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24 魔獣浄化と野営の準備?

 そして、皆がいる方向からマークが立ち上がり、大きな声でユウマに礼を言っているのが見えた。


「おお、騎士マークも回復したか。んん?ユウマ殿がこちらに来ているな」


 ユウマがこちらに向かって来るのに気が付き、ある事を思い出しセリカに声をかけた。

「セリカよ、ユウマ殿に聞いてみては、あの方が最後までここで戦っていたのだから!」


 そして、ユウマはレオンと女性騎士セリカの元に来て、ある事を尋ねようとした。

「レオンさん、ちょっといいですか。お話ししたい事があるのですが。・・・あれ?そちらの女性騎士さんは、なぜ泣いておられるのですか?」


「ああっ、実はな・・・彼女の愛剣がどこかに消えてしまってなっ・・・それでな」

 レオンが困り顔でユウマに説明してくれた。その時ユウマが「あっ」という顔をしてからアイテムボックスからミスリル製の長剣(ロングソード)を取り出した。


「すいません。これお返しするの忘れていました。例の男を捕まえる時に収納したまま追いかけたので忘れてました。ホントにすいません」

 長剣を泣いている女性騎士セリカの前にそっとそれを渡し、すみませんと謝罪して頭をさげた。


「あっ、ああ私の剣っ、ううっよがっだよー(よかったよー)とても大切な、グス、剣なんですぅ」

 セリカは、泣きながらよかったと剣を受け取り鞘に収めていたが、今度は安心して涙は止まらないみたいなので、ユウマはアイテムボックスの中にあるハンカチを取り出し彼女の涙をそっとぬぐい、そして渡した。


「あっ!ありがとうございます。あのユウマ様、私、セリカ・リストールともうします。 この度助けて頂きありがとうございました」

「あっ、どうもです。よろしくお願いします。それと助けた事は気にしないで下さい。 しかしその剣は非常に良い剣ですね。良く切れるしすごい力を持っていますし」


「えっ!でも、確かにミスリル製ですけど最近調子が悪くて?・・・てぇぇぇ、えっ、えっ、すごい力てっなんですか?確か魔力回路が詰って剣の性能も下がっていたのですけど?」

 セリカは、剣をほめた事に驚いて今まで剣の調子が悪く性能が下がっていたはずだと、思い剣を鞘から抜き出し《じぃー》と眺めて確認していた。


「・・・!?ほんとだ、魔力回路が正常になって今まで以上に性能が上がっている。」

『どういうこと?確か、王都の鍛冶屋でこの剣はもう完全に魔力回路が詰っているので、これ以上の性能を上げるのは出来ずこのまま朽ちていくか?それとも賭けに出て膨大な魔力を通して覚醒を促がすか?と説明されたけど壊れてしまうかもと言われたので魔力を過剰に流すのを止めたのだけど』

 剣を見てから声に出し驚いてから、頭の中で以前鍛冶屋で言われた事をセリカは思い出していた。


 そして、ユウマの方に近付いてきて手を握りお礼を言ってきた。

「ユウマ様、ありがとうございます。剣を直していただいて」

「はい?あのぉ、俺は何もして・・・」


「いえ、壊れかけていた魔力回路が直って性能が上がっているんですもの♪」

 ユウマは、やった憶えの無いことに感謝されて少し戸惑い、何もしてないと言おうとしたが、さえぎられてやってもいない事を説明された。


 感激して興奮しているセリカを、どうしたものかと考えていたら、レオンが助け舟を出してくれた。

「セリカよ、いい加減にしないか!ユウマ殿が困っている。それで、ユウマ殿話しとは?」

 レオンは、セリカに注意してから、ユウマに先程の事を尋ねてきた。


「あっ、はい、先程、回復薬を作りましたので、他の皆さんに配りたいと思いまして。あと、本題はこの後どうするのかなとお聞きしたくて」


「えっ、ああっ、えっとですね。この後、取り合えずここの魔獣(モンスター)の魔石を取り出して浄化を行ないアンデッド化を防止します。それから先程の場所で今夜は野営を行い皆の治療と体力の回復をしようと思いますが」

 レオンは、今から魔石を取り出すために魔獣(モンスター)に近づいて作業を開始した。

 良く見渡したら、先程まであった数体の魔獣(モンスター)の亡骸がなく、何かの石のような物と角やら牙が落ちていた。


何だこれと拾ってレオンさんに聞いてみたら不思議がりながら教えてくれた。

「ん? ユウマ殿は、冒険者なのに素材と魔石を知らないのかい?」


「えっええ、討伐して素材を入手せずに・・・・・・」

「あっ!なるほど、今まで素材集めは、荷物運び(ポーター)にでも任せていたのかな?」

 正直に言おうかと思ったが口ごもっていたら、どうもレオンが勘違いをしてくれたようなのでそのまま答え無い事にした。


 そして、サイクロプスの亡骸の元に行き魔石を取り出してから色々と教えてくれた。

「どうやら、あの男に使役されていたのは、こいつだけのようですな」

「えっ、どうして解るのですか?」

「ええ、魔石と操る為の魔核がありました。まあ、魔核は真っ二つになっていますが、術者の呪詛による従者契約の魔核ですね」


 そう言って真っ二つになった魔核と魔石を見せてくれた。真っ二つの魔核は真っ青である。魔石に関しては他の物よりかなりの大きさがある。


「ここら辺では、サイクロプスは生息していないはずですから、どこからか連れて来たのでしょうね」

 レオンさんによるとサイクロプスは、この辺いる魔獣(モンスター)ではないと言うことも教えてくれた。


 そして、魔物の魔石と素材をすべて集めてみんなのいる場所へ戻ってきた。


 それから今日はここで野営を行なうための準備を始めた。

 馬車より天幕や布など、そして、敷物や木で出来た食器類と鍋、野菜等を取り出してきてから、天幕を広げ野営のため準備を行い、火をおこし簡単な食事の準備も始めた。


 この作業の間、ユウマは手伝おうとしたが断られたので、シルフィー達と話をして過ごしていた。ちなみの未菜(ミナ)は一旦起きてきたが今は俺の膝を枕がわりにして、まだ眠っている。余程疲れたのか、それとも魔力の使いすぎの影響かは良く解らなかった。


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