26.もう一つの転生者達?
いっぽうその頃、時間は少しさかのぼりユウマと未菜が別の場所に飛ばされ、その他の子達が正常に魔法陣より転移され、2人がいない事に気が付かずいた。
そして、シルフォードの城下町、そこの転移門広場の転移門前に、4人の子達が次々と姿を現した。
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「うわぁ、太陽が2つあるよ」
上を見上げた鈴香がこの世界の太陽を見て驚いている。
「ホントだ。あと、周りの人もいろんな格好だよ」
結愛も空を見上げたあと周りを見て驚いた。
「すごいですね、ほんとに異世界なんですね」
それに反応して唯香も、ここは異世界なんだと再確認した。
本当に異世界に来てしまったと皆が、思い思い言葉にしている中で唯一社会人である、愛美は、これからどうしたらいいかを深く考え込んでいた。
「先輩、異世界でこれからどうしますか?」
鈴香が、ユウマにこれからどうするかを尋ねてみたが、返事が無いので振り返ると先程までいた筈の人物がいない事に気が付く。
「あれ、ユウマ先輩?」
キョロキョロと周りを探してみんなに尋ねてみた。
「ねえ、みんな、先輩はどこ行ったの?」
「リン姉ぇ、またまた、なに行ってるのユウ兄ならここにてっ、あれ?いない?」
「えっ、先ほどまで鈴香姉様の後ろに、いましたよね?」
「あれユウ兄っ、どこ?どこいったの。ねえ、ミナ姉ぇユウ兄は・・・?」
ユウマがいないのに気が付き探し周りを見て結愛が、その事を横にいたはずの未菜に声をかけたが、返事が無いので振り返えった。
「あれ、ミナ姉?・・・いない。えっ、えっ、どういうこと?ねえ、リン姉2人ともいないよ」
この時点で2人がいなくなっているのに気が付き不思議になり必死で探していると思と・・・。
転移門より何かが《パタパタ、パタ》と、こちらに向かって飛んできた。
その飛んできたのは毛玉に羽の生えた変わった生き物が鈴香達の前で止まった。
「皆様・・・ご無事に転移が完了しましたね。私、このたび女神様より使わされました。皆様の案内と連絡係りをさせていただきます。ハピです。よろしくです」
《ペコッ》と毛玉が可愛い声で挨拶してきた。
「それでは・・・?・・・まず、貴方たちのお探しのユウマ様と未菜は・・・。実は、転移の際に・・・・」
一旦・・・言葉を区切り、どう説明したものかと悩んでいると。
「ユウ兄とミナ姉ぇに何かあったの?」
結愛は、ハピが妙なところで言葉を区切り、考えだしたので余計に心配になって聞き返した。
「もしかして先輩と未菜ちゃんは、どこかヤバイところに落ちたの?」
鈴香は、もしかしたら変なことに2人が巻き込まれたのでは思い。
「だっ、大丈夫ですよ二人は一緒みたいですから、でもユウ兄様と未菜ちゃんが・・・・・」
「大丈夫ですよ、たぶん近くいますよ、みんな信じましょ」
愛美は、少女たちを励ますように言葉をかけた。このとき愛美は、自分のせいでこの子達をこんな異世界に巻き込んでしまったと勘違いして、出来るだけこの子達と一緒に行動をして助けていこうという考えていたのだ。
「あっ!すいません。突然言葉を区切ったので誤解されたみたいで。実は、ユウマ様と未菜は迷子になられました。どこに行ったか解りません。今捜索中です」
ハピが何故か2人が迷子になりましたと面白いことを言い出した。
「「「「はいいいっーー??」」」」?????
みんなが、頭に疑問符を浮かばせながら、首を掲げていた。
そして、一斉にみんなが笑い出した
「あは、あは、あははははは、異世界まで来て、迷子って、先輩なにやってんの、あはは・・・・」
「ユウ兄っ、ハァーなにやってんのかなー、あははははっ」
「えっと、たぶんなにかの聞き間違いですよね。ねっ、ハピさん。ぷぷっ」
「えっ、えっ、彼、異世界で迷子になっちゃったんですか?ふふふっ」
鈴香はお腹を抱え笑い転げ、結愛はため息を吐きつつ吹き出して、唯香にいたっては何かの聞き間違いであって欲しいと思いながら吹き出していた。
さらには愛美に関してもユウマの現状を《あらら》と思いながら結局吹き出していた。
「あっ、あのすみません。言い間違えました。正確には行方不明ですが先程フィーナ様が、御二方の居所を把握していました。 そして、彼は約地球での1週間ちょっとぐらいで合流する予定になっております。まあ心配しなくて良いとのことです。はい」
そう、みんなに言い聞かせ2人は無事で、約7日ぐらいで合流すると説明した。
「ですので、その間はこの都市シルフォードでですね、冒険者登録して貰いお二人を御待ちいただきたいのです」
そして、ハピにそう言われたので冒険者の登録を行なうために、徒歩で冒険者ギルドへ向かっている。
「そう言えばさぁ、私たちまだ冒険者になってないの?」
「はい!一応みなさまには・・・まだ、無職の状態です」
ハピ曰く現在は冒険者登録をしていないので、無職でありただの町娘か無職娘の状態であって何も能力が無い状態だそうだ。ただ女神フィーナ様に貰ってる加護と能力だけで、後は普通の人と変わらない状態のはずとも教えてくれていた。
「えっ!私たちって、まだ弱いままなの?」
「いえ、ある程度は御強いとは思いますが」
「えっ、ちょっと待って・・・それじゃー!ユウ兄とミナ姉は・・・2人は無職の状態で一週間も旅をして戻って来るってこと?」
「いえいえ、その辺はちゃんとフィーナ様がフォローされているはずですが、私は詳しく聞いておりませんので」
2人の心配したが、どうやらそちらの方はフィーナ様どうにかしてくれるという事なのでとりあえず考えない様にした。
「それじゃさあ、早速冒険者ギルドに行こう」
ギルドへ向かうために最初に声をあげた鈴香を先頭に、ギルドまでの道案内をハピにさせたのであった。