67.決着は付いたが・・・?
この時ロベルトは、馬鹿な行為をしたリスティに対しても駄目だと思っていたが、まさかそれを一番被害を受けていたはずのユウマが助けに行くとは思ってもいなかった。
しかもそれがまさか己の身を危険にさらす行為までして助け出すとは、思いもよらず、そのユウマに対して凄く感謝をしていた。
それからもしこの場所でユウマに何かあった場合は、領主の権限で必ず命を救って見せると心に決めて、最悪の状態に備え先程の命令を出した使用人とは別の使用人と、近くにいた騎士たちに新な命令を出した。
シルフィー達もまさか一番の原因であるリスティを助ける為に、ユウマがそんな行動に出るとは思わずにいた。それにこのままではユウマ自身が大変な目にあってしまうと思い。
その場で立ち上がり何か有った時に、すぐにユウマの元に駆けつけ手当てできる様にしていた。
その瞬間先程ユウマがいた中央付近というより、強大な魔力と聖なる力が膨れ上がり弾け飛んだ。
それからシルフィーが、そのユウマが居たであろう方向に視線を向けてみたら、そこには光輝く剣を持ったユウマが、炎の竜巻をすべて打ち消し何事も無かったように、その場に立っている姿を確認したのであった。
その光景を見て驚き、そして無事な姿を見て涙を流し喜び、安堵してからユウマの元に駆け出していた。
そのシルフィーを追うようにレーネと、領主であるロベルトも一緒に駆け出していった。
この時ユウマはまたとんでもない事をやらかしたと『はあぁっ!』と盛大にため息を吐いて剣を鞘に納めた。
この剣は、また・・・とんでもない代物ではと思いなが、まじまじと良く見ると・・・剣の姿と柄部分が購入した時と形が変化してるのに気が付いた。
そして何とも言えない神々しく輝きを放つ翼の様な形の柄と、鞘の上からでも解るほど刀身部分が薄く綺麗な虹色に輝いているのが良く解った。
あれ?そう言えばあのときこの剣が語りかけてきたような気がしたがと思い。
剣の鞘をやさしくコンコンと叩いたら、先程変化していた柄の部分が光り輝き、そして購入した時の元の形状に戻ったのであった。
この時ユウマはこの剣がどうなっているのか解らず、またとんでもない物を手に入れてしまったと考え、先程の事を思い出し、そして空を見上げて考えた。
どうしよう!逃げるか。でも・・・?逃げれ無いよな・・・・。
ユウマが空を見上げながら黄昏て悩んで考えている所に、シルフィー達が駆けつけて近づいて来ていた。
そこへ一番最初にシルフィーが、駆け寄って来てユウマに飛び付いた。
その行動に驚き転倒しそうになったが、何とか耐えてシルフィーの体を抱き支え顔を見たら笑顔で半泣き状態でユウマに語り掛けてきた。
「ご無事でよかったです。ホントに貴方が無事で」
その様に涙ながら語ってきた。
ちょっと恥ずかしかったが、ここはシルフィーの好きなようにさせ様と思った。
それにちょっと心配させ過ぎたかなと、反省しつつ周りの様子を伺っていると。
レーネさんも飛び付いては来なかったが、ユウマに近づき笑顔でホントに無事でよかったと語り掛けてくれた。
その後ろでロベルトが笑顔でユウマに礼を言いながら語り掛けた。
「ありがとう。馬鹿な事をやろうとしたリスティと、執事のセバリオの命を救ってくれて。それに何より君が無事でホントによかった。もし君に何かあったら悔やみきれんし、シルフィーに何を言われるか・・・」
領主ロベルトのリスティと言う言葉に、ユウマはある事を思いだしシルフィー達に、ちょっとすいませんと言って解放して貰い、蹴飛ばしたリスティの元に歩いて行こうとした。
この時シルフィーは、名残おしそうに手を離しこちらを見つめていたが、ユウマは視線を向けすみませんと言い離れた。
先程は助けるためとはいえ蹴飛ばしたリスティは、大丈夫だろうかと思い近づいていくとことにした。
するとみんなも、ぞろぞろとユウマのあとを、追うように付いてきた。
みんな何故かリスティを心配していないし、誰一人彼の元には行っていないので不思議だった。
しかも叔父である領主のロベルトも、心配はしているが不思議と、そのリスティ元にいってないのだ。
この時、よほど日頃のおこないが悪いとは言え、若干リステーが気の毒になってきたユウマであった。
それからリスティに近づき彼の様子を見てみると・・・これはまたひどい状況であった。
「あちゃー、大丈夫かな?こいつ・・・」
ユウマがその言葉を漏らしたのは理由があった。
ユウマが蹴飛ばしたリステーは、彼が先程外したフルプレートの鎧と大盾があった所で見事にそこに突っ込んだ状態であり、しかもその場所には、頭から突っ込んで見事に大盾に頭を打ち付けている状態であったのだ。