることと若干ニュアンスが異なっていた。
火属性は熱を操る。+だと加熱。-だと冷却となる。
水属性は状態を操る。+だと蒸発・気化。-だと凝固・固形化。
風属性は経過を操る。+だと加速。-だと減速。
土属性は質量を操る。+だと加圧・加重。-だと減圧・無重力。
あとはそれぞれフラットがあるそうだ。フラットは僕がイメージしていることとあまり相違はないみたいだった。
正直説明を受けたけどよく理解できなかった。どうやらスキルを取得すると漠然と理解できるようになるって話だった
それとそれぞれの得意なことも確認した。
僕は言うまでもなく、剣と盾による接近戦をメインとした前衛形だ。投擲はあくまでも補助…のはずなんだけど、最近メインになりつつあるのが何とも言えない。
カイリが得意なのは、火属性+の貫通する小さい火弾。集中することによって火弾の熱量・火力は変化するそうだ。あとは、土属性フラットの土の針や壁。一応+も使えるけど、いまいちうまくいかない為あまり使っていないそうだ。
カレンは風属性+で風の刃を作ったり、竜巻を起こすなど斬撃属性の範囲攻撃が得意。カレンについては『気体』を『加速』させているイメージだって言ってた。なんとなくだけどわかる気はする。
アスカは回復魔法が得意で、回復量は込めたSPによって変わる。バフは強化系がメインで、ステータスを一時的に強化するそうだ。
ひとまず確認を完了した僕たちは、ハンティングウルフで訓練をすることにした。
しばらくすると、前方にハンティングウルフが3匹うろついていた。
未だこちらに気づく様子もなく、僕は近くの石を拾い投擲を行った。
石は先頭のハンティングウルフの頭に見事命中し、そのまま倒れこんで動かなくなった。なかなか幸先のいい状況だ。
こちらに気が付いた2匹はうなり声をあげながら距離を詰めてきた。
さすがにもう一発とはいかない為、カイリが足止め用に土の針を無数に地面から生やした。うん、生えてくるって表現がぴったりだった。あたり一面に針というかとげというか、円錐状のものが無数に飛び出してきたのだ。
突然の出来事に1匹は対応が遅れ、腹に数本の土の針が刺さり倒れこんでいた。
もう1匹は対応が間に合ったようで、寸でのところで後方へ飛び退いた。
カレンはその隙を逃すことはなく、魔法で空気の刃を作りハンティングウルフの首を切り飛ばした。それはもう鮮やかなものでスパンと切り落とされたのだ。
僕はアスカにバフをかけてもらい、身体能力が上がったことを感じ取れた。
一足飛びで20m近くの距離を縮めることができたことに驚きを隠せなかった。
ダメージを負っていた残り2匹の首をはねて終了した。
周辺警戒をしていたアスカが、周囲に敵影を確認できないとして警戒を解くこととした。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
それにしても主人公の投擲能力高すぎませんか?
描いている本人が一番びっくりしているのは内緒です。
あと、魔法についての突っ込みは…
甘んじて受け入れます!!
だって、描いてる作者もわからなくなりそうで、毎度メモを見ながら書く羽目になってます。
はい、やりすぎ感が否めません。
誤字・脱字等ございましたらご報告いただけると幸いです。
感想・評価・ブクマいただけると作者は頑張れます。
では、次回をお楽しみください。
※ほかにもちょい読みシリーズ他作品掲載中です。頑張って毎日掲載しています。




