92.聖碑に関しての相談?
そこにはもうゾンビとかは出ないのではと思い尋ねる事にした。
「それならフィリアさん。この後はもうアンデッドなんかは、でて来ないのでは?殆ど倒したって事は考えられませか?」
「いえ、ユウマ。あんたがどれだけ倒したか解らないけど、その倒したのは恐らく一部だと思うわ。たぶんそれだけじゃないと思うのよ。それに何とかしてその聖碑を直さないと、もっととんでもなく強力なアンデッドが復活するかもしれないのよ」
フィリアさんの話によると、この辺りは魔素は邪気を含んだ魔素が濃く、多くの戦死者達がいたはずだし、色んな事で死んでいった人々の怨念もあるので、その様な様々な要素が重なり、死体が無くとも次々とアンデッド系の魔獣や低級の魔獣が複数発生する可能性があると、この後に説明してくれた。
それに恐らくユウマが倒したのが、最初の一陣で今もなお夜に向けてアンデッドが生まれて来る筈だと、続けて説明してくれた。それに今は昼間なので表に出ていないが、地中ではなんらかの事が、起きている筈とも教えてくれた。
なら、今のうちに如何にかしないと思い、フィリアさんに向き直って話しかける事にした。
「それならばフィリアさん。その村にその聖碑が無事かどうか確認して補修しないといけないんじゃ無いですか?」
俺が慌ててその事に対して、急いで確認して対処をしないといけないのではと思い声を掛けた。
するとフィリアさんは首を横に振り、今度は聖碑について説明してくれた。
「まあ、確認だけなら問題ないけど、その聖碑がもし先程の話の様に破壊されたりしてたらそれを直す為には、特別な魔石である魔導星石とミスリル鉱石が大量に必要なのよ」
「えっ、それならそれを準備しないといけませんよね。それがあれば問題ないのですよね?」
「確かにそうなんだけど・・・両方ともこの辺に余り無いのよ。特に魔導星石わね。それにその二つとこの水晶球を一緒に合成してある物を創らないといけないのよ」
その様にフィリアさんが、困った顔をして答えてくれた。それには錬金術を使える者が必要だそうだし、それに上手く錬成して合成しきる人物じゃないといけないそうだ。そうしないと聖なる水晶球の代替品を作る事が出来ないみたいだ。
それでもあくまで仮の物で、ちゃんとした物は錬金術専門のギルドか高位の錬金術師に依頼する必要があり、それでもある程度納得行く物を創るのには、早くても半年以上掛かるらしい。
ただし、これはあくまで聖碑が壊されていないで、聖碑事態が原型を留めているのが条件であったが、先程の説明で聖碑が壊されているとは、フィリアさんも思っていなかったそうだ。
フィリアは聖碑と水晶球に関して、ひとしきり話した後に続けて説明してくれた。
「壊されてなかったら聖なる力が弱くなっているかもと思って、聖紅玉で純粋な魔力を使い聖なる力を補充しようと思い持ってきたのだけど・・・これも無駄になるわね」
「えっ、それが代替品にならないのですか?」
フィリアさんが説明しながら、赤く輝く水晶玉を見せてくれたので、それは代替品にならないのかを尋ねると、首を横の振って答えてくれた。
「ダメよ、これはあくまで純粋な魔素いえ魔力を注ぎ込むだけで、聖なる力を補充できる訳じゃないのよ、あくまで聖なる力が放出できる為に必要な力を強引に送り込む為のアイテムなのよ。それにこれに補充している純粋な力はすぐ枯渇して、その後また純粋な魔力の再充填が必要なのよ。まあ、これに入っている分なら持って10日から15日程度ぐらいかな」
フィリアさんが先程見せてくれた赤く輝く水晶玉、聖紅玉を自分にカバンに収納しながら説明してくれて、その補足でヨーコさんが説明してくれた。
「そうですね。先程の聖紅玉はあくまで純粋な魔素を補う物であって、聖なる力を放てる訳ではないですので・・・それにちゃんとした聖なる水晶球は、大気中にあるあらゆる魔素を吸収して、それを聖なる力に変換してましたから、聖紅玉はいわゆるその力の放出を助ける起爆剤みたいに使う予定だったんですよ。えっと、たとえば水の流れが悪いところにイッキに水を押し流すみたいな感じにする予定だったんです」
フィリアとヨーコの説明によれば、聖碑は独自で大気中の魔素を吸収して、聖なる力に変換していたが、何らかの理由で魔素の吸収が弱くなったかもしれなと思い、今回は聖紅玉を使い聖なる力を活性化させ様としたらしい。これが今回俺達と共に行動した理由のひとつだそうだ。
何故そうしようとしたか、尋ねたら簡単にヨーコさんが説明してくれて、どうも過去にも何度かそういう事態が何度かあった事を教えてくれた。
それにホントは今朝の出発時に、こっそり2人で抜け出しそこに向う予定だったそうだが、出発する前に俺達がその話をしているのを聞き、今回の行動を考え直す事にしたらしい。
「うーん、でも困ったわね。今からトライアに戻るくらいなら、シルフォードに戻った方が早いわね。それにそんな事する暇もないしどうしようかしら・・・ねえ、ヨーコちょっとこっちにきて」
「えっ、何?お姉ちゃん」
フィリアさんがヨーコさんに、この後どうするか相談しようと声を掛けて、みんなに聞こえない所に移動して、2人で話し合いをしだした。
どうも今回の件に関しては、事情が違っていたようなので、余り周りの人に聞かれたくない事を話しているようなので聞き耳を立てる事はしなかった。