93.聖碑をどうするか?
それからフィリアさんとヨーコさんの2人でコソコソと話していると、やはり代替品を作ってそれを変わり取り付け、とりあえずまだちゃんと確認をしていないが、大量に発生する邪気を含んだ魔素の発生を押さえる考えに至り、今度はここにいる全員に話し掛けてきた。
「やはり代替品でここは乗り切るしかないわね」
「でも代替品と言っても聖玉ですから・・・それなりに魔素を吸引でき、それを聖なる力に変えてから、ある程度放出できるのが必要ですから」
フィリアさんの代替案を言葉に出し、それをヨーコさんが付け加えて話をしてきた。
「ただ、ここには材料はこの水晶しかないし、肝心の錬金術を使える者も・・・いないわよね」
そうしてフィリアさんが今度は何の変哲も無い水晶玉をだしていた。その時点で俺は何か忘れている様な気がしたが、なんだったか思い出せずに考えこんでいると、レオンさんがフィリアさんに声を掛けた。
「フィリア様、先程出した水晶玉はなんですか?」
水晶玉を見てその水晶は、何なのかを尋ねていた。
するとフィリアが手持ちの水晶玉についてを説明をした。
「これはただの水晶の玉で何の効力はないのよ。でも何にでも利用できるし、色々と加工ができる優れものなの、それと予備に数個か所持しているのよ」
その話を聞きレオンは、そうなのですかと納得していた。
それから、またフィリアが周辺の様子を気にして声を掛けた。
「でも流石に、ミスリル鉱石ならまだしも魔導星石は、直ぐには手に入る様な品物でもないし。どうしたものかしらね。引き返して調達して来ようかしら」
そこで一旦シルフォードかトライアに戻ろうかしらとフィリアが考え込んでいるのを確認していると、俺の頭の上にいて静かに聞いていたファルが声を掛けてきた。
『ねぇ、マスター昨日の鉱石の中に、ミスリル鉱石と魔導星石が無かったけ?ほら、あの大量の鉱石の中に・・・』
その言葉で考え事をしていたユウマは『はっ!』として声をあげた。
「ああっ、確かに何個かあったよな。それに他の鉱石も・・・」
そう言って直ぐに目の前の広い場所に、鉱石部類をまとめていた【空間収納箱】をアイテムボックスから取り出した。
するとフィリアさんとヨーコさん、それにレオンさんは一旦驚いて溜息を吐き、クライスは何が起こったか解らずに腰を抜かして驚いていた。
何せ今目の前に、大量の鉱石等を収納していた物が出され、小さな山が出来ていたからである。
そんな大量の鉱石と魔導星石とか、何かの素材をみて3人は呆れて、もう一人は腰を抜かし口をパクパクさせていた。
「はぁ、ユウマ・・・あんた、このレアアイテム等の鉱石の山は、なんなのかしら?」
「えっ、ああ、そういえばこれについて説明してなかったですね。昨日夜にちょうっとした事でゾンビを倒したって説明したじゃないですか、それで大量の魔石を集める時に、一緒に落ちていた物なんですけど?」
簡単に解り易く説明すると、呆れた顔をされてしまった。
「まあ、いいわ。必要な物以外は、全部また収納して頂戴。それとそれはシルフォードに着いたらちゃんとギルドに提出しなさい。それ相応の報酬と鑑定をしてあげるから、絶対によ」
なんか呆れられて、ちょっと怒られてしまった。
まあ、シルフォードに着いたら提出する様に言われたのでちゃんと答えることにした。
「解りました。着いたらギルドに行って提出しますよ。なんか、厄介な物もありましたし・・・」
と言って、ミスリル鉱石と魔導星石を取り出して、その他はまた【空間収納箱】を唱えアイテムボックス内に収納した。
その二つを持ってフィリアが、一旦トライアに戻ろうと準備をしていた時に、またある事をふと思い出し声をあげた。
「ああっ!思い出した」
「どっ、どうしたの?ユウマ突然大きな声をだして」
「はい、あのですね。俺、錬金術使えるの、忘れてました」
たははっと笑って答えたら、またフィリアに呆れられて、また溜息を吐かれた。
「ふぅっ!もう、何を聞いても驚かないわ。貴方は規格外すぎるもの。それならこれを錬成と合成して貰えるかしら」
そう言って、先程フィリアが自分のカバン内に入れていたミスリル鉱石と魔導星石、そして水晶玉を取り出してユウマの目の前に置いた。
そのアイテムを見てからユウマは、どうやって錬成と合成しようか考えてから、とりあえず【超級解析】のスキルを使用して確認する事にした。
まずは、ミスリル鉱石の解析を行なうと、希少な鉱石で銀色の輝きと鋼をしのぐ強さを持ち魔力を吸収及び放出をしやすい鉱石。これをしのぐ銀色に輝く鉱石で上位鉱石はクレリア鉱石である。
次に魔導星石を解析してみると、数千個の魔石及び複数の魔晶石を一つに圧縮された品物で、魔星石より魔力は強く、そして強大な魔力を蓄積させる為の物であり。この魔導星石を加工して作ったアイテムは、まれに???を持ち???等になる場合がある。
なんだ、解析できない文章が出てきた、まだ解析する為の条件が出来ていないと言う事かと思い、引き続き水晶玉を解析してみた。
水晶玉を解析したら、合成又は付与にて素材をあわせる物で、主に媒体の基本になる魔導具であると解析できた。
『と言う事は水晶球があれば何となく合成は出来ると言う事か・・・なら、ミスリル鉱石をクレリア鉱石に変えたらどうなるのかな』
何故か好奇心をくすぐられ色々試したくなってきた。そう考えていると声を掛けられた。