悪魔憑き
痛い…
苦しい…
「お前なんか生まれてこなければよかった!」
なんで…?
「悪魔憑きの分際で…」
「親殺しが!」
辛い…
なんでこんなことになったんだっけ…?
つごく普通の農村に生まれたリバは両親に甘やかされながら育ってきた、妹が生まれるまでは、妹が生まれてからは両親は妹に掛かりっきりで家では孤独を感じていた。しかもリバは周りよりも身体が弱かった、一緒に遊ぶ友達は、いなかった。ひとりを除いて、
「リバちゃーんこっちこっちー」
この呼びかけている少女はアズ、リバの唯一の親友だ。
「アズちゃん、今日は何して遊ぶ?」
「今日はお話しようよ、リバちゃんの話聞きたいなー」
「わかった!」
「 」
「そっかー楽しそうだね!リバちゃん、お家のことも聞かせて?」
「………最近家、つまんないんだ妹にパパとママ盗られちゃった。」
「リバちゃん…リバちゃんはどうしたい?妹いなくなってほしいと思う?」
「わかんない…」
「そっかー、もしさ助けてほしいことがあったら呼んでよ、すぐ助けに行くからさ。」
「うん、わかった!」
しかしこのあと二人が出会うことはなかった。その日の夜。いつものようにリバが魔術の練習をしていると悪魔が現れて家族を殺して回ったのだ。その日からだ悪魔祓いと称してリバが暴力を振るわれるようになったのは。
「穢らわしい…」
だれか…だれか、助けてよ!
「その声、聞き届けたぞ、私は大悪魔アスモデウス生と死を司る者なり!私の愛するものを傷つける不届き者共はこの私が殺してあげるわ!」
…アズちゃん?
悪魔なの?助けてくれるのかな…?
それならお礼を言わなきゃ…
「 」
声が出ないよ…のどが…
「あぁ…私の愛するものよこんなにボロボロになって…可哀想にすぐに直してあげるからね」
その言葉とともにリバの周りを光が包み込む、ボロボロだったリバの身体がみるみる癒やされていく。
「悪魔に助けられておる、やはりこやつは悪魔憑きだったのだ!」
それを見ていた司祭が叫んだ。
直後それを聞いたアスモデウスは怒りをにじませながら言った。
「さぁかかってきなさい2度と舐めた口聞けないようにしてあげる!」
もうその村に人はいない。あるのは積み上がった死体の山のみ。
「アズちゃんなの?」
リバはアスモデウスに問いかけた。
「そうね、私はアズ、大悪魔アスモデウスよ」
「そう…なんだ。でもまあ、ありがとうアズちゃん大好き!」
「っ」
リバはアズに向かって笑いかけていた。




