30.さあ、冒険者ギルドで・・・?
先程助けた少女の2人と鈴香だけは、すでに建物の中に入っていた。
その後を追い、愛美達3人も中に入ろうとする前にギルド周辺を見ていた。
「ふひゃー、でっかいねぇ!」
「そうですわね。何処かの競技場の施設?いえアミューズメントパークみたいな感じですかね?」
結愛と唯香が自分達の思った感想を口にした。
「とりあえず、リンちゃんも中に入ったし。私達も中に入りましょ」
あちこち見ながら中に入っると、何故か?鈴香が男の人達と衛兵らしき騎士の人に囲まれ2人の少女、カノとリリアは何故か奥の方に連れて行かれていた。
「えっと、これはどう言うことですか?」
愛美は、状況が解らず鈴香の周りを取り囲んでいる人達に声をかけた。
「何が、あったのですか?」
すると奥にいた1人の男性が、こちらに指差し大声をあげた。
「おっ、お前達も仲間だな。捕らえてくれ!そいつらは危険人物だ」
その男性は執事みたいな服装で、何故かオロオロしながら周りの人達に訴えている。
だが、余りにもその執事みたいな男性を信用できず、ギルドの関係者の人もこちらに近づいて愛美達に尋ねてきた。
「あなた達は彼女達、カノ様とリリア様を誘拐しようとしていたのですか?」
「へっ、どう言う事ですか?」
係員の人が質問している意味が理解できず、愛美が不思議がり聞き返えしていると
「そっ、そいつらが、おっ、御嬢様達を路地裏に連れて込んで行くのを見た。その後私の仲間が助けに行ったら返り討ちに・・・あいここに助けを呼びに来たんだ。だからその場所に仲間達が倒れている。だから早くそいつらを捕らえてくれ。危険なんだそいつらは!」
何故かあった事をしかも見てきたかの様に語りかけていた。でも言動がおかしすぎる。
後ろの扉より慌てて衛兵であろう騎士が二人入ってきて答えた。
「失礼します。確かに、その男が言う様に男達がたれていましたが・・・その、あの」
衛兵の騎士が首を傾げ言いよどんでいたので、ギルド関係者の女性が騎士に尋ねた。
「どうしたのですか?」
「えっと、確かに。えっとその男達が、なんと言いますか・・・・」
二人の衛兵の騎士がお互いを見てから1人の騎士が。
「山の様に大勢積み上げられていました。ただ・・・」
その衛兵の騎士は、ギルド職員の女性係員に近づき小声で何かを伝えていた。
執事の男性ついに我慢しきれず、わめきながら地団駄を踏みだした。
「今のうちに早く捕まえろ、拘束しろよ。この脳筋共!でないと暴れだすぞ。そいつら危険なんだ。早くしろよ!」
それを見て周りにいる人達は、何故かお互い話をして中々動こうとしない。
「なんかおかしく無いか?」
「ああ、俺もそう思う」・・・・・
そう小声で話をしだした。
その様子を見て我慢できなくなったのか、わめいていた男性とその仲間であろう男達が、鈴香と愛美達にナイフの様な物を持ち近づこうとしていた。
それを見た、ギルド関係者の女性が間に入り。
「ちょっと行動がおかしいわね。貴方達?」
その女性が不振に思い、男達に声をかけていると。
そこに、階段を下りてきた狐の獣人の少女が声を掛けてきた。
「あら、どうしたの。騒がしいと思って下りてきたら、なに大勢で入り口でたむろしているの?」
すると、一斉にその声が聞こえた方向に、みんなが視線を向けたのであった。
そして先程のギルド職員の女性が階段を降りて来た少女に声を掛けた。
「ギルマス、あなたは会議のため3日前にトライアに向けて出発したはずでは?」
「えっと、ちょっと忘れ物しちゃって急いで取りに戻ったのよ。ところでホノカどうしたの。この事態は?」
先程のギルド職員の女性はホノカと呼ばれて、階段を降りてきた少女はギルマスと呼ばれていた。
そして周りからは
「おい、なんでギルマスまだいるんだ」
「何故まだここにおられるのだ」
「確か、会議の為数日は戻られないはずなのだが?」
「おいおい、ギルマスのお出ましだぜ!」
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・
などと不思議がられたり、色々と周りから話声が聞こえて来た。
「あのですね。この者達があそこおります。少女カノ様とリリア様が、今日ここギルド会館に職業説明と登録にするはずでしたが。この少女達が彼女らを誘拐しようとしていたと、あの男性達が助けを求め乗り込んで来まして・・・」
そして、そう言葉を出して先程の男達の方に視線を向けたら、ますます執事の男性は、オロオロとしだし、見るからに怪しく見えてきたのだる。
そして少女2人を匿っている様に見える男は、少女達を両脇に抱えて後ずさりして逃げようとしている。
もう数人の男達は、鈴香と愛美達に近づこうとしていた男達は、ギルマスが登場してからその場所から後ずさりして逃げ出そうとしていた。
だがその男達の妖しい動きに気が付いた冒険者達が、出口付近を塞いでその男を逃がさないようにしている。
そして奥に少女達を匿ってたはずの男は、いつの間にか2人を気絶させているので、だからより一層この男達が怪しく思えていたようだ。
「そぉ、なら断罪の瞳をここに持ってこさせなさい。ちょっと急ぐから早くして頂戴」
ギルマスがそう言うと、直ぐに断罪の瞳と言われる水晶球をギルド職員の人が持ってきた。
そして、その水晶球に向けて何か呪文を唱え始めた。呪文を唱えたと同時に部屋の中央部分、丁度鈴香と愛美達を中心に光のドームが形成されその近くにいる者達が包み込まれた。
だが一番怪しい男達はその光に近づこうとはせず光から逃れようと離れだした。その逃げ出そうとした行為をギルマスと冒険者達が見つけ中に押し込んだ。
そして肝心の執事風の男にはギルマス直々に言葉をかけた。
「あんた達が、一番怪しいのよ!中に入りなさい。罪を暴いてあげるから」
男達を光の中にいれ、肝心の奴はギルマスが蹴りいれた。
断罪の瞳で確認をした結果、男達は犯罪履歴と行為がたんまり出てきた。
その男達の人達は、犯罪履歴等はなにも無い事が解り腫れて無実が証明されたのであった。
結局怪しい男達は、誘拐及び強姦の疑いが出てきて、そのまま衛兵の騎士に連行されていったのであった。
流石に捕まる前に、抵抗しようとしたが周りを見てすぐにその行為を諦めた。なにせその周りは屈強の戦士ばかりで、しかも最強クラスのギルマスまでいたからである。
それで鈴香達は晴れて無罪放免となり、冒険者ギルドで冒険者登録を出来たのであった。
そして、その日はそのままギルド会館内にある宿舎に止まり、この日から一時の間ユウマと未菜の合流を待ちつつ、討伐や採取等の依頼クエストを受けて生計をたてていくのであった。