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とある男女の恋模様  作者: はから
第二章 とある男女の恋煩い
34/85

とある男の仲直り


 はぁ………。

 

 最悪だ。

 愛海と喧嘩したままだ…。


 土曜日に愛海が帰ってしまい、RIENに返事が返ってくることはなかった。

 相当怒ってるな…。


 愛海の怒ってる姿なんて初めてみた…。

 俺も大人気なかったなぁ…。

 愛海と仲直りしたいけど…。


 はぁ…。










 「―――さん。竹科さん!」


 「え…、ああ…。どうした?」


 いかん。

 リス子の呼びかけに反応できなかった。

 

 愛海と喧嘩して5日目。

 RINEを送るも水曜になった今日も返信ないんだよね…。

 愛海成分が足りない。

 依存してるわけじゃないけど、愛海がいないのはツラい。

 これで終わりになったら心が折れそう…。

 せっかく付き合えたのに…。



 「暮林さんが下にいらっしゃってるそうです」


 「え…。ああ、わかった。ありがとう」


 このタイミングで来るか…。

 気まずいな…。


 仕事だ。

 私情を挟むな。

 下に行くまでに切り替えよう。





 「お待たせしました」


 「お疲れ様です」


 なんだか愛海も固い。

 まるで初めて会った時みたいに。

 前みたいに優しく声をかけてくれないのか…。



 「提出書類は以上です」


 「ああ…、ありがとうございます。こちからの返却はありません」


 業務的に淡々と終わってしまった。

 仕事とは言え寂しい。


 「それでは失礼します」


 「あの…」


 謝らないと。

 でも言葉が口から出ない。

 謝ることが嫌なわけではない。

 謝った上で愛海に拒絶されたら考えると、言葉が奥から出てこない。

 

 もしも愛海に拒絶されてしまったら?

 考えるだけで、心の奥がきゅっと苦しくなる。


 「どうかしましたか?」


 「…その」


 「何もないようでしたら、私はこれで―――」


 「俺が悪かった。ごめん」


 「………」


 愛海に頭を下げる。

 男が頭を下げるな?

 そんな小さいプライド捨ててしまえ。 

 これで愛海に拒絶されたら…。


 「………」


 「………」


 「…私もごめん」


 「愛海…!」


 愛海から拒絶されなくてよかった…。

 ホントによかった…。


 「私もごめんね。あんなことで機嫌悪くしちゃって…」


 「俺の行動がおかしかったよ。ごめん」


 「もう謝らなくて大丈夫」


 「愛海っ!」


 「ここ会社!」


 思わず愛海に抱き着きたくなるも、愛海によって止められた。

 いくら個室だといってもマズイよな…。

 うん、今は仕事だ。落ち着け紅葉。


 「今日の夜時間ある?」


 「あるけど…」


 「なら―――」











 「お待たせ」


 仕事終わりに愛海を迎えに橋本組へ。

 別れ際に迎えに行くと話、愛海から了承を得た。


 「行きたいとこある?」


 「紅葉ん家いくんでしょ?」


 愛海に話したいことがある。

 だから家に来てもらう。

 逃げることのできない家に呼ぶ卑怯者だと嘲笑うかな?

 少しでも失敗したくないんだ。


 俺は…。







 「おじゃまします」


 「いらっしゃい。座ってて」


 おじゃましますか…。

 ただいまじゃないんだね…。

 先週まではただいまだったんだけどな…。



 「どうぞ」


 「ありがと」


 愛海の前にお茶を置き、愛海の横に座る。

 仲直りしたけど、なんかギクシャクしてるなぁ…。

 仲直りしたとはいえ、数時間前まで数日間も連絡を取ってなかったのだ。



 「何か話があるんじゃないの?」


 「そうだね…」


 言うんだ。

 勇気を出せ。

 逃げるな。

 男だろ。

 何時までも悩むな。

 覚悟を決めたんじゃなかったのか。

 紅葉、お前の覚悟はそんなものだったのか?












 「愛海。…この関係終わりにしよう」


 「え………」


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