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プロローグ
「……この日がついに来てしまいましたのね」
そうつぶやく少女は誰もいない屋上でため息をついた。
少女の名は、マリーツィア・フォレスト。フォレスト公爵家令嬢である。オラシオン王国1の権力をもつ貴族の令嬢で、しかも誰もが羨む銀髪、守りたくなるような可憐で可愛らしい姿。
マリーツィアは世の殿方の理想の令嬢、さぞ婚約したい人は多いだろう。しかし、マリーツィアはそんなことより……
「私は原作通りに追放されたりしませんわ」
そう、フラグ回避に忙しい。ーーマリーツィア・フォレストは前世持ちの悪役令嬢である。
始業式を終え、マリーツィアは教室の窓より校門の方を見る。そこには、転入生の彼女と彼女を迎える生徒会長の姿。
ゲームで何度も見たはずの出会いのスチル。違うのは、彼女の髪、雰囲気、そして表情。
マリーツィアはその表情を見て唖然とする。
「どういう事ですの?彼女で間違いないはずですのに。なぜ、なぜこんなにも違いますの!?」
あの笑顔はどこにいったのと……。




