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他の作品が煮詰まり過ぎてきたので、気分転換に新しくはじめました!
よろしくお願いします
「転生トラック」、ラノベを読む人なら一度は聞いたことがあるかもしれない。
子供や小動物を庇いトラックに轢かれて目を覚ますと次の人生が開始しているあの現象だ。
なぜ私がこんな話をしているかというと、単純な話私も現在進行形で転生トラックを経験している最中だからである。
そもそも、私は実家住まいで大してお金には困っていないくせに夏休みだろうとクリスマスだろうと、それこそ年末年始だろうと構わずバイトをし続ける社畜系女子大生だった。
何故か予定をキャパオーバー寸前まで詰め込むタイプだった為、大学では授業の他に部活の部長と卒業パーティー委員を務めバイトを2つ掛け持ちして、週1でボクシングも習っていた。
そこに就活が加わった時には、友人に「もう将来は立派な社畜になれるね!」と太鼓判を押された。
別に押してくれなくて良かった。
話はズレたが、そういった理由で私はヘトヘトだった。
そんな中、帰宅途中の赤信号の横断歩道に子猫が蹲っていた。
普段は人通りなどない道だったので、青信号になったら移動させてやろうと思っていたのだが、珍しく車が来ていたのだ。
普段の私なら、オロオロして子猫が轢かれるのをただ見ているだけだっただろう。
しかし、今の私は一味違った。
ヘトヘトになるまで働き、大層疲れていた為に判断力など諸々のものが欠如していた。
簡単に言うと、頭がおかしかったのである。
故に、この子猫を救えば来世はマンチカンになってお金持ちに飼ってもらえるかもしれないというバカな考えに突き動かされた私は車道に飛び出した。
結果、言うまでもなく事故死または自殺である。
挙句、子猫を救えたかは定かではない。
享年22歳の短い人生だった。