038 魔法は偉大だ
バスに揺られている間もわくわくが止まらなかった。
久しぶりのきちんとしたパーティー戦闘。
逆に足手まといにならないか心配だった。
訓練施設につくと、3人が入り口で待っていてくれた。
「おはようございます、ケントさん。」
「おはようございます、カイリさん。それと、カレンさんにアスカさんもおはようございます。今日は一日よろしくお願いしますね?」
「はいですぅ。」
「ほら、アスカさん‼挨拶はきちんとなさいと何度言えばわかるんですか?!」
朝から元気な3人を見れて、少しほっとしてしまった。
やっぱりどこか緊張していたのかもしれない。
僕たちは朝の挨拶を済ませて、ダンジョンの受付へと移動を開始した。
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ガサゴソガサ
「………。」
陰から4人の姿を覗く一人の姿…
それはどこか暗く、そして濁りを感じさせる、そんな気配だった。
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「あらケントさん。今日はおひとりではないんですね?」
いつもの受付の女性自衛官に問われてしまった。
うん、どうやらボッチ認定をされてしまっているらしい。泣いていいですか?
「えぇ。今日はこの子たちと仮でパーティーを組んでのアタックです。問題がなければ正式に組みましょうって話なんです。」
「そうだったんですね?なるほど、両手に華でよかったですね。」
「年齢的には保護者ですね。」
「確かにそうですね。では気を付けて行ってきてくださいね?最近なんだかダンジョンに異変が相次いでいますから。」
「忠告感謝します。じゃあ、いこっか?」
自衛官とのやり取りの後、僕たちはダンジョンへと足を踏み入れた。
「き、緊張しますねぇ~。」
なんとも間延びした緊張感がないアスカの声に、少し転びそうになってしまった。
この子は狙ってやっているのか、天然なのかよくわからない。悪い子ではないんだけど。
「アスカさん、あなた全然緊張しているように見えないわよ?」
カレンの言葉はもっともだと思った。うん、カレンは完全にアスカのおかん的存在なんだろうな。
そんな二人のやり取りを見ていたカイリが、僕の服の袖を引っ張って耳打ちをしてきた。
どうやらカレンはアスカのおかんと言われるのを気にしているらしい。
教えてくれて本当に助かった。危うく言いそうになっていた。
【トランスゲート】を抜けた先にダンジョンが広がっていた。
普段から入りなれているとはいえ、今日はいつもと違う環境だ。否が応でも緊張感が漂ってしまう。
「ケントさん、よろしくお願いしますねぇ~。」
またも狙ったかのようなアスカのセリフに、緊張がほぐれていった。
本当にこの子はある意味すごい子なのかもしれない。
「3人ともリラックスしていこう。第1層・2層ともに問題なく抜けられるんだから、肩ひじ張る必要はないでしょ。」
これからの予定を確認してダンジョンアタックを開始した。
まずは第1第2階層で個々の戦闘能力の確認。
第3層で連携の確認。
可能なら第4層に行ってみる。
ある程度戦闘をしてみて思った。カイリとカレンの魔法攻撃はすごかった。
カイリは火と土の魔法スキルで、足止め・攻撃両方をこなしていく。
カレンは風魔法で範囲せん滅を得意としていた。
一人回復役のアスカだったけど、バフの能力に驚きを隠せなかった。
二人とは違い個人の戦闘力はあまりないものの、サポート能力と状況判断能力は高いと思う。なぜ、前回は失敗したのか聞いてみたら、すべてシンが決めて行動しており、完全に別動隊のゴブリンを見落としていたそうだ。アスカが気が付いた時にはシンとの距離が離れてしまっていたため、連携が取れず強襲を受けてしまったそうだ。
アスカのバフのおかげもあり、僕の攻撃はさらに鋭さを増していった。普段なら1匹づつ倒していくのに、今回はまとめても苦労をしなかったのだ。
ほんとパーティー戦はソロとは違うのだと改めて思い知らされた。
第1層第2層での戦果
・スライム7匹
・ゴブリン3匹
討伐成功
ドロップアイテム
・魔石(極小)5
・スライムゼリー2
・ゴブリンの腰布3
・棍棒2
・ゴブリンの頭蓋骨1
腰布と頭蓋骨は捨てていくことにした。
それにしても捨てていった物はその後どうなるか…。気になるところだ。
ある程度個々の戦闘能力を把握した僕たちは、第3層へと足を踏み入れたのだった。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
はい、何とか書き上げました…
皆さん熱中症には気を付けましょう。
エアコンは偉大だ。
あ、魔法が使えたら部屋を冷やせばいいのだ!!(妄想)
誤字・脱字等ございましたらご報告いただけると幸いです。
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では、次回をお楽しみください。
※ほかにもちょい読みシリーズ他作品掲載中です。頑張って毎日掲載しています。




