88．ミーア達に起こった事？
ミーアの説明してくれたその内容は、どうもミーアの住んでいた村が魔獣の群れに襲われた事から始まるらしい。
その魔獣は、どうも意図的に連れてこられ、ミーアの村を襲わさせた様である。
その群れを引き連れて来たのは、黒服の大男と白い服を着た男の2人組みだったそうだ。 で、その男達はミーアの村きて住人達に、抵抗をせずに実験台になれと理不尽にも、そう言ってきて魔獣に村人全員を襲わせ捕らえられてしまったそうだ。
流石に捕えられる前に、村の若者と屈強な戦士の男達は抵抗しようとしていたが、呆気なく気絶させられ、その立ち向かった者達の様子を見ていた他の者は、抵抗しても無駄と判断して大人しく捕まっていたそうだ。
それからミーアと村人達は、その2人組み男の住処というより実験施設みたいなところに連れて行かれた。
その施設には、色んな場所の村から多種多様の種族が集められていて、色々と何かをさせられていたようだ。
それにその捕らわれた人達の中には、ミーアよりも小さな子達も沢山いたのだが、大人達はその子達を人質にされて手を出せなく、いやいや実験に付き合わされてる状態だったそうだ。
その実験とは、多種多様の種族から細胞を採取して、新種の魔獣を作り上げる事と人を魔獣に改造したりして、作り上げた新種の魔獣と戦わせているところを見たと教えてくれた。
それからミーア達子供にも、何らかの注射をされて実験体にされていのだが、そんな状況から逃げ出すチャンスが、めぐってきたのでみんなで逃げ出したそうだ。
しかし実際に逃げ出せたのは、ミーアを含め20名だけだった。その中にミーアと同年代以下の子供達も5名ほどいたのだが、5名の中で人族はミーアだけだったらしい。
その中には、何故かミーアに懐いていた白王狼のランが一緒について逃げてきたそうだ。
それでその逃げ出した20名を捕らえる為に、2人組みの男達は、新種の魔獣10体を追っ手に放ち捕らえるか、始末する様に命令を出していた。
何故そのような事が解ったかと尋ねてみると、どうも子供は生きて捕らえろ、その他は抵抗したら始末して構わないと魔獣が喋っているのを聞いたみたいだった。
「ところで、魔獣て喋れるのですか？」
ユウマが不思議に思いシルフィーに尋ねてみた。
「いえ、そのような話は聞いた事ありませんね。フレイは知ってますか？」
『聞いた事ないし、いないと思うけど？あっ、でも、魔族か魔人なら話せるかも』
「「えっ、魔族とか魔人なんているの？」」
ユウマとシルフィーが驚いて、フレイに聞き返すと今度はファルが答えた。
『大昔に、確かいたけど・・・ここの大陸には、もう存在してないはずだよ。たしか』
えっ、て事はこの大陸以外にはいるって事なのか？
「うんん、あれはね。魔獣に改造された人だったの。人族か獣人族の人で改造されて新種の魔獣にされた人なの。元の自我を失っていても言葉は喋っているし、2人組みの命令はちゃんと聞いてたの」
俺達が不思議がっていた魔獣が喋る事に関しては、ミーアが魔獣改造された人達だと教えてくれ、続きをまた話した。
「その他にも、死霊使いの魔獣がいて、しかも言葉を話す奴だったの。その死霊使いの魔獣は、抵抗する者は殺して自分の眷属にすると言って、アンデッド系の魔獣を沢山出して襲ってきたの」
ミーアはよほど怖い思いをしたのか、興奮気味で喋っていたが身体が震えて顔は若干青ざめていた。
何故そんなに沢山のアンデッドが現れたのか不思議に思っていたのだが、やはりどうも過去にあの山のふもとで戦があり沢山の死人が出て、墓地や沢山の亡骸が封印されていたみたいであるらしい。
それでその死者の弔う為に、聖碑が立てられ清められているので、死者もアンデッド化せずその周りも聖なる力で守られている。
その聖碑を代々守っていたのが、ミーアの村の住人だったようだ。
だがしかし旅人か、もしくは冒険者のどちらかは解らないが、住人のいなくなった村を訪れ、聖碑を壊して中に埋まっていた筈の聖なる水晶球が奪われたみたいだと、教えてくれた。
何故そこまで解ったのか聞いてみたらミーアが答えてくれた。
「複数の足跡が聖碑の前に残っていたし魔獣の死骸が散乱していたの。聖碑は魔素の発生と死者の魂を沈め遺体がアンデッド化するのを、おさえる効果があったの。でも、それが壊されいたので魔素が異常発生してたの。それに昨日、死者が夜になりゾンビとなって蘇えって沢山出てきてしまったの」
そこまでミーアは、一気に話した。
「しかし、普通はそんなに早くアンデッド化しないのに何故そんなに早くアンデッドになったの。それに何故そんなに詳しいの」
そこで不思議に思ったシルフィーがその様に聞いてみた。
するとシルフィーの質問に、視線を向けミーアが答えた。
「それは死霊使いの魔獣が聞いていないのに、大声で自分の力で活性かさせてゾンビを出現させてたと語ってたの。それに聖碑が壊されたのが解ったのは魔獣から逃げて自分の村に逃げ込んだの。でも直ぐに追いつかれて・・・・」
「ミーア、辛いならもう話さなくていいよ」
「ええ、そうですよ。後はこちらで何とかしますから」
そうユウマとシルフィーが言うと、少し暗い顔になっていたミーアが首を左右に振り続きを話してくれた。
「そして逃げるのに残っていた数名は、その現れたゾンビ達の餌食になって連れて行かれちゃったの。ミーアを含めて５人ほどが、ちりじりに逃げ出してたの。でも周りを囲まれだしたて、みんなを逃がすためにおとりになってゾンビ達と戦ったのだけど・・・・最後は力尽きて意識が無くなってしまったの。でも気絶する前魔獣が何か言ってたの」
どうやらミーアは、あの丘付近で数百体を越えるゾンビとグールなどアンデッド系の魔獣に立ち向かい。
もうだめだと思いながらも、何とか白王狼のランと一緒に浄化の光でゾンビ達を倒していたみたいだ。
でも、ついにランがゾンビにやられて、最後にはミーアの魔力が付き、傷つけられて気絶してしまったそうだ。
