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とある男女の恋模様  作者: はから
第四章 とある男女の恋終り
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とある男女の日常風景


 俺と愛海は休日の散歩と言う名の、行き当たりばったりの外出を頼んでいる。

 特に行き先を決めず、なんとなくで方向を決め、バイクで目に付いた場所に行く散歩だ。


 これが面白い。

 新しい発見があったり、美味しい食事処見つけたり、新しい思い出になったり。

 愛海と二人だから楽しいのもあると思うけど。


 今日も適当にバイクを走らせ、俺と愛海の目の前では結婚式が行われていた。

 残念ながら自分たちの式じゃないけど。



 「綺麗ね~」


 「幸せそうだよねぇ」


 ちょうど教会から新たな夫婦が出てくるとこだった。

 男性も女性も幸せそうだな。

 俺も愛海をあんな笑顔にしたい。


 「こんなに天気の良い日に結婚できるなんていいなぁ。神様にも祝福されてるんだね」


 「友達の結婚式で台風の時があったなぁ」


 「なにそれ。私は友達の結婚式で大雪だった時があったかな」


 俺もいつかは…。

 愛海も俺も笑顔で溢れる式にしたい。

 もうちょっと待ってね。














 「うう~、寒かった」


 「2月上旬で天気が良くてもまだ寒いからねぇ」


 愛海と目に留まった喫茶店に入った。

 レトロな雰囲気で、老夫婦が経営している小さな喫茶店だ。


 「さっきの結婚式見てさ」


 「うん」


 「いいなぁと思ったのもあるんだけど、私もあんな式上げれるのかなぁって思った」


 「愛海と俺だから大丈夫」


 「自信家だね」


 途中で見た結婚式はみんなが幸せそうに見えた。

 自分たちも幸せだと思うが、参加者にも幸せのお裾分け。

 良い結婚式とはあのような結婚式なんだろうな。


 「20代前半の時は結婚って夢を見てたけど、20代後半になってから諦めてたんだよね」


 「俺も同じだなぁ」


 「友達の結婚式に参加して、最初はおめでとーって祝福するんだけど、年を取ってくると次は私よ!って思っちゃって。でも最近は私に遠い世界なんだなーって」


 愛海がコーヒーを飲みながら寂し気な表情をする。


 「私も幸せになっていいのかな?」


 「俺が幸せにする」


 俺以外が愛海を幸せにするなんて許せない。

 愛海を幸せにするのは俺だ。

 

 「どうぞ」


 「あれ?頼んでないですよめ?」


 「老人からのプレゼントだと思ってくださいな」


 マスターであるご主人からケーキが贈られてきた。

 頼んでないけど…。


 「お二人とも夫婦かと思ったけど、まだ夫婦じゃないのね」


 「妻と話していましたが、とても仲の良いお二人でしたのでね」


 「ふふ、恐縮です」


 お二人からは夫婦に見えるのか。

 嬉しい。

 他人からそのように見てもらえるなんて。


 「失礼だと思いましたが、会話が聞けてしまいましてね。老い先短い爺からのプレゼントです」


 「そんな…。わざわざありがとうございます」


 「お連れ様は旦那様候補でいいのかしらね?」


 「旦那予定です」


 「もう…!」


 「「あらあら」」


 愛海の旦那様は俺ですよ!

 まだ予定ですけどね。


 「お二人を見ていると、妻との若い頃を思い出しますな」


 「そうねぇ。貴方たちなら幸せな夫婦になれるわよ」


 「そうなるように努力します」


 「ふふ。安心してください。多くのお客様を見てきましたが、お二人はとってもお似合いですよ」


 「お二人ならきっと良い夫婦になるわよ」


 マスターご夫妻と結婚生活についてのイロハを教わった。

 良い店だった。

 また来たいな。

 今度は結婚して、ちゃんと夫婦になってから。










 「良いご夫婦だったね」


 「憧れるよね」


 散歩から帰ってきて、家で今日の出来事を思い出す。

 喫茶店のマスターご夫妻から金言をたくさんいただいた。

 

 「私もあんな年の取り方したいなぁ。幸せって感じがして素敵だったもの」


 「わかる。死ぬ時には幸せだったって言って死にたいな」


 「結婚前に死ぬとか言わないでよね」


 「サーセン」


 幸せな人生って何だろう。

 答えがあるわけじゃない。 

 死ぬ時が答え合わせだ。

 その時は幸せだったと言って死にたい。


 「幸せって成るもの?」


 「いや、幸せは作るものだと思う」


 「期待していいのかなー?」


 「任せろ」


 コテン、と俺に寄り掛かる愛海。

 あーもー!可愛い。

 今も幸せなんだけどさ、もっと幸せにしたい。


 「私も紅葉を幸せにしたいな」


 「これ以上幸せにされたら爆発するわ」


 「もっと幸せになりたくないの?」


 「…なりたいから容量増やしてくるわ」


 幸せの容量ってどこで増やせるんだろ?

 電化製品売ってるところで幸せを保存できハードディスクとかD売ってないかな?

 

 「小さな幸せだけど、こうやって紅葉と一緒にいるだけで幸せ」


 「んじゃ、もうちょっとだけ」


 愛海に触れるだけのキス。


 「ん…」


 「どう?」


 「幸せ」


 「俺も」



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