近づく足音が消え去った後に、私はあなたのいない空を見上げました。
二人で思い出を築き合い、互いに支え合い、懸命に生きてきた。
お互いの身体を重ねるごとに、私達の愛は深まっていき、
自分勝手な喧嘩を重ねるごとに、私達の絆は強くなっていった。
>>だけど、そんな私達の関係に近づく足音があった。
口癖が移り合う程、私達はずっとに一緒の時間を過ごしていた。
あなたがいないと何をするにも退屈で、不安でいっぱいになった。
あなたがいてくれれば何事も安心で、何をするにいても楽しくて幸せだった。
>>そんな当たり前の幸せが今ではもうなくて。 今ではもう、あなたは隣にいなくて。
>>幸せに満ち溢れていた私達の関係に、一つの大きな亀裂が生じてしまったんだ。
別れたくはない。 だけど、別れなくては。
すれ違ったままの関係を、もう二度と元に戻すことはできない。
私もあなたも、今も尚 互いに互いを好きでいるのに―――。
だけど、『出逢った頃と何かが違う気がするんだ』 ――その考えが止まらない。
二人、出逢った頃に戻ることができたら・・・っと。
二人、幸せに満ち溢れていた頃に戻ることができたら・・・っと。
そんなことをどれだけ考えたところで、“戻ることはできない”と知っているのに。
>>私達の下に、“別れ”の“足音”が近づいた。
「じゃあな」 ――あなたは、悲しそうに笑っていた。
「うん・・・」 ――私は泣いていて、それ以上 何も言えなかった。
>>長い時間、私の傍には“別れ”の“足跡”が残っていた。
でも、振り続けた雨が、その痕跡を少しずつ消していった。
そして、私は今、晴れ渡る空を独りで見上げている―――――。