とある女の相談事
「ふーん。それでアンタはその年下ちゃんを食ったわけね」
「言い方!……間違ってはないけど」
「何カマトトぶってるのよ。アンタそんなキャラじゃないでしょ。高校の時に大股広げて団扇で扇いでたアンタが」
「………れた」
「何よ」
「…恋愛の仕方なんて忘れたって言ってるのよ!」
「はいはい」
竹ちゃんとか恋人(仮)になってから三日が経った。
恋人になったから何か変化があったわけじゃない。
RINEで連絡取るだけ。
あれ?竹ちゃん手に入れたら途端に放置する系男子?
お姉さん困るんだけど…。
自分でも何をしていいかわからない。
だから高校からの親友である玲奈に助けを求めた。
「今まで彼氏の一人や二人いたことあるでしょ」
「あるけど…。どれだけ期間が空いてると思うのよ」
「何年よ」
「えーと、4年?」
「はぁ?」
「い、いいじゃない」
「干物っていうかアンタ化石だわ。よく処女膜戻ってなかったわね。あ、セフレくらいはいた?」
「いないわ!」
相談相手間違えたかな?
口が悪いのは高校時代からだ。
初対面で「ヤリマンビッチの暮林さんじゃない」って言われたのは忘れない…。
まだ処女だったし、それにビッチじゃないわよ!
「それでアンタはどうしたいのよ」
「わかんから玲奈に相談してるんだけど」
「ゴムに穴開けて子供作って既成事実で押し通せば」
「同じ女とは思えないわ」
「アンタ年考えなさいよ。もう時間ないでしょ」
「…ごもっともです」
ご、ゴムに穴を開ける!?
この女は何言ってるのよ。
順番吹っ飛ばし過ぎ!
「先ずはカップルになったんだから徐々に仲良く…」
「アンタそんなことしてたら結婚した時には40よ」
「結婚とか早くない?」
「そういうこと考える年でしょ。それともアンタは結婚したくないわけ?」
「結婚も子供も欲しいわよ…」
結婚かー。
もう後もないから結婚だよね。
次の彼氏は旦那と考えていたけど…。
そう考えてたら4年も過ぎて29だけど…。
「相手はアンタのこと化石って知ってるんでしょ」
「化石言うなし。竹ちゃんは知ってる」
「なら隠すことなんてしないで、ありのままの自分を見せればいいじゃない」
「はぁ?」
「知ってるなら大丈夫よ。それでダメならアンタには縁がなかっただけよ」
「結婚して子供もいるからって上から言うわね…」
「これに関しては私が上。アンタが下よ」
竹ちゃんにありのままの自分を見せるかー。
竹ちゃん優しいから許してくれそう…。
いやいやいや、ダメでしょ。
さすがの竹ちゃんも厭きれそう。
「取り合えず毎週最低でも一回は会いなさい」
「はぁ?」
「私の貴重な休日がとか思ってるんじゃないわよ。どうせなら金曜から日曜まで泊まりでいいじゃない」
「泊まり!?私の干物タイムは!!?」
「そんなもの辞めなさい。アンタね…、結婚して子供産まれて「なんでママはぐーたらしてるの?」なんて言われたら母親失格よ」
「さ、さすがに子供できたらちゃんと可愛がるわよ」
泊まり!?
無理無理無理!先週のトラブル宿泊でさえ緊張したのに!
でも竹ちゃんに抱きしめられるのも悪くなかったし…。
いやいやいや、私の家でごろごろ干物タイムは!?
「悩む暇があったら行動しなさい。悩んでる時間なんてないのよ」
「うー…」
「高校時代の暴走具合はどこにいったのよ」
「あの時は若かったし…」
「いい?傷つくの恐れてたら何も始まらないのよ。アンタも自分を変えなきゃいけないの」
「そうだね…」
「パイもマンも見せてるんだから恥ずかしいことないじゃない」
「言い方!」
その後、玲奈の目の前でRINEで連絡させられ、金曜日お泊りの約束をさせられた…。
玲奈の言うことももっともだけど、ちょっと急ぎすぎじゃない?
でも玲奈の言う通り時間もないわけで…。
あー!もうどうにでもなれ!




