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お題 サラダボウルとさよなら

この話はおそらく自分が15か16くらいの頃に書いたものです。姉と台所で料理をしながらふざけていたときに思いついて、そのままのノリでちゃちゃっと書いた記憶があります。今読むと、よくわからん部分もあります。

スマホのメモを整理していたら出てきたので、一応供養しておこうかなぁと思いまして。


たまにはこういうくだらん話もいい……かな?

台所は戦場である。まずは人参を確保し、流水で軽く洗う。

「ぎゃああぁぁ!!!」

冬場の台所は冷えるのだ。人参の悲鳴が痛々しくもあるが、その分の自分自身へのダメージが大きい。

次にピーラーを装備。人参の皮を向いていく。何たる拷問。良心を痛めつつも、我がお国(お腹)の為と無心に手を動かす。

次は包丁に装備を替える。人参をいちょう切りに。

「ふぅ……さて、君たちには暫くここで待機していてもらおう」

さて、ここで取り出したのはサラダボウル。見るも無残な姿と化した人参たちをそこへ放り込む。

続いて玉ねぎ、茄子、モヤシの下処理をする。

「あ、」

そういえば茄子はアク抜きが必要だったのだっけか。

慌てて別のサラダボウルに水を張ってそこに切った茄子を放り込む。

「うわああぁぁぁ!!!」

いきなり冷たい水につけられたせいで茄子たちが哀れな悲鳴を上げるのが聞こえた。

さて、第一の山場は突破した。

続いて、フライパンに火をつけ、油を敷く。玉ねぎ、人参、茄子、モヤシの順番で炒めていく。パチパチといい音を立てながら野菜たちが死んでいく。

「ふふふ……今のところいい調子だ」

これもまた、お腹――もといお国のためだ。許せ、野菜共よ。

さて、人参まで炒められたところで、水からあげてあった茄子を投下するべくサラダボウルを手に取る。

「茄子よ、覚悟するが良いっ」

投下。

今思えば、何故もっと念入りに水を切らなかったのか。否、もっと言うならば、何故プラスティック製のサラダボウルを使わなかったのか。多分手元にあったからとか、単純な理由だったと思うのだが。

水切りが足りず、まだ茄子に水分が残っていたのだろう。

油が水と反応して、勢い良くはねた。ここにきての、油と茄子による反撃であった。

「あっっっっついぃぃ……!!!」

思わず自分は手を後ろに引いた。

まるでスローモーションを見ているが如くゆっくりと、空中に、まだサラダボウルの中に残っていた水分と茄子が舞う。

ああ、無念。

さらば、茄子。

さらば、サラダボウル。


教訓:慣れないことはしないべし。

とまあ、こんなもんでした。SS並みの短さです。お読み頂きありがとうございます。

2021年ですね。

2020年は久しぶりに小説を書く機会があったり、色々あったりしましたが、振り返ってみるとあったようでなかったような1年でした。この短編集の前2話で話を出した3題小説の会は、自分のせいで延期になってしまっていたので、そろそろ新しいお題の話に着手して再開させたいですね。

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