21.試したい事・・・?
どうも詳しく話を聞いたら、回復魔法自体使える者はいるが、その人達は基本的に村や街の安全な場所にしかおらず。滅多に旅に同行することは無いそうだ。しかも金品を要求するらしい。しかも回復薬とかも低位の回復薬自体も値段が高いそうだ。
「えっ、回復魔法を使える人って少ないんですか?それに回復薬ってそんなに高いの?・・・」
「はい、回復魔法を使える者は基本外には出てきません。それに回復魔法を1回使用するのにかなりの金額を要求されます。それにポーションなどの回復薬もかなりの金額になります。なので基本は高額で購入したポーションを薬液で薄めるか、薬草をすり潰した物を薬液で調薬した物を使用します」
どうやら回復魔法もそうなのだが、回復薬を造る人も少なくそれらも高騰しているようであった。それで現在は薬液と言う液体で薄めて使うか薬草で簡単な回復薬を作っているそうだ。
「ならその回復薬はまだあるのでしょうか?今は一応俺達の魔法で傷を癒していますけど出来るなら回復薬を使う方が良いかなと思いますけど」
「いえ残念ながらもう私達にはポーションどころか薬草もありません。なのでユウマ様達が回復魔法が使えたのが私達にとっては、ホントに幸運でした」
「はい、シルフィの言うとおりもう我々には回復手段がなかったのです。唯一薬液だけはまだいくらかあるのですが・・・」
一応、回復薬などの薬系を薄めたり製作するための薬液は残っているけど、それを使うための材料が無いそうだ。
ただ、薬草に関しては色んな所に生えているので採取すれば問題ないのだがこれには【鑑定眼】か【調薬術】のスキルを持ってないと解らないそうだ。
「なら、すいませんが、薬液と容器がいくつかもらえませんか。ポーションと薬草をいくつか持ってますから、試しに薬液で水増ししたらみんなに行き渡るかも知れませんので」
ユウマは、先程聞いた内容を早速試してみたくなって、薬液と容器が無いかシルフィーさん達に聞いてみた。
「えっ! はい薬液はありますが、容器は丁度良いものは無いですね。 しかし、薬草を持っているのは解りますが、まさかポーションも持っているなんて、ただどうやって薬草をすり潰すのですか?・・・」
・・・・!?ああ、その事を考えてなかった。何か無いかな・・・試しにアイテムを確認していると・・・。
「あのー、2人ともよろしいかしら?」
俺が考え事をしていると、シルフィーさんが声をかけてきた。
「どうかしましたか、シルフィー?」
「ん?」
「えっとですね。容器でしたら使いかけ薬液の容器があるので、それがちょうど良いのでは?」
するとその言葉にレーネが気が付きいったん考え言葉に出した。
「あっ!そうですね、あの大きさならちょうど、いいかもしれませね」
俺には、どれくらいの大きさなのかは、さっぱり解らないが?
「ちょっと待ってください、今から持ってまいりますから」
レーネは、馬車の方に薬液を取りに行ってくれた。
「しかし、ホントにユウマ様は色んな事が出来ますよね♪」
シルフィーさんが、近付いて来てじっと俺の目を見て目をキラキラ輝かせていた。
そして、色々シルフィーさんと俺がその様な事をしていると、レーネが薬液の入ったビンを2本持ってきてくれた。
「はあ、はあ、ユウマ様この使い掛けの薬液の入ったビンと新品の薬液ビンの容器で良いでしょうか?」
持って来てくれた容器のビンをそっと渡してくれた。
「あっ!ありがとうございます。この薬液は使って問題ないでしょうか?」
「ええ、足りなかったらもう1本の新品の薬液を開封して使ってください」
使いかけの薬液は使っても問題ないみたいで、もし足りなかったら新品を使って問題ないと返答をもらえた。ただ、薬草をすり潰す行為が出来ない。