とある男女のお家デート②
「やめて」
紅葉の発言が問題なくなった愛海から拒否られた。
名前呼びで興奮していた気分は地の底だ。
調子に乗り過ぎたかな…。
「敬語やめて」
「わかりま…わかった。これでいい?」
「良くできました。偉いねー」
「僕は子供じゃないんですよ…」
「僕も禁止。ホントは俺なんでしょ?私の前では本当の紅葉見せて」
27にもなってナデナデされるとは。
ナデナデ…。
嬉しい。ハマりそう…。
どうやら禁止されたのは敬語だった。
社会人になってから、癖になっていた僕という一人称。
俺という一人称は使うことが少なくなった。
その代わり、私と僕が増えた。
本当の紅葉ね…。
見せてあげましょう…!
本当の俺を!
「ちょっと」
「何?」
「ハウス」
「本当の俺を見せるのに?」
「誰が変態全開にしなさいって言ったのよ…」
押し倒そうとしたら愛海からストップがかかった。
本当の俺は変態だよ?
…冗談。
もう27だ。
9月には28にもなる。
節度あるエロを覚えたんだ。
卒業したてのチェリーボーイとは違うのだよ。
…ちょっとくらいはいいかな?
「これならいい?」
「………いいよ」
「ありがと」
愛海を自分の足の間に座らせる。
後ろから抱きしめるような形だ。
これくらいは大丈夫のようだ。
愛海から甘い匂いが…。
た、たまらん!
なんで女の子ってこんなに甘い匂いがするんだろ。
フェロモン?
誘惑されたら俺の紅葉は暴れちゃうんだけどなー。
「俺…愛海のこと全然知らないんだよね」
「私もね」
「だから自己紹介しない?改めて」
「そうね」
実はお互いのことを、そこまで詳しく知らない。
表面上のことはわかる。
もっと相手を知りたい。
彼氏彼女の仲だ。
急ぎ過ぎかもしれない。
でも…自分自身が、愛海のことを知りたがっている。
もっと知りたい。
全部が欲しい。
「竹科 紅葉。今年28のまだ27歳。家族構成は祖父母と父と母に妹」
「暮林 愛海。今年で29。家族構成は父と母、兄に弟」
色々と愛海のことを知ることができた。
モデルにキャバ嬢ってホントだったんだ。
なんで建設業界なんかに来たんだろうと思っていると、店に来ていた社長にスカウトされたらしい。
キャバ嬢を引き抜く橋本社長…。
橋本社長も好きだからなぁ…。
昔は一人暮らしをしていたが、ストーカーが酷かったので実家に帰ったとのこと。
ストーカーはキャバ嬢時代の客だったようだ。
そのストーカー生かしておけないな…。
愛海にストーカーするなんて、良い度胸してるじゃん。
実家に帰ってからは何の被害もないとのこと。
橋本組の皆さんが頑張ったと…。
あそこは橋本社長を筆頭に武闘派だからなぁ…。
何があったか聞くのはやめておきます…。
実家に戻ってからは、干物度合が酷くなったようだ。
休日は家でごろごろ。
テレビを見たり、漫画を読んだりとぐーたらしているらしい。
愛海漫画読むんだ…。
意外だな。
今度愛海と漫画喫茶でも行こうかな。
愛海からは「これが私。干物女でもいい?」と言われたが問題ない。
だから部屋着を持ってきたのね。
ノーメイクの愛海は、化粧をしているより幼く見える。
だが、それがいい!
Tシャツに短パン…アクセントの足のむくみを取るソックスがヤバいよ…。
エロいんだけど…。
俺も休日は家でのんびりしたい派だ。
出掛けても人が少ない場所でのんびりしたい。
せっかくの休日なんだから疲れたくない。
俺も干物だと思う。
干物なら徐々に元に戻ればいい。
「カップルって何するんだっけ…」
「…私も忘れた」
こ、これから思い出せばいいよね!




