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80.剣と妖精。そしてその事情?

 恐らく先程の剣から発生した聖なる力の神々しい光で浄化、この世から消滅したのだろうと思った。


 それと先程まで眩しい程の光を放っていた剣が?・・・たしかに両手に持っていたはずの剣が、無くなっているのに気が付いた。

『あれ?・・・俺の剣が無くなってる。・・・何処いった?もしかして力を込めすぎて一緒に消滅したのか?・・・どうしよう』


 周りを見渡して剣を探していると、虹色に光輝く玉の様なものが、俺の前を横切ってから頭上に浮遊した状態で停止した。


『あれ?以前これと似たような光景を見た様な覚えが?なんだっけか・・・極最近同じ様な・・・』

 不思議に思っていると、目の前にいる虹色に光輝く玉が語り掛けてきた。

『会いたかった。新しい、そして運命のマスター!』

 頭の中に声が響き。先程の虹色に光輝く玉の中からフレイとよく似た、小さな少女の姿をした虹色のドレスを着た妖精が姿をあらわし、そして、俺の顔に抱きついてきた。


 顔に抱き付いていた、その妖精が少し離れ、小さくお辞儀をして、また語り掛けて来た。

『マスター、私の名前は、虹の妖精(レインボーフェアリー)のファル、またの名を聖霊(エレメンタル)(ソード)グランドファルシオンよ!私は剣より生まれた妖精で有り、七属性の守護を持つ聖霊でもあるの』

 

「なっ?・・・・なんですと」

 このとき、ユウマは非常に驚いて思わず声をあげた。何故かと言うと自分が購入した剣の正体が実はフレイと同じ様な妖精であり、しかも剣の正式な名が聖霊(エレメンタル)(ソード)グランドファルシオンだという事にだ。

 まさかと思っていたら、ホントに意識を持つ剣で、はたまた妖精へと実体化したからであった。


『わっ!びっくりした。マスターそんなに急に大声出したら驚いちゃうよ。で、何で驚いてるの?』


「いやいや、驚くだろう!なにかあの剣は・・・君なのか?それとも君が剣だったのか?妖精と剣どっちが本来の君なのか?でもさっき剣より生まれたって言ってたよな?どういうことだ?」

『マスター・・・一気に質問しすぎ。今の私は妖精(フェアリー)だよ。でもマスターが望めば剣にだって、もう1つの姿にだってなれるよ』


「ほほぅ、なら何で妖精(フェアリー)なんだ?・・・それに虹色の妖精(レインボーフェアリー)とか言ってたな」

『うん、実際には虹色の妖精(レインボーフェアリー)なんて種族はいないの、それに・・・・・』


 簡単に言うとファルの話では実際こうだ。

 むかし、ファルは守護短剣だったそうだ。それである都市を不思議な力で守っていた。そして、どこかの馬鹿がその短剣を奪い森に捨てた。

 その後エルフに拾われ大切に使われていたが、もう短剣としての役目を終え聖霊の泉に沈められた。


 それから泉に沈められ数年後、自我が芽生え泉から飛び出した。

 この時はおそらく妖精(フェアリー)になっていたのだろう。そして、いつの間にか、今度は剣の姿になって、勇者と共に平和のため戦っていた。

 勇者は、ファルである剣の事をグランドファルシオンと呼んでいた。何故かは解らない。

 もともと短剣の時は、ファルシオンとエルフに名付けられており、剣の時には不思議とグランドファルシオンと勇者に名付けられていたからである。


 そして、勇者は使命を果たして戦いを終えた。でも、なぜか剣だっただけは、勇者の家系の家宝として大切に保管されていた。


 だがあるとき、その勇者の子孫が何を思ったのか、間違って剣であるファル売り払ってしまっていた。


 その後は、聖霊の力を宿った強力な剣として、何度か持ち主が代わり・・・ついにこの剣を悪用した主がいて最大の悲劇がおとずれた。ファルは、この様な悲しい悲劇を起こさない為に自分の意思で己の能力と自分の意識を封印してしまった。


 自分で封印を施したのは良かったのだが、数年経っても封印の解除できる優しい心を持った者は現れず。また現れても力が無いので封印を解けない等を繰り返し、持ち主を点々としていた。


 ファル自身も、何も考えなく自分で封印した為、自分ではどうにも出来なく、少し後悔をして今まで、ただの長剣の姿のままだったそうだ。


 そして、ついにやっとの事で、運命の人、マスターとなれる人物が現れた。それが今目の前にいるユウマだった。


 今まで何度も、冒険者の人達にアプローチをして来たのだけど、その殆どが期待外れで封印まで解ける人達はいなかった。


 しかし今回ファルは、あの商業ギルドの売店で、自分達に近付いてきたユウマ達の事二期が付き、すごい安らぎと純粋で優しい力と聖なる気を感じていた。それでどうしても気付いて貰う為に、殆ど自分で封印してしまった意識を、どうにかして必死にアプローチをした。


 だが、残念な事にこの時のユウマの意識は、刀の子の方に向き、その子を手にしていたので、『ああ、この人もやっぱり駄目か』と諦めていた。そしたら何故か自分事を手にとって最終的には購入してくれた。

 このときは意識と感情は表に出せなかったが凄く喜んだ。しかもあの刀の子達と一緒にでだ。

 これはもう運命としか思えないと感じてだけど、実際にはそんなに甘くないよねと半分諦めていた。

 何故なら、そんなに戦闘というか戦いにおいて、ユウマは剣を無闇に使おうとしなかっあからである。

 そんな矢先に彼、ユウマは何故か決闘をさせられて、武器を持たずに戦っていた。


 その様子を彼の持つ水晶のアイテムボックス内からでも、何故か彼を感じる事ができ何が起こっているのかが解っていた。

 そしてさすがに、それはないとも思っていた。


 できる事なら私か刀の子達を使ってくれれば、などと淡い期待を寄せていたが。彼は、おそらく決闘している青年を、傷つけない様に戦っている事が解った。


 やはりこの人は優しさを持つうえに、強力な力を他人に向けるような事をしない人なんだと思っていると、その相手の青年は卑劣にも卑怯な手を使ってきていた。

 それなのに、危険な状態に陥って自業自得な、その人を助ける為にわざわざ危険な場所に飛び込んでいきその人を助けた。


 そしてファルは、この人と一緒に戦いたい。それも倒す為じゃなく、守る為にどうか私を使って欲しい、そして、貴方と共にいさせてと願った。

 すると私を、グランドファルシオンを取り出して使ってくれた。


 今までに無いような魔力と聖なる力、それに何故か安らぎを感じる力を込めてくれた。

 そして、ついに封印が解けるかもと思ったのだが、一瞬彼が躊躇した何故かと思ったら私に、剣の表面に亀裂が入っていたのに気が付いたからだった。


 この時、ああ彼はこんなにも優しく、そして私に対しても、気遣ってくれたのだ。ここで止められたら・・・もうチャンスが来ないかも知れない。

 だから彼を守れるならこんな刀身なんていらない、私に、貴方の力をと願った。するとその願いが通じて今まで以上の優しいそして力強い力を感じて、私がと言うよりも今まで覆っていた何かが弾けて、今まで以上の、そして過去で味わった事の無い力を感じて封印が解かれて完全に目覚めた。


 この時、ああっ!やっと私の封印を解ける人が、私の新しいマスターが現れたと思いつつ意識が薄れていったとの事だ。


 それはあまりにも強力な力の目覚めであり、その上長い間、力を解放できなかった反動で、目覚めと共に先程まで違う意味で寝ていたそうだ。


 そして、ユウマが【聖光気】を開放したと同時に、先程再び目が覚めて現在に至るそうだ。

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