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【完結】スキルクリエイター 〜レベルを犠牲にスキルを創る。でも、レベルが低くて使えないってどう言う事ぉ〜〜⁉〜  作者: 華音 楓
第4章 首都圏解放戦線

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114 次戦へ向けての準備

 地面に伏したデモンズゴブリンを見つめて、二人はふぅっと息を漏らす。

 どうやら討伐が完了したようで、徐々にデモンズゴブリンは黒い靄へと変わっていった。


「すみません。デモンズゴブリンの情報が完全じゃなかったためにこんなに苦戦させてしまいました。」


 多田野は、とても申し訳なさそうにケントに頭を下げていた。

 ケントは、多田野の謝罪に何か思うところがあるようで、その謝罪を受け取ろうとしなかったのだ。


「タケシ君は何か勘違いをしているみたいだね?」


 多田野は、ケントの言葉の意味が分からなかった。

 自分がデモンズゴブリンの情報を補完できていなかったために、今回の〝影に潜む〟という攻撃で苦戦を強いられてしまったと感じていた。

 しかし、ケントから返ってきた言葉に多田野は唖然としてしまったのだ。


「今のボスモンスターはデモンズゴブリンじゃないよ。シャドーゴブリンっていう名前だった。だから君が謝る必要はないんだ。今回は完全に俺のミスだよ。どうせ24層以降は情報が無いんだから、いらないだろうって判断だったけど、まさか初っ端からこんなのだとは思わなかったよ。本当にごめん。」


 逆にケントが頭を下げると、予想外の出来事に多田野は慌てふためいていた。

 その様子を見ていたケントは、なんだかおもしろくなってきて、思わず吹き出してしまった。

 多田野としても、嫌な空気がなくなったことに少し安心したのか、今回のボスモンスターについてケントに確認を取っていた。


「ケントさんはいつ気が付いたんですか?」

「最初に違和感があったのはボス部屋の照明の配置が普段と違っていたことかな?」


 多田野が周囲を確認すると、言われてみれば照明の配置がおかしかった。

 これはいまだに解明されてはいないが、ボス部屋の照明は大概が規則正しく、上部に設置されていることが多い。

 しかし、今回のボス部屋はそれよりも大分低い位置に設置されていた。

 並び方も等間隔ではなく、バラバラといっても過言ではない配置のされ方だ。

 しかし、それだけでは決定的とは言い難いと多田野は感じていた。

 多田野の様子を見て、ケントはさらにヒントを出した。。

 床をクイッと指差していたのだ。

 多田野はその行動につられて、視線を床に落としていく。

 最初はいまいちピント来ていないようだったが、よくよく考えるとおかしい点に気が付いた。

 〝影が異常に長い〟からだ。

 長さ的にはおおよそ7~8mほどあり、普通ではありえない長さだ。

 おそらく、魔法因子的何かが作用しているのかとさえ思えて来た。

 これだけの長さがあるのだから、最大メンバーでここに来たなら間違いなく影が重なり合い、影から影へ移動する本体を追いきれず、不可視の攻撃を食らい続けるのは想像に容易無かった。

 今回は二人だった事、さらにケントは姿を消したことにより、シャドーゴブリンは多田野の影に入る続けるしかなかったのだった。


「俺はてっきりボスを視界に入れるたびに目に入るので、目くらましように設置されてると思ってましたよ。」

「確かにね、それもあるだろうね。分からずに分体……いや、あれが影か?を追っかけ続けると、目がやられるだろうね。おそらくそれも作戦のうちだったんだろうね。」


 2人が話に夢中になっていると、奥で何かが動く音が聞こえて来た。

 ボス部屋攻略が終わったために、次の階への扉が開いたのだ。

 2人とも予定通り、今日はここでキャンプする予定だった。

 ダンジョンボスはおおよそ12時間でリポップするので、休息するならボス部屋が基本なのだ。

 ただし、ボスを退治できない場合は階段などの安全地帯を利用したりもする。

 また、隠し部屋などもボス部屋同様にリポップ時間があるので休息部屋に使われていたりもする。


 奥で動いた物音で現実に引き戻された二人は、先ほどシャドーゴブリンが消えた場所に向かった。

 ドロップアイテムの確認を忘れていたのだ。


 ボスだけあってドロップアイテムが落ちていた。

 魔石(中)と真っ黒なマントだ。


「ちょっと借りるよ。スキル【アイテム鑑定】。」


——————


シャドーマント:装備者の気配を薄くして、さらに虚像を離れた場所に作り出す。ただし、攻撃した時点で虚像は霧散する。また、虚像は任意で操作可能。物理武器を装備させることもできる。


——————


「これまたとんでもない装備が出て来たもんだな。うん、これはタケシ君が装備するといいよ。」


 ケントからシャドーマントを渡された多田野は一瞬戸惑いを見せた。

 装備した自分を想像したら完全に廚二病患者になってしまいそうだからだ。

 黒のフード付きマントで、多田野の身長にマッチしており、さらに空中に無数の砲身を浮かべている。

 どう考えても痛々しさがあふれ出る状況だった。


 ケントもまたそれを想像してしまったらしく、マントを持って突き出した腕がプルプルと震えていた。

 よく見ると全身震えており、我慢に我慢を重ねているのが良く分かるのだった。

 しかし、性能としては折り紙付きで、回避などで分が悪い多田野としては初激を確実に当てる点では願ってもない装備でもあった。

 それから数分の葛藤の末多田野は装備することに決めた。

 レザーアーマーの上に羽織るとまたさらに廚二病感が増していき、今にも逃げたしたい気分でいっぱいになっていた多田野だった。

 ケントはついに堪え切れなくなり、地面を転げまわっていた。

 さすがの多田野もこれには怒りを覚えたようで、一気にスキルを発動した。

 笑い転げるケントに向かって、多田野が扱える限界値の40門の砲身が狙いを定めていた。

 それの気が付いたケントが、全力で謝ったのは言うまでもなかった。


「はぁ。とりあえず、テント設営をしましょう。さすがに疲れましたからね。」

「す、すまない。さすがに……、わ、笑ったら……だ、だめだって……。」


 もうすでにやばそうなケントを睨み付けた多田野は、黙々と作業を進めていく。

 ケントもテントを組み立てて野営の準備を進める。

 2人ともさすがに慣れているのであっという間に設営を完了していた。

 二張りのテントが張り終わると、さすがに反省したようで、ケントは本気で多田野に謝罪していたのだった。


「分かりました。まずはこれで良いですよ。とりあえず、今レベル上がった分で考えて、スキルをどうにかしたいですね。今のままだと俺は役に立ちませんから。」


 多田野はボス戦を鑑みて、気配をもっと探れるようになりたいと考えていた。

 しかし、レベルをこれ以上下げていいものなのか迷っていたのだ。


「だったら、不要だと思うスキルと交換するって手もあるけどどうする?」


 さすがの多田野もこの答えには驚きを隠せずに、目を丸くしていた。

 ケントとしては隠しているつもりはかなったものの、言いそびれた感はあった。

 多田野はケントの話を聞いてすぐにスキルの確認を行った。

 今多田野が習得済みのスキルは以下の通りだ。


——————


スキル

 

 共通   :世界共通言語 レベル無し

       インベントリ レベル3


 武器術  :剣 レベル23

       投擲 レベル15

       体 レベル24

       銃 レベル69

 

 武術系  :剣術 レベル20

       投擲術 レベル11

       体術 レベル14

       銃術 レベル67


 強化系  :≪アクティブ≫

       身体強化 レベル36


       ≪パッシブ≫

       視覚強化 レベル17

       体力強化 レベル53

 

 クラフト系:魔道具師 レベル83


 その他  :魔銃作成 レベル64

       魔弾作成 レベル65


——————


「今使わない感じのスキルは【剣】と【剣術】くらいですね。」

「ん~。それだとほとんどいいのに変えられないな。」


 さすがにこれだとコンバートするのが難しかった。

 そこでレベルで新しいスキルを創ることにした。

 結果必要となったスキルが【気配察知】と【魔力察知】の二つだった。

 二つとも習得レベルが8だったので現在は減少して4レベルを必要とした。

 あとスキル【スキルアップデート】も同じくレベル5となったので、上限の50%に達していた。

 ただし、どうやらレベルを上げる際は四捨五入ではなく繰り上げになるようで、必要レベルがレベル1から1・1・2・2・3・3・4・4・5・5と増えていくようだった。

 ケントは多田野にデメリットを説明すると、今回は【スキルクリエイター】で二つのスキルを創るにとどめることとなった。

 頑張れば次第にレベルが上がるので、無理は必要ないと多田野は判断したようだった。

 それとついでだったので、【スキルコンバート】を起動し経験値上昇が取れるか確認してみた。

 すると、スキル【剣】【剣術】両方を生贄にすることことで取得可能であることが分かったので、多田野は速攻で生贄にすることを選んだのであった。


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