84.偵察の報告。冒険者危機一発?
そうこうしていると、また冒険者の3人がクスクスと笑いながら小声で話していた。
「ゾンビだってよ、あれなら傷さえ負わなければ楽勝じゃねーか」
「あーあっ、信じてそんした。どうせ話を大きくして冒険者ランクを上げようと企んでるんじゃない」
「馬鹿じゃねぇーか。どうせ弱い単体ゾンビと戦った不利をして逃げて来たんじゃねえか」
だが、そのような冒険者達の言葉を無視して、構わず続きを話した。
「それがですね。・・・ゾンビの数は、《ゴクリ》・・・数え切れませんでした。凄くいっぱいいたので」
ユウマがゾンビの数はと、一旦止めて周りを見ていると、誰かが唾を飲み込む音が聞こえ、その後数えれなかったと答えた。
「はいっ?数え切れないとは、どういう事ですか?」
するとレオンが不思議がって、ユウマに質問をしていると冒険者の1人ゲートが笑いだし語った。
「ははっ、嘘つくならもっとましなっ《ドカッ》・・・イッテー!何しやがる小娘が」
アリアがたまらず、ゲートの足のすねを、我慢しきれず思いっきり蹴飛ばした。
「うっさい、この馬鹿冒険者が、ウゥーッ!」
ユウマはあわあわと思いながら。その威嚇して再度飛び掛って行きそうなアリアを捕まえた。
「おいおい、アリア!落ち着けって、それに未菜も、それはやばいから止めとけって」
未菜も何時の間に起きて、物凄い魔力の塊を上空に作り、いつでも【火炎爆破】をゲートに放てる状態に保っていた。
その2人を何とかなだめてから続きを説明した。
「えっとですね。とにかく沢山いたんですよ!レオンさん。その様な数のゾンビて、何処から現れるか解ります?」
ユウマは自分が見た大量のゾンビが何処から現れるか、レオンに確認してみたが首をひねり尋ねてきた。
「いや、今までそんな事例は聞いた事無いですな。沢山とは何十体ぐらいですか?」
「えっとですね・・・うーん、ざっとで百体以上ですかね?ホントにざっとですよ」
レオンとユウマが先程の続きでいったい何体いたのかと話で、百以上いたと話していた。すると、またゲートが俺達の話に茶々を入れてきた。
「出たよ、嘘つくならもっと・・・ヒィー!」
今度はメイリまでもが、怒って威嚇し飛び掛りそうになっていたので、ゲートは黙って女性冒険者ミリアの後ろに逃げ隠れた。
あっ、危なかった。メイリが威嚇しなかったら、未菜がさっきの魔法を再充填して放つところだった。どういう魔法の使い方してんだ。未菜奴・・・。
このときには、アリアを含めたメイリと未菜の3人が、冒険者ゲートを睨みつけながら、物凄い殺気を出し威嚇していた。
ちなみにアリアは、押さえていないと今にも飛び掛ろうとしている。
それを何とかアリアの両肩をつかんで、攻撃しに行かない様に捕まえ離さない様にしている。
まあ、メイリと未菜は大丈夫と思うけど、どちらかと言うとアリアより2人の方が危険である。それははっきり言って尋常ではない殺気を放っていて、正直言って俺自身も怖い。
それでユウマは、ある事を思い出してレオンに訊ねてみた。
「あっ、そうだ。レオンさんその時倒したゾンビ、いえアンデッド達の魔石ならありますが、それで解ります?」
「ああ、それなら個数を数えれば何体いたか解りますな」
「えっ、・・・数えます?たぶん大変ですよ。嫌になると思いますよ」
ユウマは、それはやめた方がと思いながらレオンに答えた。
「とっ、それはどちらに?今はお持ちでないのですか?」
「あっ、それなら俺のアイテムボックスに入っていますよ」
「あっ、そうでしたな。ユウマ殿はアイテムボックスの保持者でしたね」
そういえばアイテムボックスの事は、余り教えない方が良かったが、まあ、そんな事を気にする必要は無いか、とりあえず保管していた魔石を、焚き火をしている近くの広い場所に出す事にした。
「とりあえず、そこに出しますね。なんせちょっと大きいので」
「はっ?ユウマ殿大きいとはどういう事ですかな?」
「「「????」」」
レオンだけでなく冒険者3人とアリアとメイリも、不思議な顔をして俺の方に視線を向けた。未菜に関しては、今だ冒険者のゲートに、魔法をいつでも放てる様にロックオン状態のまま笑顔で睨みつけている。
だから、未菜怖いって、その笑顔は・・・とりあえず未菜が切れて今だ圧縮し続ける魔法を放つ前に出そうと思う。
そう思いみんなが確認出来るように、焚き火の横の広い場所に出した。