024 強くなろう…
團姉弟たちと別れた僕は一人ダンジョン受付へ向かっていた。
「ランクアップか…」
つい口に出た言葉に、自分自身で驚いてしまった。朝にランクアップよりも、攻略を優先しようと決めたはずだった。でも、團姉弟たちのランクアップの話を聞くと悔しいと思う自分がいた。僕だって…そう思ってしまったのだ。
しかし、今の自分に上のランクのダンジョンを攻略できるのだろうか…
まず間違いなく命を落とすのが目に見えている。
うん、焦らず行こ。僕は僕の道を歩けばいいんだから。
僕は確かな足取りで受付を目指した。その一歩を踏み出したとき、また不思議な感覚を感じた。なんだか、嫌な…。そう、自称神が現れた時のような。
周りを見ても誰も気にした様子は見られなかった。
きっと気のせいだったのだろうか?
気を取り直して歩き始めた。
受付を済ませると、一ノ瀬さんが話しかけてきた。
「中村さん、おはようございます。その後の調子はどうです?」
一ノ瀬さんには僕のスキルについてあらかた相談をしていた。特殊すぎるスキルの為、今後の指針について迷いがあったからだ。一ノ瀬さんは親身になって考えてくれた。ただ、最後の決断は僕自身でしなくてはならないとも告げられていた。
「はい、あと10日前後でこのダンジョン最下層を目指そうかと考えています。ただ、探索者ランクをアップさせると考えるとレベル不足が懸念されますね。」
「今レベルはいくつですか?」
「2まで戻ってます。今日中に7~8に上げたいですね。とりあえず、基礎ステータスの底上げはポイントで何とかなってるので、無理をしない限りは問題ないと思います。」
「わかりました。Fランクへ上がるには最低レベル10が必要ですので、その辺りも考えて行動してください。では私は仕事がありますのでこれで。」
一ノ瀬さんと別れ、僕はトランスゲートをくぐりダンジョンへと足を踏み入れた。
第一層では大して苦労するはずもなく、スライムを倒していった。
2匹目を倒したところで、いつものようにレベルが上がった。
ポイントは死なないようにするために、体力に振ることにした。
ドロップボックスは魔石(極小)が1個だけ手に入った。ほかは特に落ちていなかったので、探索を開始した。
第二層へ向かって移動していると、前方にゴブリンの姿が見えた。
ものは試しと、僕は全力を出して飛び掛かってみた。自分が思っているよりも速度が出てしまい、そのままゴブリンを通り過ぎてしまった。うん、ポイントを振った後は必ず慣らし運転をしないとだめだね。
とうのゴブリンは何があったかわからない顔で、辺りをきょろきょろと見回していた。
僕はゴブリンの背後から近づき…
その首をはねた。
地面に残されたのは、こん棒と腰布だった。
それから第二層の階段を見つけるまでに、モンスターと会うことは無かった。
さすがに狩られすぎて、なかなか出会わないものである。
第二層に降りても、あまり変わらなかった。
諦めて第三層を目指していると、前方にフヨフヨと動く物体を発見。スライム、数は4。
うん、ちょうどいいので一気に倒しにかかった。
スライムたちはあっけなく切り裂かれ、ダンジョンへと消えていった。
そして恒例のレベルアップ。これでレベル4になった。目標の半分だ。
残ったのは魔石(極小)が2個とスライムゼリー(青)が1個。
少しでもお金になるので地味にうれしいな。
第二層はあまり芳しくなかった。ここも訓練場所に指定されているので、自衛隊による間引きが行われているのだろうか。
しばらくすると、第三層の階段を発見した。
第三層から上がってくる探索者と挨拶をかわし、第三層へと足を踏み入れた。
くそ!!油断した!!
降りた瞬間にハンティングウルフの群れと遭遇してしまった。
さっきの探索者パーティーが若干焦った表情をしていたのはこれが原因か!!
全く戦闘準備をしていなかったので、すべてが出遅れてしまった。
すでに囲まれており、数は6匹…
今までで一番多い群れだ。
さすがにこれはきついかな…
僕の背中には嫌な汗が流れていった。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
書いた本人が言うのもなんですが、思った以上に話の流れが悪いです~
ちゃんと描写しようとすると文字が多くなるし、端折るとわけわかんなくなるし。
うまく書ける作家さんまじリスペクト。
誤字・脱字等ございましたらご報告いただけると幸いです。
感想・評価・ブクマいただけると作者は頑張れます。




