85.証拠品提出。その後冒険者は・・・?
すると先程不思議がっていた全員が、それを見た途端に驚いていた顔をしてしまった。冒険者の3人にいたっては、口をパクパクさせて尻餅をついて、最後はあんぐりと口を開けて呆けてお互いを見ていた。
そりゃそうだ、何せ多量の魔石の固まり、いや山が目の前に現れたからである。
その魔石の山を見たレオンが、一番最初に溜息を吐きながら語り掛けて来た。
「ユウマ殿、すみません。数えるのは・・・無理ですね。先程の話しは無しでお願いします。それにすいませんが、これをまた収納していてください」
レオンのお願いを聞き入れユウマは、また【創生魔法】の【空間収納箱】を唱え、アイテムボックス内に収納した。
それでアリアとメイリ、そしてを未菜を見てみると、冒険者に向けて何か言っていたが気にするまい。
そうこの時、アリアとメイリは冒険者達に向けて、これがユウ兄の実力よ参ったかと胸を張って言い。そして未菜に関しては、あなた達では手も足も出せないでしょう。悔しかったら同じ事やってみて威張ってくださいね。などと言いながら満足したか、とても清々しい笑顔になっていた。
この後からだ、この時一緒に見張りをしていた冒険者3人が、ユウマ達を見る目が変わったのと、茶々を入れて来なくなったのだ。
先程レオンにした質問の答えはこうであった。
「あれだけの大量のアンデッドが出現するは、もしかしたらですが、ここら辺にアンデッドが大量に移動してきたのでは、あとこの周囲では大昔の戦争があり、その時の戦死者の遺体が今なおこの地で眠っている。それにもしかしたら近くの村か聖碑のある村で何か有ったのかもしれませんね」
レオンさんのその後の詳しい話によると、近くにこの地に寝る戦死者の遺体を鎮める為に、聖碑を建てられた村が存在しているのと、先程俺が行っていた丘のある山にも戦死者の遺体だけでなくや沢山の冒険者の遺体や魔獣と獣等の亡骸もあると説明してくれた。
ただ先程俺が出した魔石を見て数が異常すぎるので、もしかしたら蘇えった死体だけでなく、どこか近くで異常な数の死人が出たか、ゾンビに襲撃され感染した村か何かがあったはずだろうとも考え教えてくれた。ただしこれは聖碑に何か問題がない限りそれは考え難いが、もしかしたら聖碑に何かあったかもと言う話もしていた。
そのことがあったので、この先も移動する時と野営時の夜間には、厳重に注意して行く事を、日が登りみんなが起きた時にでも、相談する事をレオンが提案してきた。
「それでな、明日の朝食の時にでも全員に通達して警戒を強める様にしよう」
と言う事になった。
そのあと先程の俺が行なった偵察報告で、明かりか点滅していたのは、恐らく先程連れて帰った少女が聖属性か光属性の魔法でゾンビを倒していたのだろうと報告をしておいた。
それにもしかしたら、あの少女が何か知っているかもしれないと俺は考えていたがそれも朝起きた時に確認使用と思う。
そんな事を話し合っているうちに、見張りの交代の時間が来て、交代の人員が揃ったのでアンデッドの報告をして警戒する様に注意して、寝床に戻ろうとしたらアリアが突然話し掛けて来た。
「ユウ兄!あのさ、その・・・・・」
「うん、なんだいアリア?」
「えっとね。・・・ユウ兄の頭の上にいる。その子だれ?」
アリアがユウマを捕まえて、先程から頭の上で寝そべって見ていたファルを見てから尋ねてきたので、驚いて答えた。
「えっ!アリア見えるのか、ファルの事が・・・?」
「えっ、えっと・・・ファルちゃんって言うのその娘?・・・それでどう言う事?たまにユウ兄とシルフィー様の周りに、その娘と違う赤い小さな娘がいつも飛び回ってたけど、その娘と違うよね?今ユウ兄の頭の上にいる娘」
これは驚いたどうやらアリアには、ファルの事が見えている様だ。
「ホントだね。アリアちゃんが言う様にユウ兄の頭の上にフレイと違う娘がいるね?どこでナンパしてきたのユウ兄?」
おいおい、未菜さんよ、別に俺はファルをナンパして来た訳では・・・まあ、いいや。
アリアにはとりあえず詳しい話は、今度するからと言っているとファルの方から話し掛けてきた。
『ねぇねぇ!マスターこの子達?不思議な感じがする。それに、私の事見えてるのみたいだね』
「わっ?なに、なになに?頭の中で直接声が聞こえてきた。ねぇ、あなたのお名前を教えて?私はアリアって言うの」
「あっ、私は未菜ね。そんでこっちがメイリちゃん」
「メイリです。よろしくね」
『うん、私はねファルだよ。よろしくね!アリア、ミナ、メイリ』
ファルはユウマの頭の上から離れ、アリアの目の前まで飛んで行き3人に挨拶をした。
「へぇ、ファルちゃんは、聖霊さんなの?」
アリアが、ファルに聖霊かと尋ねてみたら、ファルが考えてから内緒だよと言って4人でなにやら意気投合していた。
「ファル、みんなについて行って良いから、一緒に話しておいで俺はあそこで寝てるから・・・」
ファルに、アリア達について行きもっと話しておいでと伝えたら、解ったと言ってアリアの肩に乗って一緒に4人で自分達の簡易天幕の方へと向って行った。
ファルがアリアの肩に乗って未菜とメイリともに歩いて行くその光景を見送っていると、ふと思った。そう言えば未菜はフレイが見えていたから違和感は感じなかったが、まさかアリアが見えていて、そのうえメイリまで見えていたとはいがいだった。
その様に思いながらユウマは自分の寝床へと戻って行った。ある事を忘れたまま・・・。