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プロローグ
時代は乱世、人間の世界では動乱と戦乱の真っ只中。
世界各地では戦が蔓延り、生と死が入り乱れる。
そんな乱世には魑魅魍魎が巣食い出す。
人々はそれらを"物ノ怪"と呼び恐れた。
物ノ怪達は人間の恐怖を喰らう為に人々を襲った。
闇に紛れ、幽界に紛れ、人間の不意を突きその恐ろしい姿を現す。
人間が驚き恐怖した頃には忽然とその姿を消しているのであった。
夢か幻か…
現実味を帯びない不確かな恐怖は噂となり更なる恐怖心を生み出していった。
そして、そんな土地では物ノ怪の目撃談が多くなる。
しかし、その目撃談は長くは続かない。
武士の戦に巻き込まれ村が無くなってゆくからだ。
人は噂した。
「物ノ怪の現る処は村が襲われ滅びる前兆である」と…。
そうして物ノ怪は凶兆として人間に忌み嫌われる事となっていった。