41.ギルマスの部屋へ?
受付を済ませ晴れて冒険者に登録は出来たが、今は俺達のステータスや称号に問題があったとされて、ギルド係員の女性に連れられてギルマスの部屋に向かっている。
そして、大きな扉の前までやって来て、係員の女性が躊躇無く扉を開けた。
えっ!普通入る前にノックとかするよな。なぜ、この人は躊躇せず扉を開けたぞ?
大きな扉を開け放ち係員の女性が入って行ったので、それについて中に入るとその先にはまだ廊下があり、その突き当りには先程よりも豪華な扉があった。
その豪華な扉の横には、ギルドの入口付近にあった受付とは違い豪華な受付のデスクがあり、そこには女性が2人座っていた。
1人は狐耳の獣人で金髪ロングの瞳が緑色と赤色のオッドアイの女性と、もう1人は銀髪ロングの背中に羽の生えた見た感じ天使の様な女性だった。
しかし今更ながらこの冒険者ギルドの女性陣は、多種多様な人達がいて非常に美人で綺麗な人が多い気がしていた。
すると狐耳の女性が、こちらにやってきて挨拶してきた。
「失礼いたします。わたくしギルドマスター付き秘書を仰せつかっています。ヨーコと申します。これよりギルマスの部屋に御案内させていただきます」
秘書のヨーコさんは俺達に頭を下げてからギルマスの部屋の扉の前に案内してくれた。
「では、こちらへ」と言って豪華な扉の前に俺達をたたせて扉を《コンコン》とノックしてから室内に声をかけた。
「失礼します。お客様をお連れしました」
ヨーコさんがそう言って、しばらくすると扉が《ガチャリ》と音を立てて自動で開いた。
それからヨーコさんについて行き中に入ろうとして、一旦振り返り先程の係員の女性に頭を下げてお礼をしたら、小声で「ユウマ様!頑張ってください」と言っていた。
何故そんな事を言うのだろうと、首をかかげながらユウマは室内に入っていった。
ギルマスの部屋である、マスタールームに入ってすぐに2人の人物が中にいた。
室内にいたのは、1人はヨーコさんと同じ狐耳の獣人であるが、尻尾が九本ありヨーコさんと同じオッドアイで、こちらは可愛らしい女性というより少女、いや幼女だった。
もう1人は筋肉隆々のいかにも歴戦の兵って感じの大男であった。
その室内にいた2人に、ヨーコさんが近づき俺達の事を説明して資料を渡した後、扉の方まで戻って行き頭を下げた。
「それではギルマス、私はこれで失礼いたします」
ヨーコさんが頭を下げ、部屋を退室したのち扉がまた自動でしまった。
それを確認したあと筋肉隆々の男性が、俺達に向けて話しかけてきた。
「今からお前達のテストを俺が行ってやる。本気でかかってこいよ、そして死ぬなよ」
笑顔で物騒な事を言い、側にあった台座の水晶に手を置き「転送」と言葉をかけた。
すると先程まで部屋の中にいたはずなのに、何故か外というより闘技場みたいな場所に立っていた。
「まず、嬢ちゃん達からだ。ちょうどいい3人一緒にかかって来い。俺が直々にテストしてやるからな。それとあんちゃんはそのあとだ、端の方で見てろ」
筋肉隆々の男性が未菜とアリア、そしてメイリに3人で来いと言って挑発した。そして、ユウマには端で見ている様に指示を出した。
ユウマは仕方なく歩いて端の方に向かっていると、筋肉隆々の男性が3人に向けて声をかけた。
「嬢ちゃん達。武器はそこに有る物を自由に使ってかまわん。さっさとかかってこい!」
「うへ、マジで?」
「なんで、こんな事になってるの?」
「ええ、どうしようアリアちゃん」
未菜とアリアに関してはなんでこんな事になっているのか目を白黒差せて驚いていて、メイリはアリアに話しかけオロオロとしている。
「さぁ、嬢ちゃん達。さっさと武器を持ってかかってこい!」
しぶしぶ3人は、武器を選び筋肉隆々の男性に向けて構えたのであった。