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悪がいるからダメなんだ  作者: 神共 歩(しんとも あゆむ)
【一章(天国①)】 天国の案内 (完了済)
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「1時間程で着く。店には色々あるから、少し欲張って持ってこよう」

「はい」

 どんどん建物を通り過ぎていく。全ての建物は石で造られているようだ。

 遠すぎて表札は読めないが、巨大な表札の存在は見える。多分、他の天使達の家だろう。

 次々に建物を過ぎて、しばらく行くと、雲の上に、背の高い黒い石造りの建物が見えた。

 えんじ色で無地の大きな旗が、屋根に立っている。

「あそこの建物には、天国の惑星と惑星を繋ぐ、門がある。

 あの建物は【星の入口】と呼ばれている。

 今いる惑星は4号星で、天国には1号から4号までの、4つの惑星があるんだ。

 4つの惑星は同じ宇宙にあるが、くっついてはいない。

 宇宙的に見れば近くにあるが、太陽や月よりは遠くにある。

 惑星同士は、夜空の星として、肉眼で見ることも出来る位置にある。

 惑星と惑星の移動は、門を跨げば、すぐ隣にあるかのように、一歩で行き来が可能だ。

 門は【神力】で作られている。

 門の名前は【星門連結神器】。

 ついでに説明すると、月は各天国の惑星に1つずつ。計4つの月があるんだ。

 【星の入口】には、印刷所もある。各天国の惑星への伝達事項を、印刷して配達もする。新聞屋のようなものだ。

 緊急連絡の伝令も、ここから飛び、発信される。

 他にも、本を印刷したり、天国の地図を印刷したりも、している所だ。

 【星の入口】に寄って、この星の地図を貰っていこう」

 テスが【星の入口】の建物へ降りていく。

 地図か、あると便利だな。

 天国は、自然物をそのまま使って生活しているから、文明が未発達なのかと思ったが、かなり組織化されているんだな。

 建物の入口には壁など何も無く、左右には、黒い石柱がパンテノン神殿の様に並んで建物の奥に続いている。

 柱の間から光が入ってくるので、暗さは無い。柱には、ロウソクを使うランプも、数多く取り付けられ、夜でも明るそうだ。

 建物を奥へ進んで行くと、奥の壁には、巨大な両開きの扉が、開いた状態で固定されているのが見える。

 この建物には、その扉があるだけだった。

 扉に近づくと、扉は、灰色の金属製で、縦に20m以上、横に10m以上はある巨大なものだ。

 扉の厚さも50㎝以上はあり、とても丈夫で重そうだ。

 扉の横には、金属の大きな歯車がある。扉の開閉をするのに使うのだろう。

「この扉の先に、印刷所などがある。印刷所の建物は、2号星にある」

 テスが扉へと歩いて行く。テスに付いて俺も歩きながら説明を聞いた。

「4号星にある【星の入口】は、この扉と建物だけだ。

門の先にある建物などは、全て他の惑星にある。

 つまり、この門を跨げば、他の星という事だ。

 【星の入口】とは、1つの繋がっている建物の名前だが、建物は各星に散らばってあり、門で繋がっているんだ」

 門の機能が凄いな…。

 地球の物理法則を、まったく無視した物だよな。

 でも、万物創世の神様の力って、そんなもんかもしれない。

 神様は何でもありなんだな…。

 二人で扉をくぐると、明るく広い空間に出た。

 扉の先も、黒い石造りの建物が続き、吹き抜けで、天井がかなり高くなっている。

 ワンフロアで、広さもかなりあり、野球場程の広さがある。

 壁には縦にも横にも窓が並び、フロア中に光が行き届いている。

 入って来た扉と、同じ扉が3つ、開いた状態で固定されてある。

 扉の上には数字があり、右の壁に1の扉。左の壁に2の扉。入って来た扉の上には4とあり、4の扉の右隣に3の扉がある。

 正面には、壁の端から端までの、横に長いカウンターがある。

 カウンターの中が印刷所だと思う。30人以上の天使が、音を立てながら作業をしている。

 カウンターの中の天使と、テスが、会話しているので、俺は近付いていった。


(更新日 2024年07月31日-No.01)

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