表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪がいるからダメなんだ  作者: 神共 歩(しんとも あゆむ)
【一章(天国①)】 天国の案内 (完了済)
6/64

1-5

 一歩、扉を出てみると、雲の地面を踏んだ。地面は固くてしっかりとしている。

 目の前には、見渡す限りの青空が、広がっている。

 大パノラマ。

 こんな広い空間は、生まれてから初めての体験だ…。

 世界に圧倒されて、爽快感が沸き上がる。

 なんて綺麗なんだ…。

 光も地球より優しい白色で、物が美しく見える。

 空気が澄んでいて、呼吸が気持ちいい。

 振り返ると、今まで居た部屋は、平屋の石の建物で、雲の上にあった。

 初めて見るもの達に、テスが説明をくれる。

「水蒸気で出来ている雲は、風で流れるけど、建物が上に乗っている雲は、天使が動かさなければ、ほとんど動かない。そのほとんど動かない雲は、【神力】で出来ていて、地上から見たら、どちらの雲か分からないようになっている」

 流れる雲が俺へ触れ、形を変え、後ろへ流されていく。

「雲ってひんやり冷たいんですね」

「体がほてっているときには、気持ち良く感じるよ」

「へぇ~」

 建物を見上げると、旗がはためいている。

 扉の右上、屋根から真上に突き出ている棒に、旗が付けられている。

 旗は赤地で、中央に白い卵のマークが、描かれたものだ。

「ここは天使が産まれる場所。

 【天使成形神器】という、神様から授かった神器が置いてある。

 その天使成形神器から、天使は産まれてくるんだ。

 神器は、天国に幾つかあるが、全て【神力】で出来ている。

 そして、天使成形神器は、どんな傷や、どんな病も、治すことが出来る。

 DNAを変化させる事も可能だ」

 DNAを変化させる?

「凄い…、ですね。地球の科学より、発達しているんですね」

「【神力】だから、神様の世界の法則のものなんだ。

 【地球が存在する宇宙の法則】を元にして出来た、地球の科学とは、比べものにならない程の差がある、高度なものだ。

 まぁ、詳しい話は、おいおいするとして、正幸迎の家は、少し遠くにある。

 今日の夜から自分のベッドで寝る為には、もう出発したほうがいい」

 テスが浮いて、俺に手を差し伸べてくれた。俺はしっかりとその手を握り、ゆっくりと俺も浮いてみる。

「よし。行くぞ」

 テスが優しく、俺を引っ張りながら飛んでくれるので、負担にならないよう、俺も速度を上げて、付いていく。

「休みたいときは、いつでも言ってくれ、地上に降りれば、すぐ、休憩をとれるから」

 地上を見ると、深緑のカーペットを一面に広げたような、地面が見えないほどの深い森が広がっている。

 遠くには、山と湖が見え、そこから川が続いている。

 下を見ても、意外と平気だ…。

 風を感じて、気持ち良いからか、飛ぶのが楽しいぐらいだ。

「ここから正幸迎の家まで、半日ぐらいかかるから、上手くいっても到着するのは夜になるだろう」

 上手くいっても? …上手くいかない可能性もあるんだな。

「それと、俺は正幸迎と話す為に、日本語を学んだ。だから、正幸迎と少し会話できるが、天国の言葉を覚えないと、大部分の天使とは、会話が出来ない。

 だから、近日中に、俺が天国の言葉を教え始める」

「はい、よろしくお願いします」

 天国の言葉か。そりゃあ、日本語が、天国の標準語なわけないな。

「新しい天使への、天国の案内や、天使の仕事の説明なども、俺が担当しているから、分からない事は、何でも聞いてくれ」

「はい、ありがとうございます」

 天国にも仕事があるんだ。俺の仕事が簡単なものだといいな。

 テスは良い人そうだから、テスが色々教えてくれるなら、安心だ。


(更新日 2024年07月31日-No.01)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
★この小説の目次ページへ↓★ 
【悪がいるからダメなんだ】

★作者:神共 歩(しんとも あゆむ)のブログ(外部ページ)↓★
【神共歩の公式ブログ】  
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ