90.出発前に相談?
すると昨日の話であったとおり、確かに墓地と聖碑がある村が存在していて、その近くに多くの村がいくつかある事を再確認した。
それにここの周囲では、むかし大きな戦があり、多くの人族や獣人族の多種多様の種族が命を落としているらしい。それにまだ埋葬もされず、封印された色々な亡骸もあり、この辺り1体は魔素の発生が以上ではないそうだ。
そのため聖碑を立て、さまよえる魂を鎮めてアンデッドや悪霊が出ない様にしているらしいのである。
それでその聖碑を代々守っている村がこの近くにあるはずと、騎士隊長のレオンさんが答えてくれた。
「ああ、確かこの近くにその聖碑を代々護っている村があるはずだが、しかし聖碑があるので魔獣が襲うのは考え難いが・・・確かに冒険者や盗賊なら可能性はあるが、そんな馬鹿な事をする者はいないと思うが?」
確かに説明どおりだとしても、その聖碑が壊されること事態が考えられないとの事のようだ。
それにただその事を抜きにしても、何故その場所に死人のアンデッドのゾンビが多量に発生したのかと、レオン達が不思議に思っていると。
そこへアリア達と一緒に馬車に乗っていた、ギルドの関係者の2人が近づいて来て声を掛けて来た。
「その話を詳しく教えて頂戴。あなた達!」
その1人の声を聞き、この声は聞き覚えがあると思っていたが、ユウマはやはり自分の知っている人物と思い声をかけた。
「それでなんでまた、俺達が解らない様にそんな変装みたいな格好をしてるんですか?フィリアさん、あとヨーコさんも?」
外套のフードを深々とかぶった2人が、お互いの顔を確認して声を掛けて来た。
「あらら、ばれちゃってたのね。でも、その話は後でするとして・・・先程の話を詳しく聞かせて頂戴」
いたずらがばれた様な声を出して、フードを外し真剣な顔で詳しく続きを聞きたいと近づいてお願いしてきた。
その姿を見た冒険者のクライスは、フィリア達に驚いて口をパクパクさせて固まっていた。ただレオンに至っては、恐らく正体を知っていたのだろうか、先程の話していた事をフィリア達に平然と説明していた。
「・・・・と、言う事らしいのですよ。それでこの後どうするかで少し・・・・」
「ふーん、なるほどね。そお言う事だっあのね。あれは・・・」
何故かレオンの話を聞き、フィリアは納得して頷いていた。
その説明が終わった後でレオンさんに、何故フィリアさんとヨーコさんの同行しているのを隠していたのか尋ねる事にした。
すると簡単に話してくれた。
「あのお2人は、お忍びでシルファードに帰られているそうだ。どうも最初はこの一団とは違う別の馬車で帰るつもりだったのが、何故か急に同行する為にトライアのギルドが手配した馬車に同乗したらしい」
そうレオンが一通り説明してくれたが、何となく納得できずに聞き返した。
「何故そこまでして、存在を隠蔽する必要が有ったんですか?シルフィーさん達みたいに隠す必要もないのでは?」
「それはねですね、ユウマさん。こっちにも色々有りまして。その私達、特におねえちゃんが有名すぎまして・・・」
ユウマが、フィリア達にそこまでして存在を隠す必要があるのかを確認したら、ヨーコが近づいて来て小声で何やら2人ともが有名であり、特にフィリアはギルマスでも有るので、表立って行動していると色々勘繰られてしまうみたいだ。
それなので、極力姿を表に出さず存在を隠蔽する外套を着こんで、顔を隠していたそうだ。
「それに、この一団で姿を見せたら。冒険者もそうだけど他の人も驚かせてしまうので、出来るだけ姿を見せない様にしてもらっていたのだよ」
そう追加でレオンが説明してくれた。
それはそうだろうな、今現在実際に冒険者チームリーダーのクライスは、驚いて腰を抜かして、終いには平伏している。なんだよその格好は・・・。
何故そこまでしているのか思い、クライスに近づき尋ねてみることにした。
「ばかか!おまえ、伝説級の元冒険者で、その上数少ない戦姫の二つ名を持つ元ランクSSSのお方だぞ。俺らみたいな中級の冒険者であるランクCが、同等で話しなど出来るか。ほら、お前も頭を下げろよ!新人冒険者の下級ランクなんだろ、それにフィリア様に、馴れ馴れしいぞ」
そう言いつつユウマの頭を、強引に押さえつけて平伏しさせ様としてきた。
『なんでまたそんな事しないといけない』と、思いながら押さえつけ様としていたクライスの手を払いのけた。
この時ユウマは、強引に人の頭を押さえつけようとしたクライスに、若干ムカッときて頭に来ていた。
何せいきなり人の頭を強引に下げさせようとして、地面に押さえつけようとしていたからだ。