4.少年二人なかば強制転生・・・?
おっと、女神様は俺たちのやり取りを律儀に待っていてくれたのか。
「「「「「すっ、すみません、続きをお願いします」」」」」
みんなで頭を下げ謝罪してから、続きの説明をお願いした。
「コホン、えーと、それでは続きを説明させて貰いますね♪ まずは早めにあなたたちの混乱を避けるために、不運にも巻き込まれた方を発表いたしますね。それは・・・・」
「「「それはっ・・・《ゴクッ》」」」
みんながフィーナ様に、視線を集中させて誰の名前を呼ぶか言葉を待った。
「・・・・あなたです・・・・」
フィーナ様が、俺に近づき両頬を両手で覆いながらそう声をかけてきた。
「はぁへぇ・・・・?」
まの抜けた声を出して、ユウマは目を瞬かせ呆けた顔をした。
「だからぁー、桜花 ユウマさん、あなたが召喚に巻き込まれた人なのですよ」
再度、巻き込まれたのが俺であると説明をしてくれて、いったんそこから離れ、みんなの頭上へ舞い上がった。 そして、またその場で浮遊した状態で説明の続きを話してくれた。
「さて、続きを説明させて貰いますね。 まずは桜花 未菜さん、結愛さん、結城 唯香さん、そして春風 鈴香さん、あなたたち4人は残念ながら未来予見では、事故に巻き込まれ死亡するはずでした。しかしユウマさんが#唯香さんを助け愛美さんの乗る車の軌道を変えた事により、不思議と大事故そのものが無くなりました。 そして、不思議と事故での死亡者ゼロという奇跡みたいな事が起こりました。 実は、事前に解っていれば様子を見る事も出来たのですが、もうその時は既に召喚の儀式が完了していたので、停止できず皆様を召喚してしまったと言う事なのです。 また・・・」
女神であるフィーナ様が、腕を組んでウンウンと首を縦にふって説明し続けていた。
しかし、ユウマは自分が巻き込まれたと聞かされて考え込んでるうちに、次々とフィーナ様が詳細を語っていた。 だがユウマ自身には、ほとんどの説明が頭に入らず違う事を考えていた。
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ユウマが真面目な顔で、色々と考え込んでいたら。
「すみません、フィーナ様。 死者ゼロてっ、あそこのほら、あのおバカ1号とおバカ2号は、死んだって言ってませんでしたか?」
鈴香ちゃんが何気に2人少年達に向かって、ひどい事を言い少年達の死亡を指摘していた。
どうやらあの少年達は知り合いらしい。
なるほど、あの少年達は知り合いなのか? でも、なんであの少年は、さっき俺の事にらんでたのかな?
先程まで呆けていたユウマが、鈴香ちゃんの言葉に反応して、そう考えていた。
「はい、航さんと隆さんは自業自得の上に、半分以上自殺に近いですから。 あっ!そろそろ死者の2人は、転生させないと魂の力が弱まってきていますね。もう、存在そのものが消えかかっていますね」
すると鎧塚少年と、飯田少年は、『はっ』としてから。
「おっ、おい、おえめぇ、早くチートスキルくれよ、俺はなっ・・・」
鎧塚がフィーナ様をお前と呼び、スキルを強要しようとしていると、フィーナ様はその言葉をさえぎった。
「あー、あなたたち2人は、死後の転生を行いますから特別なスキルは、差し上げられません。 実際転生そのものが特典になりますので、差し上げられる特別なスキルは御座いません。 あ・し・か・ら・ず。次は良い二度目の人生を送ってくださいね。 それでは魂転生」
女神フィーナ様がニコニコと笑顔で呪文を唱え、少年達を転生させた。
「おっ、おいそりゃ無いだろ・・ちょっと、まてって、おい、こら、女神・・俺は・・・」
「そんなぁぁぁぁ、なんでなんですかぁぁぁぁ《しくしく》・・・・」
2人が最後の言葉を言い終えないうちに、体が薄くなっていき足元から消えていっている。
そして、あと頭の部分を残して、すべての身体が消えるその直前になって、フィーナ様が何かを思い出したようにある説明を語った。
「あっ、ちゃんと前世の記憶と知識は残るようにしておきますので、赤ちゃんから頑張って強くなってくださいね」
女神フィーナ様が最後に、駄目だしの残念な言葉を少年達に向けると、2人の少年は驚いたような顔でなにかを言っていいたが、こちらには声が聞こえず、そのまま姿が消え去ってしまった。
・・・
そして、またみんなの方に向き直りユウマに向けて、先程の続きを喋りだした。
「それでは、ユウマさんはどちらを選ばれますか? 異世界に転移するもよし、地球に戻るのもいいですよ、さあ、どちらを選びますどちらでもよろしいですよ。どうします? それとも転生する方でもよろしいですよ♪ あなたなら・・・いえ、これは説明できませんね」
可愛い笑顔を向けてウインクしてユウマに尋ねて、最後の方は何か小声でいっていたがききずらかった。
まあ俺としては、この娘たち4人を見捨てて地球に戻るなんて事はしたくないし、始めから決まってるからな。
そう考えてフィーナ様に声をかけようとしたとたん、何故か鈴香ちゃんに後ろから首をホールドされてしまった。
『なっ』と声をだして振り解こうとしたが、両腕を双子の未菜ちゃんと結愛ちゃんに捕まれ抱きつかれた。
そして、二人に気を奪われている間に、今度は前から唯香ちゃんにしがみ付かれた。
完全に身体を固定された状態になり。
4人とも抱きついた状態で、力を込めて、語りかけてきた。
「先輩っ! 私たちを見捨てないよねっ、一緒にいこうよっ、ねっ、ねっ」
「ユウ兄っ!一緒に行ってくれるゆねっ、異世界で楽しく暮らそうよ、そして今までと同じ様に一生面倒みてよっ」
「そうだよぉぉっ、ユウ兄っ。一緒にいてくれなきゃ、私達が困るよっ」
「ユウ兄様っ、一緒にいてください。一生のおねがいですぅ」
「「「「お願い!一緒に異世界に行こうっ、もちろん行ってくれるよねっ。一緒に残ってくれるよねっ・・・」」」」
《ギュー》とっ、それぞれの子が腕に力を入れて、必死にお願いして尋ねてきた。
しかし、ユウマは必死に耐えながら・・・・!?『いやっ』完全に首にスリーパーホールドが決まってる、から答えられない。 そのうえ腕の固定されてるから振りほどく事もできない。 それに前にしがみ付かれ倒れることもできない。
そう思いながら如何にか抜け出せないか動いていた。
だが、完全に身体を固定されて動くことも出来ず、脱出不能な状態でいる。
そして意識が薄らいでいき、『このままじゃ違う意味で逝ってしまうっ』と、ユウマが意識を失いかけていた。
すると女神様が助けてくれた。
「あのぉ、あなたたちそのままだったらユウマさん。ほんとに死んじゃいますよ」
間違いなく救いの女神様が・・・、いや、まあ、本物の女神様だけど、女神フィーナ様が少女達に指摘してくれた。
そしたら少女達が『はっ』とし、全員が一斉に手を離して俺の身体を解放してくれた。
「ごほ、ごほっ、はっ、はぁ、はっ、はぁーっ、死っ、死ぬかと思った」
むせながら新鮮な空気を吸い込んだ。
そこでユウマが無事なのを確認して、少女達が必死で謝っている姿を見ながら、笑顔をみせ語りかけてきた。
「それではユウマさんの、希望も分かりましたので、その要求どうりに進めますねっ」
すると少女達が一斉に『えっ』と、驚いた顔をして、フィーナ様と俺を交互に見渡した。
そして、不思議に思った鈴香ちゃんがフィーナ様に質問した。
「えっ、えっ、どう言うことですか? フィーナ様、先輩の希望ってなんなんですか」
「えっ、あっ、はい、最初からあなた達と共に異世界へ渡る事を、決めていたみたいですね。私の最後の質問でも、変える意思は全然なかったみたいです」
そう説明してニコッと微笑んでいた。
そして、その鈴香ちゃん達4人が喜んでいるのを眺めながら、続きを語りかけてきた。
「それでは色々長々と話してしまいましたが、今からあなた達6人には、特別なスキルと私からの加護を、そしてアイテムを差し上げたいと思います。それと個人的にひとりひとりに色々と説明をしていきたいと思います」
ここにいる6人を見渡してから笑顔で語りかけてきた。