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堕天  作者: 中島
3/7

白鯨

何も無いただの道を馬車で進んでいる時、マモスがクニサキに聞いた。

「そういえばクニサキさんって何でこの街に来たんですか?」

クニサキはハッとしたように「そうだ、俺は人を探してあの街に行ったんだ。」

「人探し…ですか?」マモスが聞く。

「あぁ、まだ死んじゃいないって確信してるんだが、何処にいるかまでは分からない。昔の友人だ。

名前は…『霜月』。お前の街には居なかったか?」

クニサキは淡々と語った。マモスは「知りません」と全く分からない様子だった。

そうこうしているうちに目的地であった村に着いた。

クニサキによればこの街は漁業が盛んで、村と言うには少し大きすぎるらしい。

村へ入って、聞き込みをしてみたところ、霜月の事を知ってるという人がいるらしい。その人は、毎日、桟橋で釣りをしていると言う。そして、桟橋に近付いた時、彼は居たが、その異様なオーラに俺は近付けずに居た。

その時、チャラスが近付きながら

「おい、あんた!話が聞きたいんだが…」

と言いかけた時、彼が左手をこちらに向け何かを飛ばした。その左手はアンカーの様で、チャラスに刺さった。

「痛ぇ!」チャラスが悶えてる間もなく、彼は左手を振り払うとチャラスは空を飛び壁に激突した。

クニサキは思わず「おい、お前!」と彼に突撃しようとしたが、突然、クニサキの顔を弾丸が掠めた。

「おい、あんまり船長に近付くなよ?」そのセリフを放ったのは…チャラス。リボルバーを構えている。

「なっ…」クニサキは驚きの表情を見せながらも、彼に向かって突撃していった。チャラスがリボルバーのトリガーを引くも、弾は出ない。

「うおおおおお!」クニサキが彼を蹴り飛ばし桟橋から突き落とす。

次の瞬間、チャラスは頭を抱え、倒れ込んだ。

「チャラスさん!」マモスがチャラスに触れようとした時、チャラスが起き上がり「いてて…あれ…俺何してたんだ?」と、不思議そうな顔をした。クニサキが皆に対し「早く逃げろ」と指示を出し、とりあえずその場を離ようとした。その時、俺に向かってアンカーが飛んできた。

まずい…このままだと…当たる…

そう思った次の瞬間、マモスが間に入り、庇ってくれた。アンカーはチャラスの時のように刺さりはせず、マモスで弾かれ海中に入っていった。

皆で急いで逃げ、公園で休んでいた時、1人の男が近付いて来た。

「おいおい、あんま俺らのシマで悪さしないでくれよな」

その男はガタイが大きく、チャラスが震えている。

「ぴ、ぴえっ」チャラスがなんとも間抜けな声を出した所でクニサキが喋り始めた。「俺たちも戦いたかったわけじゃない。それに、どこから見てたんだ?」クニサキが睨みつける。

「ハハッ、別に責めてはいないぜ?でも、悪さされると困るってだけさ。俺の名前はリュウキ、覚えておいたほうがいいぞ」

リュウキは続けて「まあ、誰もあいつを好きじゃないから、あいつがいなくなろうが誰もどうも思わないだろうがな」と話した。

クニサキはリュウキに「あいつの名前や、経歴を教えてくれないか?」と尋ねた。リュウキはこう答えた。

「あいつの名前はハープネス。エイガス・ハープネスだ。元々海賊だったあいつは、始めてきたときはここに下船して来たときだ。それからすこし経ったある日、彼らはまた出航したが、嵐に巻き込まれ、生き残ったのはあいつ一人ってわけだ。その日からあいつは、毎日あそこで釣りをするだけの廃人になっちまったって事だよ」

話を聞いたクニサキが「もう一度ハープネスに会いに行こう」と言い出したので、リュウキ以外の皆でもう一度会うことにした。

ハープネスは桟橋に立っており、何事もなかったかのようだ。

マモスが「僕が前に行きます」と言ったので、マモスの後ろに並ぶようにして歩いていった。クニサキがハープネスに話しかける。

「さっきはすまなかった。俺達は話がしたいだけだ。」と言い、反応を伺った。ハープネスはゆっくりと歩いてくると、クニサキの頭に手を置きゆっくりと話し出した。

「何しに来た…」ハープネスの目には恨みが籠っていた。

クニサキは恐れず、ゆっくりと答えた。「霜月という人間を、知ってるのか?」その名前を聞いた途端、ハープネスは驚きを覚えた顔でクニサキの胸ぐらを掴み早口で尋ねた。「その名前をどこで聞いた?」

クニサキはにやりと笑い、「俺はそいつを探してる。あんたは、会ったことがあるんだな?」と言い放った。

ハープネスは納得したような表情で「なるほど、お前らは霜月に会ったことがあるのか、それで俺を…」とぶつぶつ何かを喋りながらどこかに行ってしまった。チャラスは叫びながら「おい!どこ行くんだ!」と呼び止めたが、クニサキが制止した。彼が戻って来たとき、手にコンパスが握られていた。ハープネスはコンパスを見せると、「このコンパスは…」と、昔の出来事を語りだした。そうして、俺達が話を聞いている時、少し遠くから、それを見つめる存在があった。

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