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【完結】スキルクリエイター 〜レベルを犠牲にスキルを創る。でも、レベルが低くて使えないってどう言う事ぉ〜〜⁉〜  作者: 華音 楓
第4章 首都圏解放戦線

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115 多田野の成長と暴走と無双

「いやぁ~スキル【経験値上昇】って反則クラスに狡いですね。」


 今にもスキップしそうなほど浮かれまくっているのは、多田野だった。

 ケントから【スキルクリエイター】で【経験値上昇】を創造してもらってからというもの、モンスター狩りにはまってしまったようだった。

 しかも、スキルレベルが上がればその分経験値も増えると解ると、速攻でレベルをスキルに全振りする暴挙にまで出たのだ。


 そしてその結果として、ケントにとっても有益な情報を得ることができた。

 なんと、自力で覚えたスキルはレベルが下がっても問題なく使用が可能だったのだ。

 さすがにスキル【魔銃作成】とスキル【魔弾作成】はレベル25まで上げないと使用できなかったので、スキル【魔道具師】で魔石(小)を使って爆発物の魔道具を作成して戦っていた。

 魔石はいわばエネルギーの塊なので、あえて衝撃で暴発するように仕込んだのだ。

 それを後はスキル【投擲】とスキル【投擲術】を利用して投げることを続けていったのだ。

 おかげで魔石はほとんど手元に残らなかったが、余裕を持って多田野は25レベルまで上げることができた。

 さらにその副産物というわけではないが、ボーナスポイントがどんどん増えていったのだ。

 多田野はその恩恵も相まって、ステータスがうなぎ上りとなっていた。

 あのスタンピート以降に自称神によってステータスがさらなる開放を迎え、多田野はステータスに魅入られていった。


「タケシ君……少しいいかい?」

「なんですか改まって。」


 多田野はなぜケントが呼び止めたのか、全く分からない様子だった。

 ケントもそのままにしようかと考えたが、さすがにこのままでは自称神の思うつぼになるので注意喚起することにしたのだ。


「タケシ君。君に一つ伝えなければいけないことがあるんだ。」

「なんでしょう?」

「〝ステータス・スキルを過信してはいけない〟よ。それは自称神から与えられた紛い物だから。自分の地力を高めることを疎かにしないようにね。」


 ケントからの言葉に、多田野は理解が及ばなかった。

 せっかく得た力なんだから、なぜ疑問に思わないといけないのかと。


 いまひとつ理解が及んでいない多田野を見て、ケントは深いため息をついた。

 今の多田野は、昔のケントと同じ感覚に陥っていたからだ。




 ケントはカイリ達と別れてから、ソロでレベル上げを行っていた。

 そのおかげで強敵が強敵でなくなっていき、次第に万能感に包まれていった。


 俺は強い……

 俺は最強だ……


 戦闘方法はどんどん雑になり、力任せの戦術なんて気にしない戦い方になっていった。

 それでもステータスやスキルによって補正された戦闘力はどこまでもその強さを発揮した。

 そしてそれは訪れた。

 あるダンジョンボスと対峙した際に、己の馬鹿さ加減を思い知らされたのだ。

 〝フィールドトラップ【スキル封印】〟

 ケントは一気にその戦力を失い、自力のステータスのみでの戦闘を強いられたのだった。

 幸い、ステータスはボーナスポイントのお陰でかなりブーストされており、どうにかこうにか勝利することができた

 しかし、スキルに頼らない戦闘を覚えないと、この先必ず命を落とすことに直結すると感じたのだった。




 ケントの昔話を聞いた多田野は、少し考えこんでしまった。

 今の自分と重ね合わせていたのかもしれない。

 多田野もまた、ステータスにものを言わせて戦ってるに過ぎない状況だった。

 レベル25を超えてからは、またスキル【魔銃作成】とスキル【魔弾作成】が使えるようになった。

 そして、さらにステータスが上昇したことで、より戦術が広がっていた。

 SPも潤沢にあることから、狙いを付けずに飽和攻撃を好んでするようになっていた。

 それでもモンスターの強さを凌駕する威力を出すことができたので、問題無くここまで来ることが出来たのだ。


 今現在も第16層まで進むことが出来ていた。

 多田野のレベル上げをしつつだったので、進行速度が少し低下したが、おおむね予想通りの流れとなっていた。


 しばらく考え込んだ多田野は、ケントの話を自分の中でおおむね消化できたらしい。

 その顔には先ほどまであった慢心が薄らいでいたのだ。

 まだまだ実感は出来ていないのか、まだ少しの慢心が見られたが、先ほどまでに比べたら天と地との差くらいありそうな感じが見て取れた。

 ケントも多田野の変化に気が付き、少しほっとした表情を浮かべていた。


「それじゃあ、先へ進もうか。」

「はい!!」


 多田野の返事から傲慢さも消えており、一安心なケントだった。




 それからと言うと、戦闘はとてもスムーズで、多田野との連携を確認しながら探索を進めていく。

 第11層を過ぎてからは各種武器を持ったゴブリンではなく、ゴブリンの上位種がメインとなって襲い掛かってきていた。


——————


ハイゴブリン:ゴブリン上位種。生命力が格段に上がっており、ホブゴブリンがかわいく見えるほど強化されている。通常個体は棍棒を装備しているが、各種武器を装備している個体がいる。

ハイゴブリンメイジ:攻撃系魔法を習得したハイゴブリン。手に杖を装備していることが特徴。耐久度は低いが、知能が格段に上昇している。

ハイゴブリンヒーラー:回復魔法を習得したハイゴブリン。ローブの様な装備が特徴。耐久度は低いが、頻繁に回復を行うので要注意。


——————


 これらのハイゴブリンが集団で襲い掛かってきている。

 第11層はハイゴブリンだけだったので多田野のレベル低下状態でも、ケントが凌ぐことが出来た。

 しかし第13層からは各種武器を携えたハイゴブリンが現れたので、一度撤退したほどだった。

 それから第11層12層でレベルを上げて、多田野のレベルが25を超えたことを期に、第16層まで進むことが出来たのだ。


 第17層以降も多田野の戦力上昇に伴って、サクサクと進むようになってきた。

 多田野も思うところがあったのか、スキル【魔銃作成】の使い方が少し変わってきたのだ。


 当初の戦闘スタイルは、どこぞのニュータイプかって感じの戦い方だった。

 砲身を作り出して、中に浮かべそれを操作する。

 自分はほとんど動かずに戦っていたので、いわゆる砲台としての役割しか果たしていなかった。

 今試している戦い方は、両手に拳銃を装備し、かつ空中に数門砲身を浮かべて戦っていたのだ。

 浮かべてある砲身も種類を変えている。

 接近戦ではショットガン2門。

 近距離戦はガトリング1門。

 遠距離戦はライフル2門。

 砲撃戦は10連装ミサイルランチャーが1門。

 これだけ聞けば、歩く要塞としか思えない。

 そして両手にしているのは、24発装填のハンドガン2丁だ。


 多田野は、このハンドガン2丁を主軸に戦闘を組み立てるようにしていた。

 空中に浮かべてある砲身はあくまでも補助用で、ハンドガンでの戦闘がメイン戦術として訓練を積んでいた。

 ちなみに、このハンドガン自体は自衛隊支給品で、弾丸は魔弾を使用できない為、多田野のお手製の弾丸を使用している。

 多田野はならば作り直してしまえばいいじゃん?的な発想で、スキル【魔道具師】を利用して、支給品のハンドガン2丁を魔道具にしてしまったのだ。

 文字通り〝魔改造〟である。

 お陰で、魔石を用いて弾を撃ち出すことができるようになり、かつ、弾頭も魔道具として作成している。

 だが、銃火器の製造は本来であればスキル【ブラックスミス】の領域だ。

 しかし、多田野はケントと話しているうちにその垣根を超えられるのではないかと考えたのだ。

 その仮説は成功で、魔道具としての認識であればスキル【魔道具師】で対応可能だったのだ。

 それに気が付いた多田野がハンドガンを〝魔改造〟するに至ったのだった。


 そのお陰かどうかは分からないが、戦闘の姿も大分様になってきており、時折ハイゴブリンメイジからの魔法攻撃で苦戦はするものの、かなりの殲滅力を誇るワンマンアーミーと化してしまっていた。


 その様子を見ているケントは、その戦いっぷりに舌を巻くばかりだった。


 さらに多田野は、ケントの戦闘スタイルも取り入れ始めたのだ。

 足場用にスキル【結界】を創造してもらい、こちらも同時に鍛えている。

 ただし、多田野の場合は足場というよりは〝跳弾用の壁〟という意味合いが強かった。

 どうしても弾丸は直線にしか飛ばせないという欠点が存在していた。

 そこで多田野は、弾丸を跳弾させることにしたのだ。

 ここでもスキルに頼ることにはなるが、それでも覚えることに越したことはないと判断していた。


 お陰で多田野無双にまた拍車がかかっていったのだった。

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