74.見張り番まで仮眠を取ろう・・!
夕食を皆で食べた後に、ユウマは早めに仮眠を取り、見張りに備えようとした。
そのため未菜達にも、仮眠をとって自分達の見張りに備えようと声をかけた。
「未菜、それとアリアとメイリ。見張りの時間まで仮眠を取ろう」
「えっ、もう寝るの?ユウ兄・・・」
すると未菜は、何故か不思議がっていた。
「今のうちに寝とかないと、後々キツクなるぞ」
「うーん?うん、解ったよユウ兄。いこっ、アリアちゃん、メイリちゃん」
「あれ?ミナちゃん。でも、さっき・・・?」
「しーっ、アリアちゃん。今は黙ってて」
何か隠しているな。未菜のやつ・・・まあ、たぶん大した事じゃないだろうし、あとでキツイ思いするのは、自分だけどな・・・ほっとこう。
ただ、アリアとメイリを巻き込むのはよして欲しい。
そして、3人はしぶしぶとユウマの言葉に従い、自分達で作った寝床の場所に向かっていると、途中で一緒に中番の見張りをする、女性騎士のセリカに声を掛けられていた。
「ねえ、ねえ、ミナちゃん」
「ほえっ?どうかしましたか、セリカさん?」
「うん、あのね。あなた達さ仮眠を取るならこっちの天幕に来ない。たぶん、あなた達の場所じゃ、寝れないと思うわよ」
そう言われて3人は、自分達の寝床の方を見てみると確かに明るすぎるうえに、見張りに関係ない人達が近くで話しをしていたのであった。
「セルカさん、すいません。お邪魔します」
「「お邪魔します」」
「うん、いいよ、どの道みんな、もう寝るから問題ないよ」
セリカから誘われて女性騎士達の天幕で、一緒に仮眠を取るようにしたみたいだ。
ユウマ自身も天幕などは無いので、最終的にシルフィー一行の準備していた荷馬車の、後ろ部分の開いているスペースを借りて、寝床を作ってそこで仮眠を取る様にしていた。
何故ここで仮眠する事になったかは・・・・。
最初は、男性騎士達の天幕に来るように言われていたが、騎士達の人数が増え天幕の中が若干狭くなっているのと、夜中に出入りする時に、迷惑をかけたくないので外で仮眠を取ると最初は伝えていた。
すると、シルフィーが自分の馬車で仮眠を取るように進めてきた。
「ユウマ様。それなら私共の馬車の中で仮眠を取ってはいかかがですか?」
「いや、流石にそれは・・・ん?ここってシルフィーさんも寝るんだよね?」
「はい、私とレーネはここで寝る事になってますよ。それにここは4人までなら、寝れるようになってますので問題ありませんよ」
「シッ、シルフィー。あの、それは・・・」
シルフィーさんは平気な顔で俺に寝床を勧めて来てくれたが、レーネさんの方は微妙な顔をしていた。
「えっと、流石に女性と同じ寝床を使う訳には・・・・すいません。お断りいたします」
だが流石にシルフィー達の寝るところで仮眠を取る訳にはと思って、丁重にお断りした。
そしたら何故かシルフィーに残念そうな顔をされた。
「そうですか・・・とても残念です。いつかは・・・」
最後らへんは、小声で聞き取れなかったが、レーネさんには聞こえたようで、流石にそれはと言いかけていた。
「あっ、それでしたら、ユウマ様。荷馬車のうしろが今回の荷物を降ろしましたので結構なスペースが出来てましたよ。そこをお使いになれば」
レーナさんが荷馬車の後ろに開きスペースがあるので、そこを利用して仮眠スペースを作ってはどうかと提案してくれた。
それでそのスペースを確認してみたら、それなりのスペースがある。
「ここを使ってもいいでしょうか?」
「はい、野営中でしたら問題ありませんよ、元々天幕等を置いていたスペースなのですから」
「じゃ、ここを使わせて貰います」
なので、ここを借りて良いか確認したら、問題ないみたいなので、ここで仮眠を取るようにしたのだった。
荷馬車のうしろで仮眠を取るため、トライアで購入していた毛布と敷物を出して準備をしてから寝ようとした。
それから仮眠を取ろうと、目を閉じて眠りについていたら、何故か紅の妖精のフレイが俺の元に来て、お腹の辺りに丸くなって眠りだしたのであった。
このとき、ユウマ自身も何時の間にか来ていた、フレイに気が付いていなかった。
それにフレイも、何故かユウマの放つ不思議な気の波動に安堵を覚え、実は毎回就寝時に姿を表して、寝ているユウマのお腹の上で寝ている状態だったのだ。