98.創造魔法で作った物を使ってみた。
しかし、何処にいったのか解らず、移動している荷馬車の中を探し廻ったがどこにも見当たらなかった。
「いったい、どこにいったんだ?」
そう思いアイテムボックスの中を確認してみたら、何故かその中にあったので疑問に思いつつ、とりあえず目の前に出してみたのだった。
すると、見た目は完全に電子ジャーその物で・・・そっくりなのであった。
これなら何とか装置じゃなく、魔導釜とかの名前の方が良くないと考えていたら、そのアイテム名が【異物除去魔法装置容器】から【異物除去魔導釜】に改変された。
そのアイテムを見たフレイとファルがその周りを飛び回り語り駆けてきた。
『なになに、これっ?また、変なのユウマが創ってる』
『マスター、なんなのこれ?』
興味深々の二人には、とりあえず簡単に品物の異物を取る道具だよと説明しておいた。
まあ、アイテム名が変わった事に関して『どうなってんだ?』と思ったが、とりあえずミスリル鉱石を入れて使用して動作を確認してみたら、然程時間がたたずに異物が除去できた。その除去が完了したらアラームが頭の中で鳴り、異物除去を完了した音声がいつもの様に語りかけてきたのだ。
それで先程入れた異物が取れたであろう、ミスリル鉱石を取り出して見ると・・・若干小さくなっている?だがミスリル鉱石のままみたいなので、【鑑定眼】のスキルの方で鑑定してみると、確かに純度は良くなり、ついでにその異物を除去したミスリル鉱石に、何故か変な付与が付き、異様な事になっているのである。
それは、このミスリル鉱石の不純物を取る前の純度は、80%程度の良品のただのミスリル鉱石だったのだが、不純物を取った後は・・・もちろん確かに100%なのだが、高濃度魔力吸収とかミスリル純鉱石等の、何か不思議な付与が追加されていたのである。
『どう言う理由で、こうなったの?』
などと思ったがあまり深く考えない様にした。ここで考えたら負けたような気がしたのである。
まあ、とりあえず言われたとおりに、正攻法でこのミスリル純鉱石を使用してインゴットを錬成してみる見る事にしましょうか。
そう考えながら先程不純物を取ったミスリル純鉱石を二個使い、ミスリルインゴットっを練成すると・・・最上級品のミスリルインゴットが一個出来たのである。
『おお、すごいすごい。なにこの綺麗なミスリルの塊?』
『えっ!でも、このミスリル?なんか不思議な感じがするね。普通のミスリルじゃないよね』
そうなのだ。フレイとファルが言う様に、どうも普通のミスリルのインゴットと違う様な気がするのだが・・・今のとこ問題ないと思う。
「まあ、実際本物のミスリルのインゴットを見た事ないから、こんな物だろう」
無理やりそう思う事にした。
ここからは若干調子にのって魔導星石も【異物除去魔導釜】にいれて異物除去した。
すると魔導星霊石と言う物になり、その二つと水晶玉を合成したら聖霊銀の水晶球なんて物ができてしまった。
これは、どうなのだろうかと思いながら、たぶん違うものだろうと思い声を出した。
「やべっ、ちゃんとした物を作らないと、後でフィリアさんに文句を言われる」
その後正気に戻りとりあえず、ちゃんとした品物を作る為、異物を除去しないで錬成と合成をする事にしたのである。
それからある程度時間が経過していた。
「とりあえず。依頼された物が出来たので良しとしよう。では早速、鑑定を・・・?」
すると、聖銀星の水晶球ではあるのだが、ヨーコより説明を受けたのより能力が通常の倍はあるようなのだ。
何故そのような事が解るのかというと、【鑑定眼】で鑑定したら通常の倍以上の能力があり、吸収及び放出範囲は数十倍であると詳しく表記されていたのであった。
この時にユウマは、『もしかして俺は、まともな品物が作れないのでは』と、思っていたが、この事に関して触れる事はなかったのである。
それで先程の話に戻り、もうひとつ考えていた事を実行する為に行動を起した。ただしこのときこうなりゃやけだと思い、とんでもアイテムを作っちゃるとまた暴走していったのである。
このときにその状況を大人しく見ていたフレイとファルは、なんかユウマがまたやばい事しでかすと思い、これ以上見ていたら自分達に飛び火して、みんなから責められるかもと考え、ユウマの元から離れていったのであった。
それから数時間後、通常より早くに今日の目的地に着いたのであった。