66.ピンチのあとには・・・?
このときユウマは、このままじゃ間に合わないと思い。
リスティを炎の竜巻、火災旋風の影響を受けないところまで蹴り飛ばす覚悟で、彼の前までやって来て威力を最小限に抑え、勢いをつけたまま体をひねり、回し蹴りで彼を後方に蹴り飛ばした。
そして間一髪、間に合い自分も危ないと思い、この場所で【聖光盾】を使ったが、どうやら魔力を防いで動きは止まったが火災旋風が消えていかない。
流石にここも、熱風だけで周りが熱くなってきて、地面とかが溶け出していた。
こりゃ・・・やばいぞと思ったが、以前のサイクロプスの戦闘で横槍を入れてきた魔法を切って霧散させた事を思い出し。
その応用で火災旋風を切り消せないかと考えていた。
そして、アイテムボックス内に収納していた長剣、グランドファルシオンを取り出した。
そのグランドファルシオンを構え、魔眼を使用して以前行なったように、剣に炎の様なオーラを纏わせる為に気合を入れた。
このグランドファルシオンは冒険者ギルド内にあった、商会ギルドの販売店で買った剣なのだが、何故か安値で刀と一緒に購入した。
購入する前も、そして今現在もどうも不思議な感じがしている。
購入する時も、店主が刀の方は扱いきる者がいないから、厄介払いで安くしてくれたのは解るのだが?この長剣・・・このグランドファルシオンの方は良く解らない。
店主曰く持ち主を選ぶ為、売れても扱えないと言って、買い手がすぐにまた売りに来てしまう厄介な品物だと言っていた。
ユウマは購入する前に試しに【超級解析】のスキルを使用したが、初めて【超級解析】で解析できない品物を見た。ついでに【真理眼】でも確認したが【超級解析】と同じ様な結果になっていた。
何せ剣の銘柄以外不明で、材質も能力も何も解らないすべて不明と表記されていた。
ただ最後の方に記載されていた表記は、剣自身で封印と表記していたのだった。
しかし実は購入する前からユウマは、不思議とこの剣にひかれていて何故か気になっていた。
それに今回は何故かこの剣を使ってみようと言うより、剣自信が使って欲しいと願った様な気がしていた。
そんな事は無いはずだけど昔、剣術を教えてくれていた師匠から長く大切に使われた物には、魂が宿る事もあると聞いた事を思い出していた。
だがこの剣には魂が宿ると言うより元々意志があり、自身で何らかの理由で封印しているのではと、思い今回は剣の不思議な現象に賭けてみようと思っていた。
そして、できるだけおもいっきり力を、魔眼の力を解放して気合を入れた。
すると剣の表面にヒビ割れが《ピキピキ》と音をたてて入ってきたので、気合を入れるのをやめようとしたら頭の中で言葉が響きわたった。
『だめ!やめないで。そのままあなたの力を・・・私に!』
ユウマは、「えっ!」と言葉を出して周り見渡した。
それから頭を傾け疑問符を浮かべ、その言葉とおりにヒビが入るのを、構わず気合を再度入れとき放った。
するとピキピキ再び表面に無数のヒビが入り、最後には剣の刀身の表面が・・・パキッン!と音を立てて砕け散った。
そこには今まであった刀身の下から新に光輝く剣の刀身が現れ、今まで以上の輝き放ち炎の様なオーラを纏ったのだった。
そうここにグランドファルシオンの本当の姿、自身の封印を解いてユウマを新な主と認めた瞬間だったのである。
そして、ユウマはそのグランドファルシオンの力を借りて、目の前に発生した炎の竜巻、火災旋風を一刀両断して切りつけたのだ。
その瞬間、何もなかった様に炎の竜巻が消え去ったのであった。
この光景を見る前に全員は、炎の竜巻を目の辺りにしてユウマがリスティを庇って後方に飛ばし助けた所を見ていた。
それを見たものすべての人が、口節に何故そこまでして彼を助けたのか分かず困惑していた。
だがその行動は自分を窮地に陥れ、今度は自分自身が危険な目にあうのではと、皆そう思っていた。それからそんなユウマの最後は見たくないと、目を反らす者も多くいたのだった。