56.商会ギルドの販売店で買い物?
商会ギルド区画には、販売店やら買取りカウンター、それに冒険者ギルドみたいな受付等があり、専属の専門店なんかも複数あった。その中で武器や防具等と色々な道具類も売っている場所を発見してその中に入っていった。
そこでユウマは、自分にあった武器を買おうと色々見てまわった。そこで一本の日本刀みたいな刀に目がいき、それとは別のもう1本、西洋風の剣の存在にも引かれていた。
ユウマが最初に目に入った刀は、間違いなく日本刀の部類であって、それを手に取って鞘から刀を抜いてみた。すると何故かすっきりと手におさまる。
「ほう、お前さんはその武器が気になるのか?それは刀と言ってな・・・ん?お主知っとりのか?」
「ええ、まあ故郷にある物と同じ物なので、それに扱い方も」
「ほう、そうか。それはなある鍛冶屋が旅人に頼まれて作った物だが、どうもその2本は気に入らんかったのか、他の物は持っていったがその2本だけ置いていってしもうた。それにその刀は、扱いが難しいらしくまったく売れなくて困っとたんだ。おっ、お主扱いきるなら買わんか? もう1本あるから、おまけして2本で金貨1枚でどうだ」
「えっ!・・・これと同じ物がもう1本あるんですか?それは何処に?」
「おっ!ちょっと待っとれ、奥にしまっておるから取ってくる・・・」
店主さんが、もう1本の刀を取りに奥へと消えていった。
その間にユウマは、刀をカウンターにおき、先程気になっていた剣の方に向かい、その剣を手にとって見ていると、何故か不思議な感じがしていた。この感覚はなんだろうと思っていると、奥に行っていた店主が戻って来てから残念そうに声を掛けてきた。
「ああ、なんじゃやっぱり刀じゃ無くて、その剣の方が良いかのう」
「あっ、いえこの剣がなんか不思議な感じがしまして」
「ほう、なら青年よ、この刀2本とその剣をセットで金貨2枚で買わんか?」
店主はここぞとばかりに、ユウマに刀2本と剣をセットで売ろうとしてきたが、はっきり言って相場が解らない。そう思っていると【真理眼】の能力か何か解らなかったがその刀と剣の相場が目の前に表示されていた。
「ちなみに、もう少し安くなりません」
その様にユウマは声を掛けたが、実を言うとこの3本の武器には値段が表示されているところが文字化けの状態になっていたのである。しかもこの3本だけがその様な表示になっていて、他の武器関係はちゃんと表示されていた。
それで試しに値切ってみた。
「うーん、流石にこれ以上は、これでもかなり安くしているのだがな。ならその嬢ちゃん達が持っとる、アミュレットと腕輪を込みでどうじゃ」
店主がユウマの値切りのもう一声に対して後ろの方で、未菜とアリア、それにメイリがこれ綺麗だねとか、良いなぁなどと3人で喋って、手に取っていた物を付けてくれると言った。
なので、とりあえずその小物類の相場を見てみると、1つ銀貨1枚から2枚だった。だがよくよく考えると3人分だと下手をすれば金貨1枚程度になるぞと思ったが、そこは言わないようにした。
何せその子物というかアクセサリーを入れている箱には、銅貨2枚と書いていたのだ。
「どうしたの?ユウ兄」
「ユウ兄様、これ良いと思いません」
「ユウ兄これ素敵でしょう」
すると3人共、先程手に持っていた物を付けて見せに近付いてきた。
それでユウマは納得して店主に、向けて声をかけた。
「解りました。その値段でお願いします」
そう言って刀2本と剣を1本、それに未菜達の持っているアミュレット3個と腕輪3個の合計を6個をまとめて金貨2枚で購入する事にした。
3人は、凄く喜びユウマに抱き付いてお礼を言い、それぞれ腕輪とアミュレットを身に着けて終始ニコニコ笑顔で機嫌よく、ユウマの前を歩いて先程の冒険者ギルド会館の受付へと戻って行った。
その頃やっとユウマ達4人が、いなくなっているのに気が付かず、ユウマに話しを振ろうと声を掛けた。
「ユウマすまんが・・・・・?」
このときやっとグラントがユウマを呼んだ事により、そのユウマがいない事にそこにいた全員が気が付いた。
「えっ、おっ、おい、ユウマは何処に行った?みんな」
「えっ、ユウマならさっきまでそこで、ミナ達と話してたけど?あれ、どこにいったのかしら」
グラントの質問に先程までユウマの近くにいたフィリアが、グラントの質問に答えたが当のユウマはもちろんミナとアリア、それにメイリの3人の姿まで見えなくなっていたので、そこに居た関係のある全員が探し始めた。
その頃に商業ギルド区画から宿舎区画を通り、ユウマ達が冒険者ギルド会館の扉を開け戻ってきた。
「およ、みなさん慌ててどうしたんですか?何かあったんですか?」
扉を開け放つとそこにいた全員が慌てていたので不思議に思い、声を掛けた。すると、みんなが一斉に「何処の行っていた」と怒られたしまった。
はっきり言って何故怒られなければならない。元はと言えば俺達を蚊帳の外に放り出し自分達で勝手に話出したんじゃ無いか、一応その様に抗議をして納得して貰い、こちらも謝るとみんなも謝ってくれたので、これ以上何もその事に関しては何も言わないようにした。
それで、ユウマ達に詳しい依頼内容は騎士隊隊長であるレオンさんが聞いているので、今日はこれから宿に向かう事になった。
それでもちろん、アリアとメイリもユウマ達と一緒で問題無い事になり、一緒にいく事になった。
そして、宿屋に付きここでまた驚きの声が上がった。何せ非常に綺麗で見た目も良い宿屋であることは解るが、アリアとメイリは何故か非常に喜んでいた。
何故か2人に聞いてみた。
「実は私達、ここに来るまで何度か宿屋に泊まったの。でも、どれも汚くて。値段も高いし、ご飯も美味しくなかったの。しかも、もう・・・」
「ん?どうした。アリア?」
アリアが話している途中で言葉を詰らしたので、心配になってユウマが声を掛けた。
すると何故かアリアは目を潤ませていた。
「えっと、ですねユウ兄様。実はもう私達宿に泊まれる程のお金をもう、持っていないんです。実は・・・・」
「はっ、なんで?どういうこと?」
この後、2人に事情を聞くと今までの宿屋は余りにもひどく、最初に宿代を払ったはずなのに食事の代金は別に取り、そのうえ身体を拭く為の水も有料で最後に宿を出る時にまたお金を払わせられたそうだ。しかも、どこの宿でもそんな風にされてここに来るまでに殆どが宿代で消えてしまったらしい。
ちなみにその時に掛かった宿代を聞いたら一人大銀貨1枚で、それに経費が付き金貨1枚掛かっていたそうだ。その話しを聞いた後にこの宿の値段は流石に聞いてみようとは、アリアトメイリは思わなかったようだ。
しかし後でこの宿の値段を聞くと大変な事が解った。はっきり言おうアリアとメイリは、完全にカモられて、大金をぼったぐられていたのであった。
ちなみにこの宿の一般的な値段は、一泊銀貨2枚程度で必要経費を入れても銀貨3枚程度であったのだ。
その事はとりあえず内緒にしておき、今は宿屋に入り部屋を割り与えられた。
それで今ユウマは、自分に割り与えられた部屋に来ていた。
ちなみに何故か未菜も同室であり、そしてアリアとメイリの2人は同室の部屋で俺達の部屋の隣の部屋である。
そして、ユウマは何か忘れていると思いながら考えていると、夕食に誘いに来たレオン達と共に食堂へ来ていた。