035 決別
「みっともないマネはやめようか?彼女嫌がってるでしょう?」
「おっさんには関係ないだろ!!これは俺たちパーティーの問題だ!!部外者は黙ってろ!!」
剣士は怒気をはらんだ声で僕を睨んでくるも、大して怖くはなかった。あのホブゴブリンに比べたらどうってことは無い。
「部外者ってわけではないよ?彼女を助けたのが僕だからね?それに彼女を囮にしたのは君だろ?そんな君が戻って来いって言ったって信用できると思う?」
僕の言葉を聞いた女の子二人は、驚きを隠せなかった。
「ねぇ、シン!!どういうこと?カイリが自分から殿を務めたんじゃないの?!ダイスケだってそういったよね!!まさか…本気でそんなことしたの?!」
黒髪のロングヘアの女の子が剣士…シンかな?に詰め寄っていった。その表情は怒りと憎しみにあふれていた。
剣士はどうやら二人の女の子に「彼女が自ら囮になった」と説明したらしい。どこまでもくそ野郎だった。
他の二人を見ると目をそらしていた。二人も事情を知っているみたいだ。
もう一人の女の子は、カイリを抱きしめて震えていた。
ずっと「ごめんなさい」と小さな声で呟き、涙していた。
カイリが自分たちのせいで死んでいたかもしれないことに気が付いたみたいだ。
「僕が見たときは君たちは戦闘中だった。かなりチームワークがよくて、手出しは無用と思ったんだけど。ゴブリンの奇襲で女の子二人が気絶してしまった。そこからが問題だったんだ。そこの剣士君。君が撤退の指示を出したのはよかったと思うよ?あの状況ならその選択が一分一秒早い方が生存率が上がるから。でもね、まさか一緒に逃げていた彼女を蹴り飛ばすとは思わなかったよ。僕が駆け付けなければ彼女はあそこで死んでいた。それが事実だよ。」
僕の話を聞いた女の子たちは泣き崩れていた。
後ろの男の子二人はうつむいたまま震えている。おそらく自責の念が生まれたのだろう。
「嘘つくんじゃね!!俺がなんでそんなことしなきゃならないんだよ!!なあ、カレン、アスカ。こんなおっさんの言うことなんて信じるんじゃねぇよ!!」
「どこまでも救えない馬鹿がいるもんだね。彼女が生きている時点で、君の発言は嘘だとばれるんだよ?それなのにまだ醜態をさらすのかい?それと、後日自衛隊から出頭要請があると思うよ?おそらく今回の件はかなり問題になると思う。覚悟はしておくといいよ。」
ドサリ
後ろの二人が膝から崩れ落ちた。
自分たちが犯した罪を理解したのか、顔が青ざめていた。
シンという男の子はそれでも怒りが収まらないらしい。僕を睨みつけ、今にも襲い掛かろうかとしていた。
その時、カレンとアスカと呼ばれた少女は頷きあうと、カレンと呼ばれた少女は立ち上がり、シンに宣言をした。
「私たちはシン達を信用できない。そんな中でパーティで活動するのは無理。だから、私たちはパーティを抜ける。これは決定事項。ダイスケ、リョウ、あなた達だって同罪よ。そして私たちも同じ。カイリを生贄にしたんだから。シン、もうこれ以上失望させないで。せめて幼馴染として潔く受け入れて。」
カレンから告げられた決別の言葉に、シンはあっけにとられていた。おそらく自分が思い描いた結末にならなかったのだろう。どこまでも自分勝手な男だ。
ダイスケとリョウと呼ばれた二人は立ち上がると、シンの肩に手をやりその場を去っていった。
何の言葉もなく…。
謝るでもなく、怒るわけでもなく。
言葉が見つからなかったのだろう。
二人が去るとシンは改めて僕を睨みつけて「覚えてろよ!!」と捨て台詞を吐いて立ち去っていった。
ほんと、もう勘弁してほしい。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
俺様系男子の捨て台詞。
今後もう一波乱ありそうですね。
それにしても書いた本人言うのもなんですが、ゲスですね。
そして後ろの二人…しっかりしろよ…
女の子の方が強いってほんとですよね。
誤字・脱字等ございましたらご報告いただけると幸いです。
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では、次回をお楽しみください。
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