97.今度は創造魔法を使ってみた・・?
その製作方法とは、まず最初に魔導星石とミスリル鉱石をそのまま使用するのをやめて、少し考える事にした。
「このまま、練成と合成したら面白くないよなっ!ふっふっふっ・・・」
などと訳の解らない事を言葉に出し、不適に笑い出したのである。
『マスター、なんか怪しい人みたいだよ。その笑い方?』
『ホント。なんか怪しい笑い、何考えてるの?』
頭の上にいたファルとフレイに、失礼な事を言われたが気にせずに作業に入るが、やはりひとこと言っておく事にした。
「失礼だろ二人とも。てっ、何時の間にフレイまで俺の頭の上に?」
『『えっ、さっきからいたよ。ねーっ』』
何故か、意気投合して返事をした二人だった。
二人には大人しくいている様に、よく言っておいて、改めて作業にはいる事にした。
「この両方のアイテムの不純物を、どうにか出来ないかな?うーん、どうしよっかな・・」
鉱石内の不順物を取り除く作業が、どうにか出来ないかを考えていると、頭の上の2人がコソコソと話している声が聞こえて来た。
『マスターは、何考えてるんだろう。なんかやばい事考えてそう」
『さぁ、またとんでもない事をするんじゃないかな、ユウマだし』
妖精の姿である2人の言葉を、聞かない様に無視して少し真剣に考えた。
ふとある事を思い出した。
「あっ、そうだ、そうだ。あれを使おう」
そう思ったのは今回始めて使うスキルの【創造魔法】であり、現状どういう事が出来るか解らないので、一旦解析をすることにした。
その為に【超級解析】を使用して【創造魔法】が、どういうモノかの内容を確認した。
するとその内容は【創生魔法】とあんまり変わらず、違う事は創造する時には、その品物を作る為に簡単な材料が必要である様な事が記載されていたのである。
「うん、これならば、【錬金術】も余り変わらず、同じではないのだろうか?」
そう思ったのだが【錬金術】では、練成又は合成する為には、その素材と必要な品物がいる。だから簡単には欲しい品物やアイテムが出来ない様なのである。
例えば、【錬金術】では鉄の玉が欲しいと思ったら、それに必要な材料である鉄鉱石もしくは鉄のインゴット又は砂鉄が必要であり、しかも玉にはならない。ここから丸く整形する事が必要なのであるが、【創造魔法】では鉄に関するものなら何でもそのモノ創造できるし、創造だけで丸い玉に出来、また中身を無くす事もできる。
ただ【創造魔法】では、それを考える事の想像力と用途に関する知識が必要で、しかも大量な魔力が一番必要なだけである。
後は、それを創る為の簡単な素材か材料で製作、創造が可能である。
『結構、万能なスキルなんじゃないかな。まあ、ただ想像する力と使用する時の内容に関する知識が必要らしいが、まあ、それに付いては問題ないと思う』
などと思えたが実在する物か、もしくは想像が完璧でないと品物が上手く出来ないようなのであった。だだ、元地球にいた転移者であれば、そう言った細かい知識は持っているので問題ないと考えていたのである。
でだ、早速【創造魔法】のスキルを発動して【異物除去魔法装置容器】を創造して製作する事にしたら、なんだかの鉱石が必要なようであるので、ここで一旦考えた。
「ここは豪華にミスリル鉱石を使おうかなっ?」
どのみち今出している鉱石は、ミスリル鉱石とクレリア鉱石なので選びようが無かった。
まあ、アイテムボックス内に入れている鉱石類の【空間収納箱】を出せば鉱石は選び放題なのだが、ここで作業している馬車の中で出せるような大きさであった事を思い出したので、出して選ぶまでの事はしなかった。
ましてや、馬車を止めてまで出す必要もないからである。目の前にあるミスリル鉱石は、もし失敗してもいいように余分に出していたのでそれを数個使うだけで問題ないからであった。
まあ、流石にクレリア鉱石は、数が少ないのでそれを使用しようとは考えなかった。
それでミスリル鉱石を使用して【創造魔法】のスキルを使用して、先程考えた【異物除去魔法装置容器】を想像した。
まず、頭の中で銀色の箱のような・・・まあ、実際電子ジャーみたいな物を思い浮かべ想像した。それからそのジャーの中で不純物が分別除去できる様な事の内容を思い浮かべたのである。
『流石に、こんな単純に想像で、そのような物が作れるわけ無いか』
最初は、上手く行くだろうと思って想像して考えたが、何の返答も無いのでやはり無理かなと、思っていると頭の中で音声がなり響いた。
『【創造魔法】を起動しました。【異物除去魔法装置容器】を想像製作、創造完了。 ただし異物を除去する対象の品物を容器内に入れ込む必要があるが大きさに限界がある。 そして、内部に異物を除去したい物を入れた後に、一定の魔力を流す事で自動的に除去の動作を開始する。起動した後に一定の時間が経過するとアラームが鳴り出来上がりを教えてくれる。不純物除去にはその素材により時間は変化する為ご注意下さい。 ただし容器内に収納可能な物に限定される』と、使用上の注意まで教えてくれたのである。
「あんな単純な想像で・・・まさかホントに出来るとは思わなかったが。そのまさかで出来てしまうとは・・・。ははは、はぁっ」
乾いた笑い声を出し自分の能力に、若干呆れ気味なり溜息を吐いた。
『ねぇねぇ、今度はなんか落胆して溜息はいてるよ。ユウマは』
『何か残念な結果になったのかな?それともマスターはお疲れですか?』
何故か二人にそう言われて慰められた。
「いや、そういう訳じゃないから、大丈夫だよ。たぶん・・・」
でも、まあその【創造魔法】で作った品物である【異物除去魔法装置容器】が出来たのに、その品物がこの馬車のどこにも見当たらないので、辺りを見渡し確認していた。
だが、それらしい物が無いので、またこの時点で悩む事になってしまっていたのである。