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49.ギルマスからの試験結果とお願い?

 グラントは自分と全員の汚れを見て不思議に思った。

「おお、そんなに汚れてるか?まあ、良いんじゃないか・・・がっははは・・」

「そんな訳にはいかないでしょ!本当にもう大雑把なんだから・・はぁ」

 豪快に笑うグラントを、フィリアは冷たい目で見つめて答えため息をはいた。

 

「もう、しょうがないわね。ちょっと待てなさいよ。あなた達」

 フィリアがみんなにそういい残して、扉を開けてから誰かに声を掛けて呼び寄せた。


「ねぇ、お願いがあるの。ちょっとこっち来てちょうだい」

「なに、おねーちゃん?」

 するとそこのヨーコさんが現れ、部屋の中を覗いた途端に驚いて声を漏らした。


「えっ!おねーちゃん。何でみんなボロボロで汚れてるの?おまけにギルマスまで?」

「えっとねっ、かくがくしかじかで色々あってね。この子達のテストしてたのよ」

「えっ、ギルマスが直々に? ギルド職員の上級冒険者がする事でしょう。何でまたギルマスのグラントさんが」

 ヨーコが何気に信じられない言葉を言ったような気がして、少女達が一斉に声をだした。


「「「えっ、えええ!そっ、そうなんですか?」」」

「ええ、そうよ普通は、ギルド職員が簡単な格闘技術や魔法を見てその人の適正を判断するだけなの、それからその人に合った訓練方法や能力判定を行うものなのよ。そして場合によっては試練と言う名の修行、探索(クエスト)をさせてランクを判定するのよ。でも今までギルマスが判定するなんて聞いた事無いわ」

 ヨーコが冷やかな目でグラントとフィリアの顔を見ていた。


「うっ・・・えーとな、ただ俺が暇だったのと、ちょうど面白いやつらが来たからな。がっははは・・」

「もうー、お姉ちゃんも、何で止めなかったのよ」

「えっ!だって私、ここの責任者じゃないし、私も実際この子達、特にユウマ実力を見てみたかったからね。あえて止める必要無いかなっと思ったの。まあ、もっとも本音は面白そうだったからかな♪」

 などと聞いてはいけないような事実を聞かされてしまった。


 その話を聞いた後に、ヨーコさんが全員に向けて、生活魔法である【清潔(クリーン)】の唱えてくれた。

 すると先程まで汚れていた服や体が一瞬で綺麗になった。

 それを確認してヨーコさんにみんなでお礼を言った。

「ヨーコさんすみません。おかげで綺麗になりました」

「「「ありがとう御座います。ヨーコさん」」」

 俺が最初にお礼を言ったそのあとに続いて3人もお礼を言っていた。


「よっし、みんな綺麗になったことだし、それでは改めて俺はここトライアで冒険者ギルドのギルドマスターをやっている、グラント・フルフロートだ」


「それで、私はシルフォード公国の冒険者ギルド、そこのギルドマスターをやっている、フィリア・フィーリスよ、よろしくね。あっちなみに私がここに居るのは、妹のヨーコを迎えに来たの」


 フィリア曰く、今まで不在だったトライアのギルマス付きの秘書が新しく見つかったので、ヨーコが晴れてシルフォードに戻れる事になった、それでギルマスであり姉であるフィリアが迎えに来たそうだ。


 実のところを言うと、たまたま今回このトライアでギルマス恒例会議が行なわれ、ちょうど2日前に終わりトライアの新しい秘書も早々に決まったので、フィリアはヨーコと共にシルフォードに戻ろうと考えていたらしい。しかし実際、今日まで申し送りと、あと処理で時間がかかってしまい、やっとそれが今日中に終わる予定なので、明日には戻る事になっていたと説明をしてくれた。


「まっかたい事は無しにして、お前達は全員合格だ!昇格は認めよう。まあ、嬢ちゃんたちは既にフィリアにきいたと思うが、ミナ嬢ちゃんとあんちゃんは別格だ。それでホントはあんちゃんはS級でもいいんだが、規則上B級以上に上げるには特別なクエストをクリアして貰わないといけないんだ。だからそれを受けた後なら昇給を認める。すまんがそれまでB級で我慢してくれ」

 

 アリアとメイリはその言葉を、今度はグラントから聞き喜んでいた。そして未菜(ミナ)の方も自分の力を認めて貰った事に喜んでいた。


 その光景を微笑ましく見ていたユウマに向けて、グラントが少しお願いがあるのだがと言葉をかけて来た。

「ユウマすまんが嬢ちゃんら、特にアリアとメイリの事を鍛えてやって欲しい。この娘らの昇格は認めるが・・」

 ユウマが、もしかして俺の昇格に必要なクエストなのかなと考えたが、どうも様子が違うようだ。


「いやな、どうもアリアとメイリは、合格でD級とは言ったが現状危なっかしい。でだ嬢ちゃんらの面倒をお前が見てやって欲しいんだが?どうだ」

「えっ、でも俺っ?」

「ああ、お前の事情はフィリアにおおまかに聞いてる。それをふまえてのお願いしたい。もちろん断ってもかまわん」


「いや、断ってもかまわんって。この娘達の目の前で言います普通。はあ、まあ、でも今俺達もフリーじゃ無いんで、依頼者に相談してからで良いですか?」


「ん?そうか、それでかまわん。取り合えず前向きに考えてくれ」

 グラントにそう言われたが、とうのアリアとメイリは何故か目をキラキラさせて期待の眼差しをユウマに向けていた。

「ユウ兄、もう、仕方無いと思うよ。私は別にアリアとメイリ、2人とも一緒に行くのはいいけど・・・・。うん、今はこの先は言わない」

「はっ?何、その最後の方は凄く気になるんだけど」

「いいの、いいの。それよりどうするの?」

「まあ、とりあえずシルフィーさん達に相談してからかな」

 そうユウマが答えると2人は先程まで期待の眼差しで、こちらを見ていたが一旦保留となった途端に「そんなぁぁ」とうなだれてしまった。


「ユウマ、そのアリアとメイリの件だけど私からもお願いするわ。多分ミナはあんたの身内みたいだから心配ないだろうけど、2人の事はできるだけ前向きに考えてお願い」

 結局フィリアからも、再度アリアとメイリの面倒を看てくれとお願いされた。

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