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【完結】スキルクリエイター 〜レベルを犠牲にスキルを創る。でも、レベルが低くて使えないってどう言う事ぉ〜〜⁉〜  作者: 華音 楓
第2章 万年Gランク確定→頑張ってFランク。

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023 再会

 ひとまず今後の目標を立てよう。


 今のままだと、スキルとレベルがどっちつかずになってしまう。

 特に、今後上位ダンジョンへ向かうためには探索者ランクを上げないといけない。

 でも、レベルが上がらないとそれすらできなくなってしまう。


 よし、まずは今行ってるGランクダンジョンの最下層の第十層を目指そう。

 レベルはとりあえず保留で、危険を感じたらスキルを上げる。

 この方向性で今後は進んでいこう。


 居間に降りると家族が朝食をとっていた。

 僕は少し寝坊したこともあり、遅れてしまったようだ。


「おはよう、お兄ちゃん。今日もダンジョンに潜るの?」


 妹は寝ぐせにメガネと、外行きとは全く違うだらしない格好で食事をとっていた。さすがに家族しかいないからとだらけすぎではないかと、兄として心配になってしまった。


「あぁ、少しでも稼がないとさすがに生活が難しいからね。それに、装備の整備の事を考えると少々こころもとないしね。今はまだ蓄えがあるからいいものの、今後はそうもいってられないから。」


 僕の言葉を聞いた妹の肩が一瞬ビクリとはねた。うん、貯金がやばくなってきているようだ。

 父さんと母さんは特に問題ないようだ。父さんに至っては大工スキルもあって仕事は順調のようだ。それに、建物がダンジョン化してしまったり、ダンジョン周辺に家があった人は退去を命じられている。それに伴って、いたるところで建築ラッシュが始まっているそうだ。

 母さんは、ずっと専業主婦だからあまり気にしてないようだけど、妹の将来には頭を痛めていた。どうやら、探索者をやめていい相手を探してほしいのが本音らしい。ただ、食料調達しているのが妹なので、あまり強く言えないと愚痴っていた。うん、食材すごくおいしいんだよね。


 そんなこんなで、妹も友人たちと近場のダンジョンへ向かっていった。どうやら、レアドロップが高値で取引されているらしく、モンスターの争奪戦が起こり始めているらしい。

 妹たちは下層をメインにしているので、早めに出ないと狩りの時間が取れなくなるそうだ。


 僕も準備が終わるといつものダンジョンへ向かった。


 訓練施設行きのバスに乗りこむと、席がほとんど埋まってしまっていた。

 空いている席をさがしていると、團姉弟の姿が見えた。


「お久しぶりです、中村さん。」

「えぇ~っと、確か…由貴乃さんに、龍之介君だったかな?しばらくぶりですね。元気でしたか?」


 僕は何でもないふりをしながら返事を返した。内心は正直あまり会いたくはなかった。

 團姉弟の後ろの座席には遠藤君、福田君、廚さんの姿も見えた。三人ともなぜが申し訳なさそうな表情を浮かべていた。おそらく、僕を抜いてパーティーを組んだことに負い目を感じているのだろうと思う。

 僕としてはあまり気にしてはいなかったりする。僕のスキルがあまりにも異質過ぎるから。

 僕が由貴乃さんと話をしていると、廚さんと話をしていた少女が、僕を見るなりニヤニヤと笑い始めた。


「あなたが、中村さんですか~?おはなしは聞きました~。それにしても中村さんも大変ですね?スキルレベル上がりずらいんですって?お気の毒に。」


 少女は僕を下から見上げながら、蔑むような眼で見つめてきた。ただただからかって楽しんでいる、そんな感情が見て取れた。


「それに先輩たちも気にしすぎですよ。中村さんもソロで頑張ってらっしゃるみたいですし。」


 遠藤君たちに振り返り、肩をすくめながら呆れたような声で話しかけていた。遠藤君たちはそれに納得はしていないようだが、あえて反論はしてこなかった。それが彼らの答えなのだろう。

 改めて僕の方を振り返りさらに話を続けた。正直話を聞いていて気分がいいものではなかった。


「中村さん、安心してください。先日私たちはFランクに昇格いたしました。中村さんのそ…」

「いい加減にしないか!!」


 突然怒りをあらわにしたのは由貴乃さんだった。その声に驚いて、少女は顔を青くしていた。おびえた表情で由貴乃さんの見つめていたが、怒気をはらんだ由貴乃さんの視線に耐えかねて自分の席へと戻っていった。


「すみません中村さん。うちの梁井が失礼をしました。」


 由貴乃さんは一度、深く呼吸をすると僕に向かって頭を下げてきた。

そうか、彼女梁井さんっていうのか。


「気にしないで大丈夫ですよ。それと、ランクアップおめでとうございます。あれからそんなに経ってないようですが、順調そうですね?」

「お気遣い感謝します。そうですね…。その、パーティーについては申し訳なく思っています。私としてはパーティー編成上補助役が必要と判断しました。その責は私にあります。」

「それについては怒ったりしませんよ?それにあなたがリーダーであるならば、年の離れた僕がいては指揮がしづらいでしょうし。僕も同じ立場なら同じ判断をしましたよ。」

「重ね重ねお気遣いに感謝します。」


 何度も頭を下げる由貴乃さんに頭を上げるようお願いした。さすがに周りの目が痛い。


「ほら、ほかの方々にも迷惑ですし、これで終わりにしましょう。これからもお互い頑張っていきましょう。最後に…、皆さん死なないでくださいね。一時でも同じメンバーでしたので、それだけが気がかりです。」

「はい。中村さんも無理をなさらないでください。」


 由貴乃さんも矛を収めてくれたようで、その表情は柔らかいものとなっていた。

 遠藤君たちも最初の申し訳なさそうな表情はなくなり、真剣な表情で僕を見ていた。

 梁井と呼ばれた少女は僕を睨みつけていたが、なんだか小動物みたいでかわいかったのは内緒だ。


 僕は空いている席に腰を下ろし、一息ついた。

 しばらくしてバスは目的地の訓練施設へと走り出したのだった。


ここまでお読みいただきありがとうございます。


こういった女の子キャラって絶対るよね?

え、リアルであったことない?

作者もです。


誤字・脱字等ございましたらご報告いただけると幸いです。


感想・評価・ブクマいただけると作者は頑張れます。


では、次回をお楽しみください。


※ほかにもちょい読みシリーズ他作品掲載中です。頑張って毎日掲載しています。

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