33.街に来るまでに起こったこと?
未菜とは、違いユウマは襲いかかってくる、ダークファング達を借りた剣でサクサクと切り倒し応戦していった。
しかし、襲ってきたダークファングのほとんどは、未菜が攻撃魔法で倒してしまったので、ユウマとしては馬車を襲ってきた奴しか倒していなかった。
「ユウマ殿、シルフィーを守って頂有難う御座います」
「いやぁ、あなた達がいたおかげで被害が無くてよかったです」
「いえ、俺はほとんど何もしてませんよ。どっちかと言うとウチの未菜が」
お礼をレーネとレオンに言われたがほとんどの功績は未菜だと教えた。
「いえいえ、そんなに謙遜しなくても馬車の周りには、こんなに大量のダークファングの亡骸が」
レオンに説明したが聞いてくれずに話をそらされた。そこへ他の騎士達が馬車の周りに近づいてきた。
「しかし、良くあの大群のダークファングを倒せましたね。しかも馬車が無傷ってすごくないですか隊長」
「ああ、ざっと今回現れたのは50匹を超えてましたよ。それに上位種のダーグファングローガが4匹もいましたから、でも3匹はどっかに消えましたよね」
「おい、そいつらここに来たみたいだ。だが、もう死んでるぞ1匹は丸焦げで後は真っ二つだ」
どうやら今回の襲ってきた獣の中にはその上位種まで存在していたようだ。
それはどうやら1匹は未菜の魔法で、もう2匹はいつの間にか俺が両断していたようだ。
「しかし、今回のダークファングたちの行動は、おかしくないですか? 今まで襲われても20匹前後だったのに今回は、50匹以上で襲ってくるなんて。それになんか様子もおかしかったですから」
「ああ、普段は仲間がやられたら警戒するか逃げていくはずだが?」
「ええ、何かにおびえて仕方なく襲ってる感じもありましたね。後方に引くより攻めてきてましたから?」
どうやら今回のダークファングの行動のすべてが異常でおかしいらしい。
そんな事をレオンと男性騎士達が話しているとは、知らず馬車の周りで守っていた女性騎士達はそれぞれダークファングの亡骸を見て言葉を漏らしていた。
「でも、すごい数でしたね」
「ええ、でも馬車の周りだけダークファングが襲って来なかったもんね。ほとんどユウマ様が倒してたから」
「それに襲ってくる数が多くても未菜様の魔法で倒されてましたもの、私達は多くても楽に倒せましたよ」
などと、女性騎士達からは楽な戦闘であり、ユウマと未菜の話しで持ちきりであった。
移動を開始して、初日にはこんな戦闘があった。
そして3日目の昼ごろに、街へ救援を求めていた騎士ダントが荷馬車と馬を数等連れて救援隊一緒に合流してきた。
そこで早速、シルフィーの乗る馬車から荷馬車に荷物を移動させ、馬車に乗っていた女性騎士達も馬に騎乗して今後移動する事になった。
そして馬車に残ったのはシルフィーさんとレーナさんだけになり、俺達は荷馬車の方に行っていると引き止められた。
「あら、ユウマ様達は、どちらに向かうのですか?」
「えっ、今までと違いますし荷馬車の方に乗せて貰おうかと?」
「何をおっしゃいますか、ユウマ様。あなた達は今までどうりこちらでいいのですよ♪」
荷馬車行こうとしていた俺達を引き止め、今までシルフィーの馬車の方に連れて行かれた。
「それに、ユウマ様達はシルフィーの護衛ですので、こちらの馬車方がよろしいかと」
レーネからも引き止められる結果になってしまった。
「ユウ兄。モテル男は辛いよね。でも、ほどほどにしないと誰かに刺されるよ」
「何を言い出すんだ。未菜」
その言葉を聞き未菜の方に視線を向けると、冗談では無いような表情をしていた。
そして、この一連の行動の後、再びトライアの街へ向けて出発した。