31.女神のいる場所で・・・?
白い空間にある神の間のとある場所より、1人の天使が女神フィーナ探し求め、いつもフィーナいる部屋に来て・・・。
「フィーナ様、フィーナ様、フィーイーナーさーまー、どこですかぁぁぁ」
女神フィーナの従者の守護天使ミアが、いつもいるはずの場所に見つからないフィーナを大声で呼び探し回っていると、何も無い空間から突然姿を現した。
「もぉぉ、もぐもぐ、ごむじだもよ、ゴクン、ミア?」
その空間より物を食べながらミアの前に姿を現した女神フィーナが、意味不明の言葉を話し答えた。
「いや、物食べながら喋らないで下さいよ。 はしたない、はぁ、あなた女神様なんですよ」
女神であるフィーナに小言を言ってミアは呆れきっているのに対し、女神フィーナはこの子は、うっさいなぁ的な顔をして尋ねた。
「で、どうしたの? 慌てて」
「あっ!そうなんですよ。すごい事が起こっちゃたんです。下界の未来が、アーストリアの未来が、予見の未来が変わっちゃいましたよっ」
ミアが予見での未来が変わったと顔を近づけて興奮した状態で語りかけてきた。
『へっ、やばぁ!さっきまで許可を取らず下界に下りて、面白半分に教会でおやつを信者に迫って、そのお礼に祝福しまくってきたのが駄目だったかな、それであの町の未来変わっちゃたかな、やばいなぁ、取り合えず早めに謝っとこ》
「ごめんなさい。ミア!」
フィーナは早めに謝れば許して貰えると思い、突然ミアに頭を下げ謝った。
「はあ、なにを謝ってんですか? あっ、あなたはまさか、また何かやったですか・・・」
フィーナの謝罪に驚いて、この駄女神はまたなにかやらかしたなっと、額に青筋をたてて小言を言おうとした。
だが、今はそれどころでは無いので本題に入った。
「その事は後で詳しく聞きます。 それはそうと、すっごい事が起こったんですよ。 アーストリアでの近い未来が変わっちゃたんですよ。 予見が違う未来に変わったんですよ♪」
守護天使のミアは、喜びながらフィーナにアーストリアの未来の予見が変わったと、喜びを身体で表しニコニコと笑顔で報告してきた。
「えっ!どっ、どう言う事かな。 なにが、どの予見が変わったの?」
フィーナがどの未来予見が変わったかを、ミアに飛び付いて尋ねた。
「えっとですね。シルフォード公国とレオニール皇国の全面戦争が、無くなり同盟が結ばれる未来に変わっちゃいました。なお、その時死ぬはずだった重要人物の面々と、多くの犠牲者がゼロになりましたよ♪」
またもミアは喜びながら質問に答え、ニコニコしながら笑顔を向けた。
「えっ!ホント、ホントに、やったじゃない。でもどうして?」
「はい、こたびのレオニール皇国との同盟に関する書簡を、シルフォード公国の姫が直々に騎士団と共に受け渡し返事を持ち帰ってるときに、ホントは何者かに騎士団が襲われ全滅し、姫が書簡共々さらわれ交渉が決裂、いろんな誤解で戦争に発展してしまうという未来でしたよねっ」
「ええ、確かにそうだったわね、それにはどう介入しても変えられない未来だから、もうしょうが無いから起こった後に、救済処置をしようと三神会議で決めたもの」
確かにこの事は、この世界の女神である3人による会議で事が起こりしだいで助力を出し被害を少なくすると言う流れで最終的に話がまとまった事だった。
「でも、姫がさらわれず。しかも騎士達全員も生存して帰国。そして無事レオニール皇国と同盟が組まれる。という未来に変化しました。戦争がなくなり多くの信者を失わなくて住みました」
今回何故か変わったか解らないが、先程聞かされ確認した未来予見の説明をした。
「えっ、でも、どうしてかしら? んっ、ちょっと待って、その子達が襲撃された場所って」
「えっ!はい、確かシルフォード領域の外れ、深緑の森付近の街道広場ですけど?」
フィーナの質問に対してミアが如何したのだろうとその場所を答えた。
するとフィーナはある人物を思い出し、つい声をあげた。
「あっ!あぁぁ、もしかしたらユウマさん達が、その子達を助けたんじゃない。場所も近いし」
そう思いフィーナが自分の腕輪から、タフレット端末を取り出し端末で操作をして確認をしたのであった。
現在のユウマのいる場所の検索:シルフォード領域の外れ深緑の森付近、街道の近くにて野営中。現在同行者を多数確認。
「ふっふふふ、やったわ。ユウマさん、早速アーストリアでの不幸な予見を変えてくれちゃった♪ ふふふふっ、私のお・も・わ・く・どうり。やっぱり、さすが私の見込んだ彼だわ。今度連絡きたらまたサービスで、こそっとスキルをまた進呈しちゃを♪」
フィーナは、ユウマの起こした奇跡みたいな事に喜びまくっていた。
しかし、それは長く続かなかったのである。それは直ぐに自分のした事がばれるからであった。
「それはいいとして、あなたは何故、先程私に謝っていたのでしょうか?」
守護天使であるミアが冷たい笑み浮かべ、喜びまくっているフィーナに詰め寄っていたのである。その笑みはハッキリ言って天使とは思えない様な威圧感を出し、額に先ほどの怒りより更に多く青筋をたてニコニコと、冷めた怖い笑顔で追及してきたのである。
『あっ、しまった』と思っていたが、もう後の祭りで天使であるミアが、女神であるフィーナを目の前に正座させ、先程やったがバレて仕舞い。そして、責められ御小言を永遠と語っていたのであった。