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95.移動中の作業場所?

するとヨーコが、考えがまとまらないフィリアに話し掛けた。

「ねぇ、お姉ちゃん。とりあえずユウマさんに、お願いして聖碑様の水晶球を練成してもらいましょう。それで、次の目的地に着くまでにどうするか考えようよ」


 そのヨーコさんの提案に、フィリアさんが答えた。

「そっ、そうよね。とりあえずユウマ!早速ミスリル鉱石を練成して魔導星石(マジエントスター)と水晶球を練成合成して頂戴。早く、さあ、早く」

「おっ、お姉ちゃん。そんなに焦って練成合成したら粗悪品が出来ちゃうよ。まずはユウマさんに聖銀星の水晶球について、ちゃんと説明しないと創れないと思うよ。それに移動しながらになるから、馬車の中でゆっくりと練成合成をしてもらった方が良いよ」


 どうもフィリアさんが焦り、若干暴走気味のところをヨーコさんがなだめて止めてくれた。

「それに、簡単に作れる代替品の聖銀星の水晶球でも、失敗したらすごい事になるわよ。お姉ちゃん」

 とりあえず、次の目的地に移動するまでの間に、馬車の中で作業してもらう様にお願いしてきた。


「なら、それまでの間に私達は、代替品が出来てからどうするかを考えておくわね」

 目的地に着くまでと代替品が出来るまでの、その間にどう対処するかをフィリアさんとヨーコさんは考える事になった。


 そして今現在は、ユウマ自身はいつも寝床で使っている、荷馬車の後ろを使用して作業を行なっている。

 その荷馬車のうしろを広くスペースをつくり、そこで作業する事になった。最初は若干片付けスペースを作り、錬金術を使用して作業を行なおうとしていたが、少し手狭になったので殆どの荷物を、俺のアイテムボックス内に直しているのである。


 実を言うと荷馬車のうしろで作業する前には・・・ひと波乱あった。それは・・・。


 最初に、フィリアさん達の乗る馬車内で作業をしろとフィリアさんに命令された。

「ユウマ、貴方こっちの馬車に乗って作業しなさい。命令よ!」


「それに錬金術初心者のユウマさんに、練成の手順と合成時に魔力を注ぐ度合いをその場で指摘できますし、失敗しそうになったら直ぐに止められますからね」

 などとヨーコに言われたが、流石に乗り合い馬車より大きく広いかも知れないが、みんなに見られながら作業するのはと思い丁重にお断りした。

 それはみんなに視線が気になり、集中して作業できない様な気がしていたからだ。


 次に候補にあがったのは、シルフィーさん達の馬車であるが、もちろんシルフィーさん達の馬車も、フィリアさん達の乗る馬車と同じような理由で断った。


 人数が少ないと言っても今度は、自分と年齢の近い女性ばかりだ集中できる筈が無い。

『それに俺が、その雰囲気の中で集中できる自信が無い。もちろんフィリアさんの馬車もそうだが、失敗したらどうなるか解らないから、特に嫌なのである。できるなら1人でのんびり練成して合成作業をしたい』


 それで最終的に、いつも野営時に寝床で使っていた馬車が一番作業しやすいと思い、ここを使っていいかお願いするようにした。


「シルフィーさん、それとレオンさんすいません。いつも寝床に使っている、この荷馬車のうしろを使っていいですか?」

 そうシルフィーさんとレオンさんに相談してお願いしたがこの時は断られた。

「うーん、場所があれば使っても構わないのだが、これらの品物を収納したら人一人がやっと座れるスペースしか確保できないのでは?それに失敗して爆発などしたら荷物がと言うより貴殿が・・・」


「そうですよ、ユウマ様。少し荷物が減ったといっても、そんなに広く場所は取れませよ。それに、危険ですよ。やっぱり(わたくし)達の馬車で作業した方が・・・」


 まあ、色々と心配してくれている2人をよそに、自分の考えを教えた。

「いえ、ちょっと俺に考えがありまして・・・・・」

 そう答え、本来は片付けた天幕や野営に使った材料を荷馬車の空きスペースに収納するのだが、それをすべてアイテムボックスに収納すればいいと考えた。

「レオンさん、天幕等の材料をここに集めて貰えます。今から俺のアイテムボックス内に収納しますから」

「えっ、アイテムボックス内にですか?でも質量と個数が多すぎるのでは」

 レオンがそう言ったが気にせずに、例の【空間収納箱(コンテナボックス)】を唱え沢山有った材料と天幕を一つにまとめアイテムボックス内に収納した。


 それで、今はそれらの品物は、全部一緒にユウマのアイテムボックス内に収納されているのである。しかも作業をするウチに他の荷物も邪魔になったので、移動の途中でそれらを収納した。


 すると馭者の人が荷が軽くなったのに気が付いたようだが、あらかじめ説明していたので止めて荷台を確認する事は無かった。まあ、屋根付きの荷馬車なのでうしろを確認する場合は、一旦止めないといけないのだが、俺が乗っているのでそこは気にして無いようである。


 それで荷馬車に乗っていた荷物はすべて、安全に俺のアイテムボックス内にあり、気兼ねなく荷台のスペースで作業をしていると言うことになるのであった。

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