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とある男女の恋模様  作者: はから
第三章 とある男女の恋納め
42/85

とある女の誕生日祝い

初感想いただきました!

レビューに続き驚いて驚いて…。


レビュー、感想、ブックマーク、評価は執筆の力になります。

よろしければ最後までお付き合いいただけると幸いです(。-人-。)


 「え…、26が紅葉の誕生日なの!?」


 暑さも収まってきた9月。

 恒例のお泊りでごろごろしながら、紅葉が私の誕生日を聞いてきたので、紅葉の誕生日も聞いてみた。

 26って…再来週じゃん!


 ちょっと!時間ないんだけど…。

 でも2週間あれば準備できるよね。

 どうしよう…。


 「誕生日は祝ってくれなくてもいいのに」


 「ダメでしょ。誕生日だよ?紅葉の産まれた日だよ!?」


 「最近誕生日なんて祝ってくれる人いなかったからなぁ」


 一人暮らしだから祝ってくれる相手なんていなかったとのこと。

 お義母さんたちがRINEをくれるだけだったなーと笑う紅葉。

 私に言われるまで忘れてた?

 うーん…、私は毎年お母さんがケーキとか用意してくれるし…。

 子供みたいに祝ってくれるわけじゃないけど、ちょっと豪勢な夕飯になったりするんだよね。


 「行きたいところとか、欲しい物とかある?」


 「ないよ。担当者は…金曜か。いつも通り愛海が居てくれるだけでいいかな。欲しい物は特にないかなぁ…。」


 コイツ…っ!一番困る回答でしょ!

 うーん…、どうしよう。

 そうなると紅葉の家で豪勢な夕飯作ったりするくらいかな。

 あとはケーキ買って、プレゼントはどうしよう…。


 「プレゼントはいらないよ」


 「はぁ?」


 「愛海がプレゼントでもいいよ」


 「私は紅葉の女だから大丈夫でしょ」


 その後も紅葉に聞くけど、ホントに欲しい物はないって…。

 ええー…、どうしよう。

 私の誕生日は来月だけど、紅葉は絶対に何か用意する。

 プレゼントを用意すると分かっている紅葉に、何も渡さないのは彼女としてダメだと思う。

 うーん…。











 「ということでヘルプ」


 「何がヘルプよ」


 私は日曜日に内田家を訪ねていた。

 玲奈先生に助けを求めた。

 助けて玲奈えもん!


 「なんで先月のバーベキューの時に聞かないのよ。眞ちゃんいたら何かわかったかもしれないのに」


 「…返す言葉もありません」


 先月のバーベキューの時に聞けるか!

 紅葉と私で仁奈ちゃんと柚葉ちゃんとたくさん遊んだ。

 おばさんは体力的にダウンしちゃったけど、普段から鍛えている紅葉が元気に遊んでた。

 半干物だった私の体力なめるなよ!

 

 「大人なんだから、プレゼントなんて用意しないで祝ってあげるだけでいいんじゃない?」


 「ちなみに玲奈ん家は?」


 「欲しいお酒とかあったら買うくらいね。事前に眞ちゃんに聞くけど、眞ちゃんも値段の張る物は要望として出さないわね」


 「うーん…」


 「最近は私のプレゼントよりも、仁奈と柚葉の手作りプレゼントに喜んでるわね」


 「ぐぬぬ…」


 ダメじゃん。

 紅葉にお酒なんて送ったら死んじゃうし…。

 子供の手作りプレゼント?

 子供いません!


 「付き合って初めての誕生日だし、紅葉は最近祝ってもらってないって言ってたから…。今年だけはちゃんとした誕生日過ごさせてあげたいんだよね…」


 「その気持ちだけでいいじゃない。紅葉もアンタが祝ってくれればそれだけで満足するわよ」


 そうだけど…。

 何か贈りたい…。

 重い女と思われない程度の物を…。


 「はぁ…。無難にネクタイとか仕事で使いそうな小物にしたら?」


 「それだっ!」


 「…はぁ」


 玲奈さん!それですよ!

 なんでこんなことに気が付かなかったんだろ。

 紅葉毎日スーツだしね。

 プレゼントは紳士服の店で何か買うことにしよ。

 

 「あとは…」


 「えっ!?そんなことするのっ!?」


 「紅葉喜ぶんじゃないかしらね」


 うう…。

 これも…?

 うーん…。










 「誕生日おめでと」


 「ありがと。いつもより豪勢だね」


 紅葉の誕生日当日。

 午後休を貰って、午後から紅葉の家でご馳走作りに勤しんだ。

 ケーキも買ったし、プレゼントも忘れてない。

 アレも忘れてない…。


 「ほら、28本のロウソク消して」


 「多っ…。消えるかこれ」


 紅葉が一息で、ケーキに並べた28本のロウソクを消した。

 ケーキ屋の店員さんに、10歳用の大きいロウソクにしましょうか?って言われたけど、3本よりも28本のがいいよねーと28本並べてみました。

 

 「食べる前にこれ」


 「まさか…っ!」


 「プレゼント」


 「これが古来より伝わりしプレゼント!ありがたく頂戴致します!」


 仰々しくプレゼントを受け取った紅葉。

 喜んでくれるかな?


 「ネクタイピンかな?」


 「そうそう。ピンだったら毎日でも大丈夫でしょ」


 「愛海…、ありがと。家宝にするよ」


 「せんでもいい」


 神棚に供えないとって言ってたけど、紅葉の家に神棚なんてないよね?

 荒ぶる紅葉を落ち着かせて、二人で夕飯を食べた。

 ケーキも食べたし…。





 「…紅葉」


 「おか…えりぃ!!?」


 食後の片付けもして、お風呂に入った私。

 紅葉がめっちゃ驚いてる。

 そりゃ…、いつもの部屋着じゃないしね…。


 「愛海さん…それは…」


 「ベビードールのエッチなやつ」


 「け、けしからんっ!」


 うわぁ…。

 紅葉が元気になっちゃった。

 

 私はネクタイピンともう一つプレゼントを用意した。

 大事なところが隠れてないエロエロな下着だ。

 玲奈が喜ぶからって言うから着たけど、めちゃくちゃ恥ずかしい…。


 「ふぅ…」


 「紅葉?」


 あれ?元気になったと思ったら静かになっちゃった。

 やり過ぎてひかれた!?

 エロ魔人の紅葉がそんなことないよね…?


 「ありがとう愛海。久しぶりに祝ってもらった誕生日だったけど、今まで一番の誕生日だよ」


 「う、うん…」


 あれ?真面目な紅葉じゃん。

 どういうこと?


 「ベビードールがエロいことは知ってたけど、ここまでエロくなるとは思ってなかった。俺の天使で女神な愛海が着ることで、それは神にもなりえると理解した。これは神の贈り物なのだ。いや、神よりも神々し―――「ハウス」」


 紅葉が壊れた!

 真面目な顔してよくわからないことを言い始めた。

 

 「紅葉?」


 「なにかな?」


 ソファーに座っている紅葉に正面から抱き着く。


 「デザート…いらないの?」


 「いただきますっ!!!」


 耳元で囁いたら襲われた。

 うん、いつもの紅葉だね。

 こんなに恥ずかしいのはもうやらないけど…。

 28歳の誕生日おめでとう。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 社会人の恋愛っぽくて好きです。 流行りの学生物の同じような内容にうんざりしていたところに、リアルっぽさが良く書かれた作品を見つけて思わず最後まで読んでしまいました! [気になる点] 各章を…
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